マイナ保険証・資格確認書と会社の手続き|資格取得届のマイナンバー記載と「資格情報のお知らせ」の扱い
従来の健康保険証は2025年12月1日で有効期限が終わり、医療機関ではマイナ保険証か資格確認書で資格を確認する運用になっています。入社時の資格取得届へのマイナンバー記載、資格確認書発行要否欄、資格情報のお知らせの配付、すぐに受診したい人への資格証明書、退職時の資格確認書の回収まで、会社の実務を整理します。
- 対象読者
- 協会けんぽに加入する企業で入退社の社会保険手続きを担当する人
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この記事のポイント
- 事業主は資格取得の事実があった日から5日以内に、マイナンバーを記載した資格取得届を提出する。記載がないとマイナ保険証で資格確認ができるまで時間がかかる
- 協会けんぽは新たに加入した全員に「資格情報のお知らせ」を、マイナ保険証を持たない人などに「資格確認書」を交付する。資格確認書が必要な人は資格取得届・被扶養者(異動)届の「資格確認書発行要否」欄にチェックする
- 退職時は、交付されている資格確認書等を回収して資格喪失届に添付する。マイナ保険証の利用登録をしている人は、転職・退職で登録し直す必要はない
健康保険証の新規発行は2024年12月2日に終わり、発行済みの健康保険証も2025年12月1日で有効期限を迎えました。協会けんぽの案内では、期限切れの保険証を持参した場合の経過的な対応も2026年7月31日で終了したとしています。いまは、医療機関ではマイナ保険証か資格確認書で資格を確認するのが基本です。
会社の手続きそのものは「資格取得届を出す」「退職時に回収して喪失届を出す」で変わりませんが、届書の記載事項と、会社に届く書類が変わっています。この記事では、入社から退職までの会社の実務を整理します。
医療機関で使うもの
| 持っているもの | 医療機関での資格確認 |
|---|---|
| マイナ保険証(健康保険証の利用登録をしたマイナンバーカード) | カードリーダーで読み取り、顔認証または暗証番号で本人確認 |
| 資格確認書 | 窓口で提示(マイナ保険証を持たない人などに交付) |
| オンライン資格確認が使えない医療機関の場合 | マイナ保険証と「資格情報のお知らせ」、またはマイナ保険証とマイナポータルの画面を提示 |
厚生労働省の資格確認方法の案内では、スマートフォンのマイナ保険証も、機器の準備が整った医療機関・薬局で2025年9月19日から順次使えるようになったとしています。マイナンバーカードの電子証明書は有効期限が5年で、期限が切れても3か月間は健康保険証として利用できるとされています。従業員から「更新の案内が届いた」と相談があったら、市区町村での更新を勧めましょう。
入社時:資格取得届とマイナンバー
マイナンバーの記載は5日以内の提出とセットで
協会けんぽは、健康保険法施行規則に基づき、事業主は**資格取得の事実があった日から5日以内に、マイナンバーを記載した資格取得届**を提出する義務があるとしています。新規採用者は内定段階でマイナンバーを集めるなど、5日以内に届け出られるよう求めています。
| いつ | 誰が | どこに | 何を | 期限 |
|---|---|---|---|---|
| 入社したとき | 事業主 | 事務センターまたは管轄の年金事務所 | 被保険者資格取得届(マイナンバーを記載) | 事実発生から5日以内 |
| 家族を扶養に入れるとき | 従業員が事業主を経由して | 同上 | 被扶養者(異動)届(マイナンバーを記載) | 事実発生から5日以内 |
マイナンバーの記載がないと、マイナ保険証で資格を確認できるようになるまで時間がかかります。乳幼児などマイナンバーを記載できない場合は、住民票に記載された氏名・カナ氏名・生年月日・住所・性別を記載するよう案内されています。マイナンバーの収集・保管のルールは個人情報・マイナンバー管理の基本を参照してください。
「資格確認書発行要否」欄
2024年12月2日以降の資格取得届・被扶養者(異動)届には「資格確認書発行要否」欄があります。マイナンバーカードを持っていない、または健康保険証の利用登録をしていない従業員・家族には、この欄にチェックして資格確認書の発行を依頼します。
協会けんぽは、資格確認書は次のいずれかで発行されるとしています。
- 資格取得届の資格確認書発行要否欄にチェックした場合
- 「資格確認書交付申請書」で申請した場合
- 協会けんぽが発行が必要と判断した場合(職権発行)
職権発行の場合、日本年金機構から協会けんぽに資格情報が連携されてから30〜50日後の発行とされています。必要な人は入社時の届書でチェックしておく方が確実です。入社前に「マイナ保険証の利用登録をしているか」を確認する項目を入社手続きチェックリストに入れておきましょう。
「資格情報のお知らせ」の扱い
協会けんぽは、2024年12月2日以降、新たに加入した全員に「資格情報のお知らせ」を発行しています。記号・番号などの資格情報を知らせる書類で、健康保険の給付の申請や健診の受診の際に使います。単独では受診できません。
