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シフト制・交替制勤務の労働時間管理|日をまたぐ勤務の数え方、シフト変更のルール、2026年6月改正の年休の考え方

シフト制・交替制で働く従業員の労働時間は、日をまたぐ勤務の「1日」の数え方、休憩、深夜割増、変形労働時間制の要件など、日勤の従業員とは違う注意点があります。厚生労働省の「シフト制」留意事項(2026年6月改正)に沿って、労働条件の明示、シフトの作成・変更ルール、年次有給休暇の付与日数の考え方を整理します。

対象読者
シフト勤務・交替勤務の従業員がいる事業場の労務担当者
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この記事のポイント

  • 継続勤務が2暦日にわたる場合は、暦日が異なっても一勤務として扱い、始業時刻の属する日の労働になる。日ごとに分けて8時間を数えることはできない
  • シフト制でも労働条件通知書に「シフトによる」とだけ書くのは不十分。確定後のシフト変更は労働条件の変更にあたり、原則として労使の合意が必要
  • 2026年6月改正の留意事項で、所定労働日数を算出しがたいシフト制労働者の年休付与日数を、労働日数の実績などから算出する方法が示された

工場の2交替・3交替、介護施設の夜勤、小売・飲食店のパート・アルバイトのシフト勤務。働く時間帯が日によって変わる従業員の労働時間管理は、日勤中心の会社の担当者がつまずきやすいところです。

この記事では、シフト制・交替制勤務に共通する労働時間の数え方と、厚生労働省が示している「シフト制」の留意事項(2026年6月改正)のポイントを整理します。

「シフト制」と「交替制」の違い

厚生労働省の留意事項は、言葉を次のように使い分けています。

区分 内容
シフト制 労働契約の時点では労働日・労働時間を確定せず、1週間・1か月などの期間ごとに作るシフト表で初めて具体的に決まる働き方。パート・アルバイトに多い
交替勤務 年や月の労働日数・労働時間数が決まっていて、就業規則に定めた勤務パターン(早番・遅番・夜勤など)を組み合わせて働く形態

留意事項は主にシフト制を対象にしていますが、労働時間・休憩・深夜の考え方は交替勤務にも共通します。

日をまたぐ勤務の「1日」

労働基準法の「1日」は、原則として暦日(0時〜24時)です。ただし、通達(昭和63年1月1日 基発第1号)は、継続勤務が2暦日にわたる場合は、暦日が異なっても一勤務として扱い、始業時刻の属する日の労働とするとしています。

徳島労働局の資料では、月曜20時から火曜9時までの勤務は月曜の勤務として扱い、月曜分と火曜分に分けることはできないと説明しています(休憩を除いた時間で判断します)。

勤務 扱い
22:00〜翌7:00(休憩1時間) 始業日の1勤務・8時間。22時〜5時の労働には深夜割増が必要
16:00〜翌9:00(休憩2時間) 始業日の1勤務・15時間。変形労働時間制でなければ8時間を超える7時間は時間外労働

夜勤明けの日を「休日」として扱えるかは別の問題です。徳島労働局の資料は、連続24時間以上の休息でも、暦日(0時〜24時)を含むものでなければ、基本的には法定休日として扱えないとしています。夜勤明けの日は、原則として休日になりません。休日の考え方は振替休日と代休の違いも参照してください。

長い夜勤には変形労働時間制

1回の勤務が8時間を超える夜勤を組む場合は、1か月単位などの変形労働時間制を導入するか、時間外労働として36協定と割増賃金で対応します(変形労働時間制の選び方)。

留意事項は、シフト制労働者に1か月単位の変形労働時間制を適用する場合、就業規則に、すべての始業・終業時刻のパターンとその組み合わせの考え方、シフト表の作成手続きと周知方法などを定め、変形期間の開始前に具体的な労働日と労働時間をシフト表で定める必要があるとしています。期間が始まってから会社の都合でシフトを組み替えると、変形労働時間制の要件を満たさなくなるおそれがあります。

休憩と深夜

  • 休憩:労働時間が6時間を超えれば45分以上、8時間を超えれば1時間以上を勤務の途中に与える。夜勤で仮眠時間を休憩とする場合も、呼び出しに対応する義務があれば手待時間として労働時間になる(休憩時間のルール)
  • 深夜割増:22時から5時の労働には25%以上の割増が必要。時間外労働と重なれば50%以上(深夜・休日労働の割増率)
  • 勤務と勤務の間:遅番の翌日に早番を入れると休息が短くなる。勤務間インターバル制度の導入を検討する(勤務間インターバル制度)

シフト制の労働条件の明示

留意事項は、労働条件通知書の書き方について次のように示しています。

項目 留意点
始業・終業時刻 契約時点で確定している日は、その日の時刻を明示する。「シフトによる」とだけ書くのでは足りない。原則的な時刻を書いたうえで、最初のシフト表を同時に交付するなどの方法がある
休日 具体的な曜日が決まっていない場合も、休日の設定の基本的な考え方を明示する。最低でも毎週1回または4週4日以上を満たす考え方が必要
就業規則 「シフトによる」だけでは作成義務を果たしたことにならない。基本となる始業・終業時刻や休日を定めたうえで、「具体的にはシフトによる」と定めるのは差し支えない

労働条件の明示事項全体は労働条件通知書の明示事項を参照してください。

シフトの作成・変更のルール

留意事項は、会社が一方的にシフトを決めるのは望ましくないとし、労使で話し合って次のようなルールを定めておくことを勧めています。

ルール 例
作成 シフト作成前に希望を聴く、確定したシフトを通知する期限と方法(例:前月20日までにアプリで通知)
変更 確定後に会社・本人が変更を申し出る場合の期限と手続き
基本的な考え方 勤務する可能性のある曜日・時間帯、目安となる日数・時間数(「1か月○日程度」など)、必要に応じて最低限の日数

