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事業所税とは|従業者100人超・床面積1,000㎡超で課税、免税点の判定とパート・役員の数え方、800㎡・80人超の申告義務

事業所税は、東京23区や政令指定都市など人口30万人以上の都市などが課税する税で、事業所の床面積に課税する資産割(1㎡600円・1,000㎡以下は免税)と、従業者給与総額に課税する従業者割(0.25%・100人以下は免税)があります。免税点の判定方法、パート・役員・高齢者の数え方、免税点以下でも必要な申告、申告期限を、東京都主税局の手引と地方税法で整理します。

対象読者
従業員が100人に近づいた、またはオフィスや倉庫を広げることになった、東京23区や政令指定都市などに事業所がある従業員30〜300名の企業の総務担当者
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実務
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この記事のポイント

  • 事業所税は、指定都市等(東京23区、政令指定都市、人口30万人以上の一定の市など)の区域内で事業を行う法人・個人に課される。資産割は事業所床面積1㎡につき600円(合計1,000㎡以下は免税)、従業者割は従業者給与総額の0.25%(合計100人以下は免税)
  • 免税点は、資産割と従業者割それぞれについて、算定期間の末日(法人は事業年度末日)の現況で判定する。東京都の手引では、パートタイマー(1日の所定労働時間が同じ職種の正規従業者の4分の3未満の人)は人数に含めないが、課税になれば給与総額には含める。役員は含め、65歳以上の人と障害者(役員を除く)は除く
  • 申告納付期限は、法人は事業年度終了の日から2か月以内で、延長制度はない。東京23区では、免税点以下でも、合計床面積800㎡超または合計従業者数80人超などに当たれば免税点以下申告が必要

「従業員が100人を超えたら、事業所税がかかるらしい」。会社が成長してくると、税理士や同業者からこう聞くことがあります。事業所税は、法人税や住民税と違って、特定の都市に事業所がある会社だけが対象になる税で、総務担当者が床面積や人数を把握していないと、申告漏れになりやすい税です。

この記事では、東京都主税局の「事業所税の手引」(東京23区を対象とした令和8年3月現在の内容)と地方税法をもとに、仕組みと判定の方法を整理します。23区以外の課税団体では、扱いが細かく異なることがあるため、所在地の市の案内もあわせて確認してください。

事業所税の基本

事業所税は、都市環境の整備に充てるための目的税で、総務省によると、課税するのは東京都(特別区の区域)、政令指定都市、人口30万人以上の一定の市などです。東京都の手引では、課税団体は77団体とされています。

項目 資産割 従業者割
課税標準 事業所床面積 従業者給与総額
税率 1㎡につき600円 0.25%
免税点 課税団体内の合計床面積が1,000㎡以下 課税団体内の合計従業者数が100人以下
判定の時点 算定期間(法人は事業年度)の末日 同左
申告納付期限 法人は事業年度終了の日から2か月以内(延長制度なし) 同左

免税点の判定は資産割と従業者割それぞれで行います。たとえば、床面積が1,200㎡で従業者が70人なら、資産割だけが課税されます。

法人税の申告期限の延長を受けていても、事業所税には延長制度がありません(東京都の手引)。事業年度末から2か月以内に申告・納付する必要があります。

資産割:床面積の数え方

事業所床面積は、事業所用家屋の延べ面積で、共用部分(廊下・階段・エレベーターなど)の按分も含みます。賃貸オフィスに入居している場合は、専有面積だけでなく、ビル全体の共用部分のうち自社の専用部分の割合に応じた面積を加えます。

確認すること ポイント
対象となる事業所 事務所、店舗、工場、倉庫など。自己所有か賃借かは問わない
共用部分 専用部分の床面積の割合で按分して加える。ビルの管理会社に面積を確認する
複数の拠点 課税団体内(23区内など)にあるすべての事業所の床面積を合計して判定する
年度の途中の新設・廃止 免税点の判定は末日の現況。課税標準は月割で計算する

非課税となる施設や、課税標準の特例がある施設もあります。東京都の手引では、業務に使われず専ら従業員が利用する食堂・休憩室・更衣室・医務室・喫煙室などの福利厚生施設が非課税の例として挙げられています。業務と兼用している部屋は非課税にならない点に注意し、該当するかは手引で確認してください。

