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保育所入所用の就労証明書の書き方|国の標準的な様式の記入項目、就労時間・育休・復職予定日の書き方と注意点

保育所等の入所申込みや現況届では、勤務先が作成する就労証明書が必要です。2024年9月から子ども・子育て支援法施行規則の様式として定められた国の標準的な様式をもとに、就労時間・就労実績・産休育休・復職予定日などの記入ルール、押印や有効期限の扱い、電子での提出、虚偽記載をしないための社内手順を整理します。

対象読者
従業員から保育所の入所申込み・現況届に使う就労証明書の作成を頼まれる、従業員30〜300名の企業の労務担当者
難易度
基本
所要時間
読了8分
最終確認日

この記事のポイント

  • 就労証明書は、こども家庭庁が示す標準的な様式が子ども・子育て支援法施行規則の様式第一号として定められ、原則としてこの様式が使われる(2024年9月30日施行)。押印や有効期限など細かな扱いは市区町村ごとに異なる
  • 「就労時間」は雇用契約上の時間(残業を除き、所定の休憩を含む)、「就労実績」は直近3か月の実際の日数・時間(有給休暇・残業・休憩を含む)。育児短時間勤務中でも就労時間欄は制度利用前の時間を書き、短縮後の時間は別欄に書く
  • 証明書は市区町村が保育の必要性を判断する資料で、無断作成や改変には刑法上の罪に問われる場合がある旨が様式に記載されている。人事記録と照合して作成し、控えを保存する

秋になると、翌年4月の保育所入所に向けて「就労証明書を書いてください」という依頼が増えます。育休中の人、復職予定の人、パートの人など状況はさまざまで、記入欄も多いため、担当者が迷いやすい書類です。

就労証明書は、市区町村が「保育の必要性」を判断し、入所の優先順位を決めるための資料です。この記事では、国の標準的な様式に沿って、各欄の書き方と社内での作り方を整理します。

就労証明書の位置づけ

項目 内容
何に使うか 保育所等の利用申込み(入所・転所)、在園中の現況届など。市区町村が保育の必要性の認定と利用調整に使う
誰が作るか 従業員の勤務先(会社)。従業員本人が会社に依頼し、本人が申込みに添付するのが基本
様式 こども家庭庁が示す「標準的な様式」。子ども・子育て支援法施行規則の様式第一号として定められ、2024年9月30日に施行された
様式の入手 こども家庭庁のページ(PDF・Excel)または提出先の市区町村のページ
会社の対応 施行規則は様式を定めるもので、会社の作成期限などは定めていない。従業員の入所申込みに欠かせない書類なので、速やかに対応する

施行規則は、保育の必要性の事由の一つとして「1か月に48時間から64時間までの範囲で市町村が定める時間以上の労働を常態とすること」を定めています(第1条の5第1号。附則に経過措置があります)。何時間以上で認定されるかは市区町村が決めるため、会社は事実を正確に書くことだけに集中すれば足ります。

標準的な様式でも、押印の要否、証明日からの有効期間、簡易版を使える場面などは市区町村ごとに異なります。従業員から依頼を受けたら、提出先の市区町村名と提出期限を最初に確認しましょう。

証明者欄の書き方

欄 書き方
証明日 証明書の発行日(西暦)
事業所名 証明に責任を持つ法人の名称
代表者名 法人の代表者。社内で証明権限を代表者以外に与えている場合は、その権限を持つ人の氏名
所在地・電話番号 証明書を発行する事業所の住所・電話。本人の勤務先が別の場所なら、勤務先は「本人就労先事業所」欄に書く
担当者名・記載者連絡先 市区町村から内容の問い合わせを受ける担当者

標準的な様式には押印欄がありません。こども家庭庁は押印を必須としている市町村の一覧を公表しており、市区町村の側でも、たとえば江戸川区は押印(割印・訂正印を含む)を不要としています。押印の要否は提出先の案内で確認します。

就労状況の欄の書き方

記載要領のうち、間違えやすいのが次の項目です。

No. 項目 書き方のポイント
3 雇用(予定)期間等 無期なら雇用開始日のみ、有期なら契約期間。契約内容の変更を予定しているときは、変更前の契約の終了日を終期にする
5 雇用の形態 正社員・パート・契約社員などから選ぶ
6 就労時間 雇用契約上の時間を書く。残業は除き、就業規則で定める休憩は含める。週で定めているなら4を掛けて月の時間にする
7 就労実績 直近3か月の実際の日数と時間。有給休暇の日は日数に含め、残業と休憩は時間に含める。新しい月から書く
8〜10 産休・育休・その他の休業 法令上の休業に限らず、会社独自の休業も含む。終了日が決まっていなくても終了予定日を書く
11 復職(予定)年月日 復職予定ならその日を、1年以内に復職済みなら復職日を書く
12 育児のための短時間勤務 短時間勤務の期間と、短縮後の主な就労時間帯
14 契約満了後の更新の有無 有期契約の場合に選ぶ
15・16 入所内定時の育休短縮可否・育休延長可否 会社として認められるかを選ぶ
18 備考欄 始業前の出勤義務など、記載した時間帯を超える拘束がある場合や、過去の育休の取得実績など