確定したシフトの変更は、労働条件の変更にあたるため、労使双方の合意のうえで行います。会社の都合でシフトを減らして休ませた場合は、休業手当(平均賃金の6割以上)が必要になることがあります(休業手当の計算)。

年次有給休暇(2026年6月改正)

シフト制労働者も、6か月継続勤務し全労働日の8割以上出勤すれば年休が発生します。週の所定労働日数が少ない人は比例付与です(年次有給休暇の付与日数)。

2026年6月19日の改正で、所定労働日数があらかじめ決まっていないシフト制労働者の付与日数の考え方が追加されました。

  • 所定労働日数を定めていないことを理由に、年休を与えないことは認められない
  • 所定労働日数を算出しがたい場合は、次の日数を基準日の1年間の所定労働日数とみなして付与日数を算出してよい
    • 雇入れ6か月経過後の付与:雇入れから6か月間の労働日数の実績を2倍した日数
    • 1年6か月経過後以降の付与:前年の労働日数の実績
  • 契約で「目安となる労働日数」を定めている場合は、それを基準にした付与日数が実績による付与日数を上回るときに限り、目安の日数を使ってもよい
  • 使用者の都合で一方的に所定労働日数を増減させることは認められない

年休を取得した日の賃金は、時給制なら「時給 × その日の所定労働時間」などで支払います。シフトが確定していない日の年休の申出をどう扱うかも、ルールとして決めておきましょう。

勤怠管理のチェックリスト

  • □ 日をまたぐ勤務を始業日の労働として集計しているか
  • □ 1勤務が8時間を超える夜勤に、変形労働時間制または36協定の手続きがあるか
  • □ 深夜割増が勤怠システムで自動計算されているか
  • □ 労働条件通知書が「シフトによる」だけになっていないか
  • □ シフトの通知期限・変更手続きを定めて周知しているか
  • □ シフト制労働者の年休の付与日数を、実績などから算出しているか
  • □ 健康診断・ストレスチェックの対象から、勤務日数が一時的に減った人を漏らしていないか

まとめ

  • 2暦日にわたる継続勤務は始業日の1勤務として数える。夜勤明けの日は原則として休日にならない
  • 長い夜勤は変形労働時間制か36協定で対応し、変形制ならシフトは期間開始前に確定させる
  • シフト制でも「シフトによる」だけの明示は不十分。確定後の変更は合意が必要
  • 2026年6月改正で、所定労働日数を算出しがたい人の年休付与日数は実績などから算出する方法が示された

この記事で使えるテンプレート

DOCX 人事 労働条件通知書(パート・有期雇用用) パートタイム・有期雇用の従業員向け労働条件通知書です。2024年4月改正の明示事項(変更の範囲・更新上限・無期転換)と、パートタイム・有期雇用労働法で求められる昇給・退職手当・賞与の有無、相談窓口、2026年10月から追加された「待遇の相違の内容・理由等について説明を求めることができる旨」を盛り込んでいます。 CSV 労務 年次有給休暇管理簿 法律で作成・保存が義務づけられている年次有給休暇管理簿のひな形です。基準日・付与日数・取得日・残日数に加え、年5日の取得義務の達成状況と時季指定の有無を従業員ごとに管理できます。

この記事に出てくる用語

休業手当
会社の都合(使用者の責に帰すべき事由)で労働者を休ませたときに支払う手当で、平均賃金の60%以上が必要です。
勤務間インターバル
前日の終業から翌日の始業までに一定の休息時間を確保する仕組みです。労働時間等設定改善法で、導入が事業主の努力義務とされています。
36協定
法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて残業させたり、法定休日に働かせたりするために、会社と労働者の過半数代表が結び、労働基準監督署に届け出る労使協定です。
就業規則
労働時間・賃金・退職などの労働条件や職場のルールを定めた規則です。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、作成して労働基準監督署に届け出る義務があります。
所定労働時間
就業規則や労働契約で会社が決めた、始業から終業までの時間から休憩時間を除いた労働時間です。法定労働時間の範囲内で定めます。
時間外労働
法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える労働のことです。36協定の締結・届出と、25%以上の割増賃金の支払いが必要です。
ストレスチェック
労働者に心理的な負担の程度を把握するための検査を年1回行い、本人に結果を通知して、セルフケアや職場環境の改善につなげる制度です。
年次有給休暇
一定期間働いた労働者に与えられる、賃金が支払われる休暇です。6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤すると10日付与され、勤続に応じて最大20日まで増えます。
平均賃金
解雇予告手当や休業手当などを計算するときの基準になる1日あたりの賃金です。原則として直前3か月の賃金総額をその期間の総日数で割って求めます。
変形労働時間制
一定期間を平均して週40時間以内であれば、特定の日や週に法定労働時間を超えて働かせても時間外労働にならない制度です。1か月単位・1年単位・1週間単位があります。
法定休日
労働基準法で与えることが義務づけられた休日で、毎週少なくとも1回、または4週間を通じて4日以上です。この日に働かせると35%以上の割増賃金が必要です。
労働条件通知書
会社が労働者を雇い入れるときに、賃金・労働時間・就業場所などの労働条件を書面で知らせるための文書です。労働基準法の「労働条件の明示」を果たすために使います。
労働条件の明示
労働契約を結ぶときに、会社が賃金・労働時間などの労働条件を労働者に示す義務です。主な事項は書面で示さなければなりません。
割増賃金
時間外労働・休日労働・深夜労働をさせたときに、通常の賃金に上乗せして支払う賃金です。率は労働基準法と政令で定められています。

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出典・参考資料

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