高校生の新卒採用の進め方|ハローワーク経由の求人、7月の学校訪問、9月16日の選考開始と応募のルール
高校生の新卒採用は、大学生とは別の仕組みです。求人はハローワークで確認を受けてから学校に申し込み、応募書類は学校から提出され、選考・内定は9月16日以降と決められています。年間スケジュール、求人申込みの書類、応募・推薦のルール、全国高等学校統一応募用紙と面接で聞いてはいけないことを、厚生労働省・労働局の案内で整理します。
- 対象読者
- 高校新卒の採用を初めて、または久しぶりに検討している、従業員30〜300名の企業の採用担当者
- 難易度
- 基本
- 所要時間
- 読了8分
- 最終確認日
この記事のポイント
- 高校新卒の求人は、ハローワークで求人内容の確認を受けてから学校へ申し込む。2026年度(2027年3月卒業予定者)の日程は、6月1日求人受付開始、7月1日学校への求人申込み・学校訪問開始、9月5日応募書類提出開始(沖縄県は8月30日)、9月16日選考・内定開始
- 応募は学校を通じて行われ、1人が同時に応募できる社数などのルールは都道府県ごとの申合せで決まる。採用する地域の労働局・ハローワークの案内を確認する
- 応募書類は全国高等学校統一応募用紙を使う。独自のエントリーシートや、本籍・家族・思想信条など適性と能力に関係のない質問は、就職差別につながるおそれがあるため避ける
高校生の採用は、ナビサイトに求人を出して応募を待つ大学生の採用とは、仕組みがまったく違います。求人はハローワークを通し、応募は学校から推薦の形で届き、選考の開始日も全国で決まっています。手順を知らずに動くと、学校との関係を損ねることもあります。
この記事では、厚生労働省と労働局・ハローワークの案内をもとに、高校新卒採用の年間スケジュール、求人の出し方、応募・選考のルールを整理します。大学生の採用日程は中小企業の新卒採用スケジュール、ハローワーク求人票の書き方はハローワーク求人票の書き方を参照してください。
年間スケジュール
厚生労働省は、高校卒業予定者の就職・採用活動の時期を毎年度公表しています。2026年度(2027年3月卒業予定者)の日程は次のとおりで、前年度から変更はありません。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 6月1日 | ハローワークによる求人申込書の受付開始 |
| 7月1日 | 企業による学校への求人申込み・学校訪問の開始 |
| 9月5日 | 学校から企業への応募書類の提出開始(沖縄県は8月30日) |
| 9月16日 | 企業による選考・採用内定の開始 |
7月1日より前に学校へ求人票を持ち込んだり、9月16日より前に選考や内定を出したりすることはできません。
担当者の準備の目安
| 時期 | やること |
|---|---|
| 4〜5月 | 採用人数・職種・労働条件を決める。前年の求人票があれば見直す |
| 6月 | ハローワークに求人を申し込み、内容の確認を受ける |
| 7〜8月 | 確認済みの求人票を持って学校を訪問する。応募前の職場見学を受け入れる |
| 9月 | 応募書類を受け取り、9月16日以降に面接・選考、内定通知 |
| 10月以降 | 内定者フォロー、入社準備 |
求人の出し方
高校生向けの求人は、ハローワークで求人内容の確認を受けたうえで学校に提出されます(厚生労働省)。ハローワーク上野の案内では、2027年3月卒の求人申込みについて次のように示されています。
- 申込みは、求人申込書での作成、前年度の高卒求人票の訂正、求人者マイページでの作成のいずれかで行う
- 人事権(採用権)のある雇用保険適用事業所の単位で申し込む
- 求人受付票・求人内容補足シート、高卒採用ルールのチェックリストなどを提出する。推薦を依頼する高校がある場合は一覧も出す
- 36協定(特別条項を含む)や変形労働時間制の規定など、労働条件を確認する書類の写しを求められることがある
- 9月以降は、採用内定の状況をハローワークに報告する
必要書類や報告の方法は、管轄のハローワークによって異なることがあります。初めて申し込む場合は、事前に管轄のハローワークに相談してください。
青少年雇用情報の準備
新卒者の募集では、青少年の雇用の促進等に関する法律により、応募者などから求めがあれば、募集・採用の状況、職業能力の開発・向上の取組、職場への定着の促進の取組などの情報を提供します(第13条・第14条)。高卒求人票にも、離職状況や研修の有無を書く欄があります。詳しくは若者雇用促進法の青少年雇用情報を参照してください。
応募・推薦のルール
高校生の応募は、生徒が学校と相談して応募先を決め、学校から企業に応募書類が送られる形で行われます。1人が同時に応募できる社数などは、都道府県ごとの就職問題検討会議の申合せで決まります。
例えば秋田労働局が公表している令和8年度の秋田県の申合せでは、高卒者の複数応募制として「1人3社まで応募可能」とされています。都道府県によって扱いが違うため、採用する地域の労働局やハローワークで、その年度の申合せを確認してください。
採用した生徒が内定を辞退することもあります。学校を通じた推薦のため、辞退や内定後の連絡は学校の進路指導担当とも共有しておくと、翌年以降の関係を保ちやすくなります。
