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退職者への手続き案内メールをAIで作る:返却物・書類・健康保険の切り替えを1通にまとめる手順と確認ポイント

退職が決まった社員に送る手続き案内は、返却物、退職後に届く書類、健康保険・年金の切り替え、住民税の扱いと、伝えることが多く、毎回の書き直しで漏れが出がちです。生成AIで案内メールのテンプレートと退職パターン別の差し替え文を作る手順を、プロンプト例つきで解説します。

対象読者
退職者ごとに手続きの案内を書き直している、従業員30〜300名の企業の人事・労務担当者
難易度
実務
所要時間
読了8分
最終確認日

この記事のポイント

  • 案内メールは「退職日までにやること」「返却物」「退職後に届く書類」「健康保険・年金・住民税」「問い合わせ先」の5つに分け、AIには型と言い回しだけを作らせる
  • 期限や手続きの内容は、日本年金機構・ハローワーク・国税庁などの一次情報と社内の退職チェックリストで確認する。AIの説明をそのまま載せない
  • 退職者の氏名・住所・退職理由・マイナンバーなどの個人情報はAIに入力しない。差し込みは送信前に人が行う

退職が決まった社員には、返却してほしい物、退職後に届く書類、健康保険や年金の切り替えなど、伝えることがたくさんあります。口頭で説明しても忘れられやすく、退職後に「離職票はいつ届きますか」「保険証はどうすれば」と問い合わせが続くこともあります。

この記事では、生成AIを使って退職者向けの手続き案内メールをテンプレート化する手順を紹介します。会社側の手続きの全体像は「退職時の手続き一覧」、入社側の案内は「入社前案内メールと持ち物リストをAIで整える」を参照してください。

案内メールを5つのブロックに分ける

1通に全部を書くと長くなり、読まれません。次の5つのブロックに分け、見出しを付けると読みやすくなります。

ブロック 内容の例
退職日までにやること 有給休暇の取得予定の確認、引き継ぎ、退職届の提出
返却物 社員証、PC、スマートフォン、鍵、制服、資格確認書(交付している場合)
退職後に届く書類 離職票(希望者)、源泉徴収票、退職証明書(請求があった場合)
健康保険・年金・住民税 健康保険の切り替えの選択肢、住民税の残りの扱い
問い合わせ先 担当者名、メールアドレス、受付時間

AIに任せるのは、この型に沿った文章の下書きと、退職パターン別の言い回しです。期限や制度の内容は人が確認して書き込みます。

入力しない情報

退職の案内は個人の事情と結びつきやすい文書です。AIには、特定の退職者の情報を入れません。

  • 入力しない:氏名、住所、生年月日、退職理由、給与額、有給休暇の残日数、マイナンバー、基礎年金番号、口座情報
  • 注意する:「営業部の50代の課長が10月末に退職」のような組み合わせ。社内の人には誰か分かる
  • 入力してよい形:「正社員・月末退職・希望により離職票を交付」のような一般化したパターン

社内の生成AIの利用ルールに沿って使います。まだルールがない場合は「社内の生成AI利用ガイドライン」を先に確認してください。

手順1:材料を集める

AIに渡す前に、社内の材料をそろえます。

  • 自社の退職チェックリスト(→退職チェックリスト)
  • 返却物の一覧(備品台帳や貸与の記録から)
  • 過去に送った案内メール(氏名・日付・金額などを消したもの)
  • 退職者からよく来た質問のメモ

過去のメールを使うときは、個人が特定できる部分を「〇〇」に置き換えてから貼り付けます。

手順2:テンプレートを作らせる

あなたは中小企業の人事担当者を支援するアシスタントです。
退職が決まった社員に送る「退職手続きのご案内」メールのテンプレートを作ってください。

条件:
- 見出しは「退職日までにお願いしたいこと」「ご返却いただく物」
  「退職後にお送りする書類」「健康保険・年金・住民税について」「お問い合わせ先」の5つ
- 氏名・日付・担当者などの差し込み箇所は【 】で示す
- です・ます調で、1文を短く。退職者を責めたり引き留めたりする表現は使わない
- 制度の期限や金額は書かず、【確認して記入】と示す
- 最後に、送信前に担当者が確認すべき項目を箇条書きで添える

参考に、当社の返却物の一覧を示します:
社員証、入館カード、ノートPC(充電器を含む)、社用スマートフォン、ロッカーの鍵、制服

「期限や金額は書かず」と指示するのがポイントです。AIは制度の期限をもっともらしく書きますが、古い情報や他社の運用が混ざることがあります。

手順3:期限と制度の説明を一次情報で埋める

【確認して記入】の箇所は、一次情報と社内の運用を見て人が書きます。案内に載せることが多い項目は次のとおりです。

項目 確認先 案内の書き方の例
離職票 ハローワークの案内、社内の運用 「ご希望の方には、手続き後に郵送します(電子申請の場合はマイナポータルに届くことがあります)」
源泉徴収票 国税庁(退職日から1か月以内に交付) 「退職日から1か月以内にお送りします」
健康保険 日本年金機構・協会けんぽ・健康保険組合 任意継続、国民健康保険、家族の扶養に入るなどの選択肢を示し、申請先を書く
住民税 社内の運用、市区町村 退職月によって一括徴収か普通徴収かが変わることを伝える(→退職時の住民税)
退職証明書 労働基準法第22条 「必要な場合はお申し出ください」と書く(→退職証明書)

