内容証明郵便の出し方と届いたときの対応|謄本の字数制限・e内容証明・配達証明、受け取った総務の初動
内容証明郵便は、いつ・どんな内容の文書を・誰から誰に出したかを日本郵便が証明する制度です。窓口で出す場合の謄本の字数・行数の制限、ネットで24時間出せるe内容証明、配達証明との併用、料金、受け取ったときに受領を拒否しない・期限を確認する・責任者と弁護士に回すといった総務の初動を整理します。
- 対象読者
- 取引先への通知を内容証明で出す、または内容証明郵便を受け取ることがある従業員30〜300名の企業の総務担当者
- 難易度
- 基本
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- 読了8分
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この記事のポイント
- 内容証明は、文書の内容と差出しの事実を日本郵便が証明する一般書留のオプション(郵便法第48条)。証明するのは文書の存在で、書かれた内容が真実であることではない。届いた事実まで残すなら配達証明を併用する
- 窓口では内容文書と謄本2通を出す。謄本は横書きなら1行20字以内・1枚26行以内などの制限がある。e内容証明ならWordファイルをアップロードして24時間差し出せる
- 受け取ったら受領を拒否しない。意思表示は相手に到達した時に効力を生じ、正当な理由なく受取りを妨げても到達したとみなされる(民法第97条)。受領日時を記録し、回答期限を確認して責任者・弁護士に回す
取引先との契約を解除する、オフィスの賃貸借契約の解約を申し入れる、支払が滞っている相手に請求する。こうした「確かに伝えた」ことを後で示す必要がある通知に使われるのが内容証明郵便です。逆に、退職者の代理人弁護士などから会社あてに届くこともあります。
この記事では、総務が内容証明を出すときの手順と、受け取ったときの初動を整理します。郵便物の受付全般は郵便物・宅配便の受付ルールで扱っています。
内容証明で証明されること・されないこと
内容証明は、郵便法第48条に基づく一般書留郵便物のオプションサービスです。日本郵便の案内では、いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出したかを、差出人が作成した謄本によって証明する制度とされています。
| 証明されること | 証明されないこと |
|---|---|
| 差し出した日 | 書かれた内容が真実であること |
| 文書の内容(謄本と同じ文書であること) | 相手に届いたこと(配達証明を併用して証明する) |
| 差出人と受取人 | 実際に誰が受け取ったか |
配達証明は、一般書留とした郵便物を配達した事実を証明するサービスです。契約の解除や期限付きの請求のように「相手に届いた日」が意味を持つ通知では、配達証明をあわせて付けるのが一般的です。差出後でも、1年以内なら受領証を示して請求できます。
窓口で出す手順
用意するもの
| 用意するもの | 内容 |
|---|---|
| 内容文書 | 受取人に送る文書。1通の文書だけを封入でき、図面や返信用封筒などは同封できない |
| 謄本2通 | 内容文書を写したもの。差出人用と郵便局用。コピーで作ってよい |
| 封筒 | 差出人・受取人の住所氏名を書いたもの |
| 料金 | 郵便料金+一般書留+内容証明の加算料金(配達証明を付けるならその料金も) |
| 印鑑 | 訂正や契印に使うため、持参が勧められている |
差し出せるのは集配郵便局と支社が指定した郵便局だけで、曜日を限って取り扱う局もあります。事前に最寄りの郵便局に確認しましょう。
謄本の字数・行数の制限
内容文書には字数の制限はありませんが、謄本には次の制限があります。
| 書き方 | 制限 |
|---|---|
| 縦書き | 1行20字以内、1枚26行以内 |
| 横書き | 1行20字以内・1枚26行以内、1行13字以内・1枚40行以内、1行26字以内・1枚20行以内のいずれか |
使える文字は、かな・漢字・数字・括弧・句読点・一般的な記号で、英字は固有名詞に限られます。記号は1個1字、括弧は上下(左右)で1字と数えます。謄本が2枚以上になるときはつづり目に契印をし、訂正する場合は欄外に字数と箇所を書いて押印します。
料金の目安
日本郵便の案内(2026年10月時点)では、内容証明の加算料金は謄本1枚480円で、2枚目以降は1枚ごとに290円増えます。これに郵便料金、一般書留の加算料金(損害要償額10万円までは480円)、配達証明(差出時350円)を加えます。料金は改定されることがあるため、差し出す前に日本郵便のページで確認してください。差出人は、差し出した日から5年以内なら、差出郵便局で謄本の閲覧を請求できます。
e内容証明(電子内容証明)
e内容証明は、Webゆうびんの専用サイトにWordファイルをアップロードして、24時間差し出せるサービスです。日本郵便が印刷・照合・封入して発送し、受取人には正本が、差出人には謄本が一般書留で届きます。
| 項目 | e内容証明の扱い(日本郵便の案内) |
|---|---|
| 作成 | 日本郵便指定のWord雛形を使う。最大5枚、図・表は使えない |
