労務 #社会保険#雇用保険#退職手続き#住民税

退職時の手続き一覧|社会保険・雇用保険の喪失届、離職票、源泉徴収票、住民税まで

従業員が退職するときに会社がやる手続きを一覧で整理します。社会保険の資格喪失届(5日以内)、雇用保険の資格喪失届と離職票、源泉徴収票の交付、住民税の異動届出、貸与品の回収まで、期限つきで確認できます。

対象読者
従業員30〜300名の企業で退職手続きを担当する人事・労務担当者
難易度
基本
所要時間
読了8分
最終確認日

この記事のポイント

  • 社会保険の資格喪失届は退職日の翌日(資格喪失日)から5日以内。雇用保険の資格喪失届は離職日の翌日から10日以内
  • 離職票は本人の希望があれば交付する(59歳以上は希望がなくても離職証明書を提出)。電子申請ならマイナポータルへの直接送付も可能
  • 源泉徴収票は退職日から1か月以内に交付。住民税は特別徴収をやめる異動届出を翌月10日までに市区町村へ

従業員の退職時には、社会保険、雇用保険、税金、社内の手続きが一度に発生します。期限が5日・10日と短いものもあり、退職日が月末に集中すると処理が追いつかないこともあります。

この記事では、退職時に会社がやることを一覧にし、期限の早い順に整理します。

退職時の手続き一覧

手続き 提出先・相手 期限
健康保険・厚生年金保険の資格喪失届 事務センター・年金事務所(健保組合の場合は組合にも) 資格喪失日(退職日の翌日)から5日以内
雇用保険の資格喪失届・離職証明書 事業所を管轄するハローワーク 離職日の翌日から10日以内
給与所得の源泉徴収票の交付 退職者本人 退職日から1か月以内
住民税の特別徴収に係る異動届出書 退職者の住所地の市区町村 退職した月の翌月10日まで
貸与品の回収・最終給与の精算 退職者本人 退職日まで〜最終給与支払日

社会保険の手続き

資格喪失届

「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届/厚生年金保険 70歳以上被用者不該当届」を提出します。

  • 資格喪失日は退職日の翌日です。3月31日退職なら4月1日が資格喪失日になります
  • 期限は資格喪失日から5日以内
  • 提出方法は電子申請、郵送、窓口持参のいずれか
  • 日本年金機構は令和8年10月から一部の届書のレイアウトを変更しています。紙で出す場合は最新の様式を使ってください

保険料の控除

社会保険料は「資格喪失日の属する月の前月分」まで発生します。

退職日 資格喪失日 保険料が発生する最後の月
10月31日(月末) 11月1日 10月分
10月30日(月末の前日) 10月31日 9月分

月末退職の場合は退職月の分まで保険料がかかります。翌月徴収の会社で月末退職の場合、最終給与から2か月分を控除することがあるので、事前に本人へ説明しておきましょう。

資格確認書などの回収

退職者に資格確認書や、被扶養者分を含む従来の健康保険証が交付されている場合は回収し、返却の扱いを確認します。マイナ保険証を利用している人は、カードの返却は不要です。

退職後の健康保険の案内

退職後の健康保険は、本人が次から選びます。会社として選択肢を案内しておくと親切です。

  • 再就職先の健康保険に加入
  • 任意継続被保険者になる(退職日の翌日から20日以内に本人が申請)
  • 国民健康保険に加入(市区町村)
  • 家族の健康保険の被扶養者になる

雇用保険の手続き

資格喪失届と離職証明書

「雇用保険被保険者資格喪失届」を、離職日の翌日から10日以内にハローワークへ提出します。

本人が失業給付(基本手当)を受けるために離職票を希望する場合は、「雇用保険被保険者離職証明書」も添付します。離職日に59歳以上の人は、本人の希望の有無にかかわらず離職証明書を添付します。

離職証明書には、離職前の賃金と離職理由を記入します。離職理由は失業給付の内容に影響するため、本人に内容を確認してもらい、署名(記名)を得たうえで提出します。

離職票の交付

ハローワークで処理されると「雇用保険被保険者離職票-1・2」が交付されるので、退職者に送付します。

2025年1月20日からは、次の条件を満たす場合に、離職票を退職者のマイナポータルに直接送付するサービスが始まっています。

  • 事業主が電子申請で離職手続きをしている
  • 退職者がマイナポータルと雇用保険Webサービスの連携設定をしている
  • 会社が届け出たマイナンバーが被保険者番号と正しく紐づいている

直接送付された場合、会社には離職証明書(事業主控え)のみが届きます。

税金の手続き

源泉徴収票の交付

退職者には、退職日から1か月以内に「給与所得の源泉徴収票」を交付します。転職先での年末調整や、本人の確定申告で必要になります。

年の途中で退職した人は、原則として年末調整を行いません。源泉徴収票の「中途就・退職」欄に退職年月日を記載します。

住民税の切り替え

住民税を給与から天引き(特別徴収)している場合は、「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を、退職した月の翌月10日までに退職者の住所地の市区町村へ提出します。

退職時期によって、残りの住民税の扱いが変わります。

退職時期 残りの住民税の扱い
1月1日〜4月30日 原則として最終給与などから一括徴収
6月1日〜12月31日 本人の希望があれば一括徴収。希望がなければ普通徴収(本人が納付)へ切替え
転職先が決まっている 本人の希望により転職先で特別徴収を継続できる

一括徴収するかどうかは、退職前に本人と確認しておきましょう。

社内の手続き

  • 退職届(退職願)の受理と、退職日の確定
  • 年次有給休暇の残日数の確認と、取得の調整
  • 最終給与・退職金の計算(退職所得の受給に関する申告書の回収)
  • 貸与品の回収(社員証、PC、スマートフォン、鍵、制服、資格確認書など)
  • 業務の引継ぎ、アカウントの停止
  • 秘密保持の誓約書(必要に応じて)

本人から請求があれば、使用期間・業務の種類・地位・賃金・退職理由などを記載した退職証明書を遅滞なく交付する必要があります(労働基準法第22条)。

まとめ

  • 社会保険の資格喪失届は5日以内、雇用保険の資格喪失届は離職日の翌日から10日以内
  • 離職票は本人の希望で交付(59歳以上は必ず離職証明書を添付)。電子申請ならマイナポータル直接送付も選べる
  • 源泉徴収票は1か月以内に交付し、住民税の異動届出は翌月10日まで

入社時の手続きは入社時の社会保険・雇用保険の加入手続きで解説しています。有給休暇の残日数の扱いは年5日の有給休暇取得義務と管理簿の作り方もあわせてご覧ください。

この記事で使えるテンプレート

DOCX 人事 退職手続きチェックリスト 社会保険の資格喪失届、雇用保険の資格喪失届・離職証明書、源泉徴収票、住民税の異動届、貸与品の回収、アカウント停止まで、退職手続きを期限つきで確認できるチェックリストです。

出典・参考資料

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