失業給付の受け方を詳しく書くと長くなります。ハローワークの案内へのリンクや、別紙の説明メモにする方法もあります(→退職者への失業給付の説明ポイント)。

手順4:退職パターン別の差し替え文を作る

退職のパターンによって、書くことが少しずつ変わります。テンプレート本体は1つにして、差し替える段落だけをAIに作らせると管理が楽になります。

先ほどのテンプレートについて、次のパターン別に
「差し替える段落」と「追加する段落」だけを示してください。
1. 月末ではなく月の途中で退職する場合
2. 退職後すぐに再就職先が決まっている場合
3. 定年退職で、継続雇用を希望しない場合
4. パートタイムで社会保険に加入していない場合

出てきた差し替え文は、社会保険の資格喪失日や保険料の控除の考え方が正しいかを、最後の給与の計算と支払いなどで確かめてから採用します。

手順5:送る前に人が確認する

  • □ 差し込み箇所(氏名・退職日・返却期限・担当者)が全部埋まっている
  • □ 返却物の一覧が、その人に実際に貸与した物と一致している
  • □ 期限・制度の説明が、一次情報と社内の運用に合っている
  • □ 引き留めや、退職理由に触れる表現が入っていない
  • □ 宛先が本人の連絡先になっている(退職後の連絡先を確認した)

退職代行を通じた退職の場合は、連絡先や連絡方法が変わります。対応の流れは「退職代行から連絡が来たら」を参照してください。

テンプレートを更新し続ける

退職者からの問い合わせは、案内の改善点を教えてくれます。問い合わせがあった項目をメモしておき、半年に1回、テンプレートを見直します。制度の変更(健康保険証の扱いの変更など)があったときも、その都度直します。引き継ぎの依頼文は「業務引き継ぎ書をAIで作る」と組み合わせると、退職前の連絡を一度に整えられます。

まとめ

  • 退職の案内は5つのブロックに分け、AIには型と言い回しを作らせる
  • 期限や制度の説明は【確認して記入】にして、一次情報と社内の運用で人が埋める
  • 退職パターン別の差し替え文を用意し、本体のテンプレートは1つにする
  • 氏名・退職理由・マイナンバーなどの個人情報はAIに入力しない

退職手続きの案内や書類の送付をAIと自動化の仕組みでどう効率化できるか相談したいときは、Otsumu株式会社のAIツール診断をご利用ください。

この記事で使えるテンプレート

DOCX 人事 退職手続きチェックリスト 社会保険の資格喪失届、雇用保険の資格喪失届・離職証明書、源泉徴収票、住民税の異動届、貸与品の回収、アカウント停止まで、退職手続きを期限つきで確認できるチェックリストです。 DOCX 人事 退職証明書(労働基準法22条の記載事項つき) 労働基準法22条1項の5項目(使用期間・業務の種類・地位・賃金・退職の事由)を、本人が請求した項目だけ記入できる退職証明書です。請求項目の確認欄と、交付記録欄を付けています。 DOCX 人事 業務引き継ぎ書(退職・異動・休職用) 退職・異動・休職のときに使う業務引き継ぎ書です。業務一覧(頻度・期限・手順書の場所)、進行中の案件、社内外の関係者、アカウント・権限、保管書類、引き継ぎスケジュールと完了確認の署名欄までまとめています。

この記事に出てくる用語

基本手当
雇用保険の被保険者が離職し、働く意思と能力があるのに就職できないときに支給される給付で、一般に「失業手当」と呼ばれます。
協会けんぽ
全国健康保険協会の通称で、主に中小企業の会社員とその家族が加入する健康保険の保険者です。保険料率は都道府県ごとに決まります。
健康保険
会社員などが加入する公的医療保険で、業務外の病気・けが、出産、死亡に対して給付を行います。保険者は協会けんぽと健康保険組合です。
源泉徴収
給与や報酬などを支払う人が、支払の際に所得税を差し引いて国に納める仕組みです。差し引いた税額は、原則として支払った月の翌月10日までに納付します。
源泉徴収票
会社が1年間に支払った給与・賞与の額と、源泉徴収した所得税の額などを記載した書類です。従業員に交付するほか、法定調書として税務署に提出します。
退職証明書
退職した労働者から請求されたときに、会社が交付しなければならない、在職期間や退職の事由などを証明する書面です。雇用保険の離職票とは別の書類です。
退職届
社員が退職の意思を会社に伝える書面です。一般に、会社の承諾を求める「退職願」と、一方的に退職を通知する「退職届」とに分けて扱われます。
任意継続
退職して健康保険の資格を失った人が、本人の希望で最長2年間、それまでの健康保険に加入し続けられる制度です。保険料は全額自己負担になります。
年次有給休暇
一定期間働いた労働者に与えられる、賃金が支払われる休暇です。6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤すると10日付与され、勤続に応じて最大20日まで増えます。
ハローワーク
厚生労働省の公共職業安定所の愛称です。職業紹介や求人の受付のほか、雇用保険の加入・喪失や給付の手続きの窓口になっています。
マイナンバー
住民票を持つすべての人に1人1つ指定される12桁の番号です。会社は社会保障・税・災害対策の法定の手続に限って従業員などのマイナンバーを取り扱えます。
離職票
退職者が基本手当(失業手当)を受けるためにハローワークへ提出する書類です。会社が提出した離職証明書にもとづき、ハローワークが交付します。

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出典・参考資料

この業務、AIでどこまで減らせるか診断します。Otsumu の「AIツール診断」で、自社の業務フローから自動化できる作業を洗い出します。

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