- 届く時期:協会けんぽは、届出からおおよそ2〜3週間(9〜18日間)で勤務先に送付するとしています
- 会社の対応:届いたら速やかに本人に渡す。家族の分もある
- 紛失した場合:「資格情報のお知らせ交付申請書」で再発行できる。マイナ保険証が使える医療機関では再発行しなくても受診できる
資格情報のお知らせには記号・番号が載っています。社内便で配る場合は封をするなど、本人以外の目に触れないようにしましょう。
すぐに受診したい人がいるとき
マイナ保険証が使えるようになるまで、または資格確認書が届くまでの間に受診が必要な場合は、年金事務所で「健康保険 被保険者資格証明書」の交付を受けられます。事業主または被保険者が交付申請書を資格取得届・被扶養者(異動)届と一緒に紙で提出し、原則として当日中に交付されます。有効期間は証明日から20日以内です。
在職中の変更
| 変更 | 会社の対応 |
|---|---|
| 氏名の変更 | 資格確認書を持っている人は、変更前の氏名の資格確認書を回収する。マイナンバーと基礎年金番号が結びついていない人などは氏名変更届が必要 |
| 住所の変更 | 資格情報のお知らせには住所の記載がないため、再交付は不要(協会けんぽ) |
| マイナ保険証をやめたい | 本人が利用登録の解除を申請する。資格確認書の交付申請は勤務先を通して行うが、理由を明らかにする必要はない |
退職時:資格確認書等の回収
日本年金機構の資格確認書等の返納手続きでは、退職により協会けんぽの資格を喪失する場合、従業員は本人と家族の**資格確認書、高齢受給者証、限度額適用認定証など(資格確認書等)**を事業主に返納し、事業主は「被保険者資格喪失届」に回収した資格確認書等を添付して提出するとしています。資格喪失届の期限は事実発生から5日以内です。
マイナ保険証を使っている人は回収するものがありませんが、退職後は在職中の資格では受診できません。退職後の健康保険(任意継続・国民健康保険・家族の扶養)の選び方は健康保険の任意継続と国民健康保険の違いで説明しています。協会けんぽは、マイナ保険証の利用登録が済んでいれば、就職・転職・退職のたびに登録し直す必要はないとしています。
退職手続き全体は退職時の手続き一覧と退職手続きチェックリストで確認してください。
まとめ
- 医療機関ではマイナ保険証か資格確認書で資格を確認する。従来の健康保険証は2025年12月1日で有効期限が終わっている
- 資格取得届・被扶養者(異動)届はマイナンバーを記載して5日以内に提出。資格確認書が必要な人は発行要否欄にチェックする
- 資格情報のお知らせは加入者全員に届く。届いたら本人に渡し、取扱いに注意する
- 急ぎの受診には年金事務所で資格証明書(有効期間20日以内)を交付してもらえる
- 退職時は資格確認書等を回収して資格喪失届に添付する
この記事で使えるテンプレート
人事 入社手続きチェックリスト 雇用契約、社会保険・雇用保険の資格取得届、マイナンバー、扶養控除等申告書、PC・アカウント・備品・名刺の準備まで、人事・労務・総務の入社手続きを時系列で確認できるチェックリストです。 人事 退職手続きチェックリスト 社会保険の資格喪失届、雇用保険の資格喪失届・離職証明書、源泉徴収票、住民税の異動届、貸与品の回収、アカウント停止まで、退職手続きを期限つきで確認できるチェックリストです。この記事に出てくる用語
- 協会けんぽ
- 全国健康保険協会の通称で、主に中小企業の会社員とその家族が加入する健康保険の保険者です。保険料率は都道府県ごとに決まります。
- 健康保険
- 会社員などが加入する公的医療保険で、業務外の病気・けが、出産、死亡に対して給付を行います。保険者は協会けんぽと健康保険組合です。
- 採用内定
- 会社が応募者に採用を約束することです。多くの場合、内定通知の時点で「始期付・解約権留保付の労働契約」が成立したと考えられます。
- 資格取得届
- 従業員が社会保険や雇用保険に加入するときに会社が提出する届出です。健康保険・厚生年金保険は年金事務所へ5日以内、雇用保険はハローワークへ翌月10日までに提出します。
- 資格喪失届
- 従業員が退職したときなどに、社会保険・雇用保険の被保険者でなくなったことを届け出る書類です。社会保険は5日以内、雇用保険は10日以内に提出します。
- 任意継続
- 退職して健康保険の資格を失った人が、本人の希望で最長2年間、それまでの健康保険に加入し続けられる制度です。保険料は全額自己負担になります。
- 年金事務所
- 日本年金機構の地域の窓口で、健康保険(協会けんぽ)・厚生年金保険の加入や保険料に関する会社の届出を受け付けます。
- 被扶養者
- 健康保険の被保険者に生計を維持されている家族で、保険料の負担なく健康保険の給付を受けられる人です。原則として年収130万円未満などの要件があります。
- マイナ保険証
- 健康保険証としての利用登録をしたマイナンバーカードのことです。従来の健康保険証は2025年12月1日で有効期限が終わり、マイナ保険証か資格確認書で受診する運用になっています。
- マイナンバー
- 住民票を持つすべての人に1人1つ指定される12桁の番号です。会社は社会保障・税・災害対策の法定の手続に限って従業員などのマイナンバーを取り扱えます。