選考で注意すること
応募書類は統一応募用紙
新規高卒者の応募書類は、全国高等学校統一応募用紙を使うこととされています(厚生労働省「公正な採用選考の基本」)。会社独自の応募用紙やエントリーシートを追加で求めることは、就職差別につながるおそれのある行為として避けるよう求められています(ハローワーク上野)。
聞いてはいけないこと
厚生労働省は、就職差別につながるおそれのある事項として次を挙げています。
| 区分 | 例 |
|---|---|
| 本人に責任のない事項 | 本籍・出生地、家族の職業・続柄・健康・学歴・収入・資産、住宅の状況、生活環境・家庭環境 |
| 本来自由であるべき事項 | 宗教、支持政党、人生観・生活信条、尊敬する人物、思想、労働組合・社会運動、購読新聞・愛読書 |
| 採用選考の方法 | 身元調査、適性・能力に関係のない事項を含む応募書類、合理的・客観的に必要性のない採用選考時の健康診断 |
面接では、職務に必要な適性と能力に関係する質問に絞ります。面接官を複数人にする場合は、事前に質問項目を共有しておきます。評価シートは面接評価シートが使えます。
よくある質問
求人票を出した後に人数や条件を変えられるか
ハローワーク上野の案内では、2027年3月卒の高卒求人票の有効期限は2027年6月30日までで、有効中の求人は原則として取下げや人数の変更ができないとされています。採用人数や労働条件は、6月の申込みの前に社内で確定させておきます。
応募前の職場見学は必要か
高校生は、応募先を決める前に職場見学をすることが多く、ハローワークへの申込みでも職場見学の実施予定を提出する様式があります。見学では、仕事の内容、職場の雰囲気、通勤経路を具体的に見せ、選考の場にしないようにします。見学の場で家族のことや思想信条に関わる質問をしないよう、案内役の社員にも伝えておきます。
内定を出した後の連絡はどうするか
学校からの推薦で応募を受けているため、内定の通知や入社までの予定は、本人だけでなく学校の進路指導担当とも共有しておくと行き違いを防げます。入社までの課題や内定者研修を予定する場合も、学業に支障が出ない範囲にとどめます。内定者フォローの進め方は内定者フォローの進め方も参考にしてください。
内定後と入社準備
- 内定通知は書面で行い、労働条件を明示する(内定通知書)
- 入社時に18歳未満の場合は、深夜業の禁止や時間外労働の制限があります(18歳未満(年少者)を雇うときの制限)
- 初任給の水準は新卒の初任給の決め方を参考にしてください
まとめ
- 高校新卒の求人はハローワークで確認を受けてから学校に申し込む。2027年3月卒の日程は6月1日求人受付、7月1日学校訪問、9月5日応募書類提出(沖縄県8月30日)、9月16日選考・内定開始
- 応募は学校を通じた推薦の形で、同時応募の社数などは都道府県ごとの申合せで決まる
- 応募書類は全国高等学校統一応募用紙を使い、本籍・家族・思想信条など適性と能力に関係のない事項は聞かない
この記事で使えるテンプレート
人事 面接評価シート 面接官ごとの評価を同じ基準でそろえるための面接評価シートです。評価項目・5段階評価・評価の根拠となった発言・総合判定を1行1候補者で記録でき、Excelで集計できます。 人事 内定通知書・内定承諾書 採用内定を伝える内定通知書と、内定者から返送してもらう内定承諾書のセットです。入社予定日、提出書類、内定取消事由、承諾期限を明記でき、労働条件通知書とあわせて送る前提で作っています。この記事に出てくる用語
- 雇用保険
- 労働者が失業したときや、育児・介護で休業したときなどに給付を行う公的保険です。週20時間以上働き、31日以上雇用見込みがある人が原則として加入します。
- 採用内定
- 会社が応募者に採用を約束することです。多くの場合、内定通知の時点で「始期付・解約権留保付の労働契約」が成立したと考えられます。
- 36協定
- 法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて残業させたり、法定休日に働かせたりするために、会社と労働者の過半数代表が結び、労働基準監督署に届け出る労使協定です。
- 深夜業
- 午後10時から午前5時までの間の労働です。25%以上の割増賃金が必要で、深夜業に常時従事する人には6か月ごとの健康診断が義務づけられています。
- 時間外労働
- 法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える労働のことです。36協定の締結・届出と、25%以上の割増賃金の支払いが必要です。
- 適用事業所
- 健康保険・厚生年金保険の加入が義務づけられた事業所です。法人は従業員が1人でも、社長1人でも適用事業所になります。
- ハローワーク
- 厚生労働省の公共職業安定所の愛称です。職業紹介や求人の受付のほか、雇用保険の加入・喪失や給付の手続きの窓口になっています。
- 変形労働時間制
- 一定期間を平均して週40時間以内であれば、特定の日や週に法定労働時間を超えて働かせても時間外労働にならない制度です。1か月単位・1年単位・1週間単位があります。