従業者割:人数の数え方

従業者の数え方は、雇用保険や社会保険の被保険者数とは違います。東京都の手引の主な扱いは次のとおりです。

区分 免税点の判定(人数) 課税標準(給与総額)
正社員 含める 含める
役員(非常勤を含む) 含める 含める
無給の役員 含めない —
パートタイマー 含めない 含める
日々雇用等の臨時の従業員 含める 含める
65歳以上の人・障害者(役員を除く) 含めない 含めない
休職中の人 算定期間中に一度でも給与等が支払われていれば含める 含める
中途退職者 含めない 退職時までの給与等を含める
派遣労働者 派遣元で数える 派遣元で含める

東京都の手引では、ここでいうパートタイマーは呼び方ではなく勤務の実態で判定し、就業規則等で定めた1日の所定労働時間が、同じ事業所の同じ職種の正規従業者の4分の3未満の人をいうとしています(正規従業者が8時間なら6時間未満)。

給与総額には、所得税で課税される給与・賞与・手当(課税される通勤手当を含む)が入り、退職金や非課税の通勤手当は入りません。

従業者数が大きく変動する場合

算定期間中の各月末の従業者数のうち、最大が最小の2倍を超える事業所は、各月末の人数の合計を月数で割った数を末日の人数とみなします(東京都の手引)。繁忙期に短期の臨時従業員を多く雇う会社は確認してください。

免税点以下でも申告が必要な場合

東京23区では、免税点以下で納税義務がなくても、次のいずれかに当たると免税点以下申告が必要です(東京都の手引)。

  • 前事業年度に事業所税の納税義務があった
  • 算定期間の末日に、23区内の事業所等の合計床面積が800㎡を超える
  • 算定期間の末日に、23区内の事業所等の合計従業者数が80人を超える

このほか、東京都の手引では、事業所等を新設・廃止した場合に1か月以内に提出する「事業所等新設・廃止申告書」も申告区分の一つとして示されています。提出が必要な場合や扱いは、手引と所管の都税事務所で確認してください。

総務が毎年やること

時期 やること
事業年度末の前 課税団体内の拠点の床面積(共用按分を含む)を一覧にする
事業年度末 末日時点の従業者数を、手引の区分で数える(パート・65歳以上・障害者を区別)
事業年度末から2か月以内 課税なら申告・納付。免税点以下でも申告義務があれば免税点以下申告
拠点の新設・移転・解約時 床面積が変わるので、翌期の判定に反映する。新設・廃止の申告の要否を確認する

人数の集計には、人事データの年齢・障害者手帳の有無・所定労働時間が必要です。給与担当と連携して集計表を作っておくと、毎年の作業が楽になります。オフィスの移転・増床はオフィス移転の総務チェックリスト、拠点の開設は支店・営業所を開設するときの届出一覧、毎年1月の償却資産申告は償却資産申告の総務実務も参照してください。

まとめ

  • 事業所税は、東京23区・政令指定都市など特定の都市に事業所がある会社に課される。資産割は1,000㎡超、従業者割は100人超で課税
  • 判定は資産割と従業者割それぞれ、事業年度末日の現況で行う。床面積は共用部分の按分を含め、人数は役員を含め、パートタイマー・65歳以上・障害者を除く(東京都の手引の扱い)
  • 申告納付期限は事業年度終了から2か月以内で延長はない
  • 23区では、800㎡超または80人超なら、免税点以下でも申告が必要。23区以外は所在地の市の案内で確認する

この記事に出てくる用語

休職
病気やけがなどで働けない社員について、労働契約を続けたまま一定期間、労働義務を免除する制度です。法律上の義務ではなく、会社が就業規則で内容を決めます。
雇用保険
労働者が失業したときや、育児・介護で休業したときなどに給付を行う公的保険です。週20時間以上働き、31日以上雇用見込みがある人が原則として加入します。
就業規則
労働時間・賃金・退職などの労働条件や職場のルールを定めた規則です。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、作成して労働基準監督署に届け出る義務があります。
償却資産申告
会社が事業に使っているパソコン・複合機・内装工事などの償却資産について、毎年1月1日現在の状況を1月31日までに資産のある市町村へ申告する手続です。固定資産税(償却資産)の課税のもとになります。
所定労働時間
就業規則や労働契約で会社が決めた、始業から終業までの時間から休憩時間を除いた労働時間です。法定労働時間の範囲内で定めます。
事業所税
東京23区や政令指定都市など一定の都市で事業を行う法人・個人に課される地方税です。事業所の床面積に応じた資産割と、従業者の給与総額に応じた従業者割があります。

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出典・参考資料

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