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会社の看板・袖看板に許可は必要?|屋外広告物条例の許可、自家用広告物の面積基準、2年ごとの更新と安全点検

建物の壁面や屋上、敷地内に出す社名の看板は、屋外広告物法に基づく都道府県・市区町村の条例で、許可が必要になることがあります。自家用広告物の許可が不要な面積の目安、許可の申請先と期間、更新時の安全点検報告、屋外広告物管理者、道路占用や建築確認との関係を、東京都の「屋外広告物のしおり」と区の案内を例に整理します。

対象読者
新しい事務所・店舗・倉庫に社名の看板を出す、または既存の看板を付け替えることになった、従業員30〜300名の企業の総務担当者
難易度
実務
所要時間
読了8分
最終確認日

この記事のポイント

  • 屋外広告物の規制は、屋外広告物法に基づき都道府県・政令市などが条例で定める。東京都では、自社の名称や事業内容を自社の事業所に表示する自家用広告物でも、合計面積が許可不要の範囲(地域により5㎡または10㎡)を超えると許可が必要
  • 東京都の広告塔・広告板の許可期間は原則2年以内で、引き続き表示するには期間満了前に継続の許可申請が必要。継続申請では申請前3か月以内に点検を行い、安全点検報告書を出す(2026年4月から様式が18項目・3段階判定に変更)
  • 一定規模以上の広告板などには、建築士・電気工事士・屋外広告士などの資格を持つ屋外広告物管理者を置く。高さ4mを超える看板は建築基準法の工作物の確認、道路に突き出す看板は道路占用許可が別途必要になる

新しい事務所に移るとき、「ビルの壁面に社名の看板を付けたい」「倉庫の入口に袖看板(建物から突き出した看板)を出したい」という話が出ます。看板は、業者に頼めば付けてもらえると考えがちですが、大きさや場所によっては自治体の許可が必要です。許可を受けた看板にも、更新や点検の義務があります。

この記事では、東京都の「屋外広告物のしおり」と区の案内を例に、総務が押さえておくべきルールを整理します。屋外広告物の規制は自治体ごとに条例で決まっているため、実際の基準は所在地の都道府県・市区町村の窓口で確認してください。オフィス移転の全体の段取りはオフィス移転の総務チェックリストを参照してください。

屋外広告物とは・誰が規制するか

屋外広告物法は、良好な景観の形成・風致の維持と、公衆に対する危害の防止を目的に、屋外広告物の表示や掲出物件の設置・維持についての規制の基準を定めています。具体的な規制は、この法律に基づいて都道府県や政令市などが条例で定めます。東京都では東京都屋外広告物条例があり、許可の受付は区・市などの窓口で行います。

確認先 内容
都道府県・政令市などの条例 許可が必要な広告物、禁止区域、面積や高さの基準
区市町村の屋外広告物の窓口 許可申請の受付、手数料(東京都では区・市などが窓口)
道路管理者 道路に突き出す場合の道路占用許可
建築指導の窓口 高さ4mを超える場合などの工作物の確認

自社の看板(自家用広告物)でも許可が必要な場合

東京都のしおりでは、自家用広告物を、自己の氏名・名称・店名・商標、事業または営業の内容を表示するため、自己の住所・事業所・営業所・作業場に表示する広告物等としています。

自家用広告物は、表示する面積の合計が一定の範囲内であれば許可が不要です。東京都のしおりの基準の概要は次のとおりです。

地域の例 許可が不要な合計面積
第1種・第2種低層住居専用地域、第1種・第2種中高層住居専用地域、風致地区などの禁止区域 合計5㎡以下(禁止区域内で許可を受けて表示できる合計面積は原則20㎡以下)
第1種・第2種住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域などの許可区域 合計10㎡以下

目黒区の案内でも、自家用広告物は許可区域なら合計10㎡以下、禁止区域なら5㎡以下であれば申請不要で、禁止区域で20㎡を超えるものは設置できないとされています。

面積は「その事業所に出す自家用広告物の合計」で判断します。壁面の社名看板、袖看板、入口の案内板を合わせて考える点に注意してください。許可が必要になった場合は、許可不要の面積分も含めた合計面積で申請します(東京都のしおり)。