| 文字数 | 窓口のような1行の字数制限はなく、標準設定で1枚あたり約1,584文字が目安 |
| 日付 | 「差出」ボタンを押した時点の日付が印字される |
| 支払 | クレジットカードまたは料金後納。利用登録(無料)が必要 |
| オプション | 配達証明・速達を付けられる |
| 複数通 | 差込機能で最大100通まで、受取人ごとに内容を変えて出せる |
郵便局に行く時間がとれない一人総務や、文書が長い場合は、e内容証明の方が手間も料金も抑えられることがあります。
会社が内容証明を出す主な場面
| 場面 | 書いておくこと |
|---|---|
| オフィスの賃貸借契約の解約予告 | 物件、契約日、解約日、解約予告条項(→オフィス賃貸借契約の見直し) |
| 取引先との契約の解除・更新拒絶 | 契約の特定、根拠条項、解除の意思表示、効力発生日(→契約書の管理) |
| 支払の催告 | 債権の内容、金額、支払期限、振込先 |
| 連絡がとれない従業員への通知 | 出社・連絡の要請、期限(→無断欠勤への対応) |
支払の催告をすると、その時から6か月を経過するまでは時効が完成しません(民法第150条)。ただし、催告を繰り返しても猶予は延びません。解雇の通知のように法的な効果が大きい書面は、文案を弁護士に確認してもらってから出しましょう。
内容証明が届いたときの総務の初動
受領を拒否しない
意思表示は、その通知が相手方に到達した時から効力を生じます。相手方が正当な理由なく到達を妨げたときは、通常到達すべきであった時に到達したものとみなされます(民法第97条)。受取りを拒否しても、通知がなかったことにはならないと考えておきましょう。
初動の手順
- 受領日時を記録する:重要郵便の受付簿に、受領日時・差出人・受取人・受け取った人を書く
- すぐ責任者に回す:開封の権限を社内で決めておき、社長・担当役員に当日中に報告する
- 期限を確認する:「本書到達後○日以内に回答されたい」などの回答期限と、請求の内容を確認する
- 関係資料を集める:契約書、勤怠記録、メールなどの関係資料を保全する
- 弁護士に相談する:請求を認める・認めないの判断や回答書の作成は、顧問弁護士などに相談してから行う
退職者の代理人弁護士から未払残業代を請求されるケースは未払残業代を請求されたときの初動、退職代行業者からの通知は退職代行から連絡が来たらを参照してください。
期限内に結論が出せなくても、放置は避けます。「内容を確認中であり、○月○日までに回答する」と連絡しておくと、相手が次の手段に進むのを防げることがあります。
不在で受け取れなかったとき
内容証明は一般書留なので、不在のときは不在配達通知書が入り、郵便局で一定期間保管されます。保管期間を過ぎると差出人に戻りますが、受け取らなかったことで通知の効力を免れられるとは限りません。休業日が続く年末年始や長期休暇の前には、書留の再配達の依頼を誰が行うか、郵便物の確認を誰が担当するかを決めておきましょう(→年末年始の総務の段取り)。
出した書面・届いた書面の保管
内容証明の謄本、配達証明書、受領証は、紛争が終わるまで、また契約の解除や解約の効力が問題になりうる期間は保管しておきます。社内では次のように整理しておくと、担当者が替わっても経緯をたどれます。
| 保管するもの | 保管の方法 |
|---|---|
| 差し出した内容証明の謄本・受領証・配達証明書 | 契約書と同じファイルにとじ、契約書管理台帳に差出日と配達日を記録 |
| 受け取った内容証明と封筒 | 封筒も含めて原本を保管し、受付簿に受領日時を記録 |
| 回答書の控え・やり取りの記録 | 事案ごとにまとめ、弁護士とのやり取りも残す |
文書の保存期間の決め方は文書管理と保存期間の一覧を参照してください。
内容証明に応じない相手への支払督促・少額訴訟は売掛金が未払いのときの回収手順、裁判所から書類が届いたときは訴状・支払督促が届いたときの初動を参照してください。
まとめ
- 内容証明は、差し出した日・文書の内容・差出人と受取人を日本郵便が証明する制度。届いたことまで残すなら配達証明を併用する
- 窓口では内容文書と謄本2通を用意する。謄本は1行20字以内・1枚26行以内などの制限がある
- e内容証明ならWordファイルで24時間差し出せる。文書が長い・通数が多い場合は窓口より安くなることがある
- 受け取ったら受領を拒否せず、受領日時を記録し、期限を確認して責任者と弁護士に回す
この記事で使えるテンプレート
人事 解雇予告通知書・解雇理由証明書 労働基準法20条の解雇予告(30日前予告・解雇予告手当)を書面で伝える解雇予告通知書と、22条2項の解雇理由証明書のセットです。予告日・解雇日・予告手当の計算欄と、受領確認欄を付けています。 総務 契約書管理台帳 取引先との契約書を一覧で管理する台帳です。契約期間・自動更新の有無・解約予告期限・保管場所(紙/電子)・印紙の有無・担当部署を記録し、更新や解約の判断漏れを防ぎます。この記事に出てくる用語
- 内容証明郵便
- いつ、どんな内容の文書を、誰から誰あてに差し出したかを日本郵便が証明する郵便です。契約の解除通知や未払代金の督促など、通知した事実を証拠に残したいときに使います。