面積が範囲内でも、地域によって、屋上への取付け、光源の点滅、赤色光の使用などが禁止されていることがあります。ネオンや電飾の看板を検討するときは特に確認が必要です。

許可の申請と期間

項目 東京都の例
申請先 表示する場所の区・市などの屋外広告物の窓口
主な添付書類 案内図、配置図、立面図(形状・寸法を記入)、色彩の仕様書、カラー写真、他人の建物に出す場合は所有者の承諾書
許可期間 広告塔・広告板は2年以内、小型広告板は1年以内など(目黒区の案内)
設置後 取付け完了届を出し、許可期間・許可番号を表示した標識票を広告物に貼る
手数料 申請・継続のたびに必要(種類と面積で決まる)

賃貸ビルの壁面や屋上に看板を出す場合は、ビルオーナーの承諾が必要です。賃貸借契約に看板の設置や撤去・原状回復の定めがあるかも確認しましょう(オフィスの賃貸借契約の更新・解約と原状回復)。

継続申請と安全点検

許可期間が満了した後も看板を出し続けるには、継続の許可申請が必要です。東京都のしおりでは、満了の日の10日前までに申請するよう案内しています。

継続申請では、看板の安全点検を行い、結果を報告します。東京都は、強風などで看板が落下・飛散する事故を防ぐため点検を強化しており、2026年4月1日から次のように変わりました。

変更点 内容
点検項目 6項目から18項目に増加
判定方法 2段階(異状の有・無)から3段階(良好・経過観察・要改善)に
要改善の場合 許可申請の前に補修が必要
点検の時期 許可申請前3か月以内に実施

屋外広告物管理者

東京都では、広告塔(高さ4m超または表示面積10㎡超のもの)、広告板、アーチ、装飾街路灯などを出す人は、屋外広告物管理者を置かなければなりません。管理者になれるのは、建築士、電気工事士(ネオン工事の特種電気工事資格者を含む)、電気主任技術者、屋外広告士などです。これらの広告物の継続申請では、安全点検報告書に管理者による点検結果の確認が必要です。

社内に資格者がいない場合は、看板の施工業者(屋外広告業の登録業者)に管理者を引き受けてもらえるか、契約時に確認しておきましょう。

他の法令との関係

場面 必要になるもの
高さが4mを超える看板 建築基準法に基づく工作物の確認
道路(上空を含む)に突き出す看板 道路法に基づく道路占用の許可、道路交通法の道路使用許可が必要になる場合がある
防火地域内で屋上に設置する、または高さ3mを超える看板 主要部分を不燃材料で造るか覆う

総務が管理しておくこと

管理項目 内容
看板台帳 設置場所、種類、面積、高さ、許可番号、許可期間、管理者、施工業者
更新期限 許可期間の満了日を予定表に登録し、点検と継続申請の時期を逆算する
日常の点検 台風の前後に、ぐらつき・さび・ひび割れがないか目視で確認する
撤去 移転や閉鎖で撤去したら、自治体に除却の届出をする
保険 看板の落下で第三者にけがをさせた場合に備え、賠償責任保険の対象か確認する(会社が入る保険の基本)

社名やロゴの表記ルールは名刺・封筒・書類テンプレートの表記統一、拠点の新設時の届出は支店・営業所を開設するときの届出一覧もあわせて確認してください。

まとめ

  • 看板の規制は、屋外広告物法に基づく自治体の条例で決まる。所在地の窓口で基準を確認する
  • 東京都では、自社の看板(自家用広告物)でも、合計面積が許可不要の範囲(5㎡または10㎡)を超えると許可が必要
  • 許可期間は広告板などで原則2年以内。継続申請では申請前3か月以内に安全点検を行い、報告書を出す
  • 一定規模以上の看板には資格者の屋外広告物管理者を置く。高さ4m超は工作物の確認、道路に突き出す場合は道路占用許可も必要

出典・参考資料

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