育児短時間勤務中の人の書き方

No.6の就労時間には、短時間勤務を利用する前の就業規則上の時間を書きます。短縮後の時間帯はNo.12に書き、No.7の就労実績には実際に働いた時間を書きます。3つの欄の役割が違うことを押さえておけば迷いません。

育休中・新規採用の人の就労実績

育児休業などで直近3か月に就労実績がない場合は、休業を取る前(産休・育休の取得月を除く)の実績を書きます。入社したばかりで実績がない場合は、今後の就労見込みを書きます。

育休の短縮・延長の欄

No.15とNo.16は、入所の内定が出た場合に育休を切り上げて復職できるか、内定が出なかった場合に育休を延長できるかを示す欄です。育休の延長は法律上の要件を満たせば認める必要があるため、本人の意向も確認したうえで記入します(育児休業の1歳6か月・2歳までの延長)。

提出の方法と電子化の状況

項目 現状(こども家庭庁の事務連絡で確認できる範囲)
オンライン申請 マイナポータル(ぴったりサービス)でのオンライン提出を受け付ける場合も、紙の場合も標準的な様式を使うよう市区町村に求められている
会社から市区町村への直接提出 マイナポータルを通じて会社が直接提出する方式は、令和6年度入所分では採用されず、申請者(従業員)が添付して提出する方式が続けられた
ファイル形式 マイナポータルの就労証明書作成コーナーで入手できる様式はExcel。事業者の負担軽減のためExcelでの提出が推奨された

こども家庭庁のページでは、標準的な様式(PDF・Excel)が2026年8月に更新されています。その後の提出方式の見直しは、こども家庭庁と提出先の市区町村の案内で確認してください。Excel版で作った場合も、PDFや紙での提出を求められることがあるため、本人に提出方法を確認しておきます。

社内での作り方

  1. 依頼を受け付ける:提出先の市区町村、提出期限、様式(市区町村の指定があるか)、提出方法を本人から聞く
  2. 人事記録と照合する:雇用契約書・労働条件通知書、勤怠記録、育休の申出書で、時間と期間を確認する
  3. 権限者が確認する:証明者欄の代表者(または証明権限者)が内容を確認する
  4. 本人に渡し、控えを残す:本人に内容を確認してもらい、控え(写しまたはデータ)を保存する

依頼が集中する10〜12月は、作成日数の目安(例:受付から5営業日)を社内に案内しておくと、期限直前の依頼を減らせます。証明日から一定期間内のものしか受け付けない市区町村もあるため(江戸川区は申込み時点で証明日から3か月以内)、早すぎる作成にも注意が必要です。

書いてはいけないこと

様式には、勤務先に無断で作成したり改変したりした場合に刑法上の罪に問われる場合がある旨が記載されています。本人から「時間を多めに書いてほしい」「復職日を早めに書いてほしい」と頼まれても、事実と異なる記載はしません。予定が決まっていない事項は「予定」として書き、備考欄で補足します。

個人情報の扱い

就労証明書には勤務時間や休業の状況など、本人の個人情報が含まれます。本人に渡すのが原則で、市区町村から内容の確認があった場合も、本人の申込みに関するものかを確かめてから回答します。控えの保管場所と保存期間を決めておきましょう(個人情報管理の基本)。

復職支援とあわせて進める

就労証明書の依頼は、育休からの復職時期を本人と話す良いきっかけです。入所が決まったら、復職日、短時間勤務の利用、育休給付の手続きの終わり方を確認します(育休復帰面談の進め方、育児休業給付の手続き)。短時間勤務など復職後の制度は改正育児・介護休業法のポイントも参照してください。

まとめ

  • 就労証明書は国の標準的な様式が施行規則の様式として定められ、原則この様式を使う。押印や有効期間は市区町村ごとに確認する
  • 就労時間は雇用契約上の時間(残業除く・休憩含む)、就労実績は直近3か月の実績(有休・残業・休憩含む)
  • 短時間勤務中は、制度利用前の時間・短縮後の時間・実績をそれぞれの欄に分けて書く
  • 人事記録と照合して事実だけを書き、権限者の確認を経て本人に渡し、控えを保存する

この記事で使えるテンプレート

DOCX 人事 育休復帰面談シート(復帰前・復帰後の両立支援と手続きの確認) 育児休業から復帰する従業員と、復帰前・復帰後に面談するためのシートです。勤務時間帯・勤務地・業務量など仕事と育児の両立に関する意向、使う予定の制度(短時間勤務・残業免除・子の看護等休暇など)、社会保険と雇用保険の手続きの確認欄をまとめています。

この記事に出てくる用語

育児休業
子を養育するために、原則として子が1歳になるまで取得できる休業です。育児・介護休業法にもとづき、保育所に入れないなどの場合は最長2歳まで延長できます。
雇用契約書
会社と労働者が労働契約の内容に合意したことを示すため、双方が署名・記名押印などをする書面です。法律上の作成義務はありませんが、トラブル防止のために多くの会社が作ります。
採用内定
会社が応募者に採用を約束することです。多くの場合、内定通知の時点で「始期付・解約権留保付の労働契約」が成立したと考えられます。
産前産後休業
出産予定日の6週間前(多胎は14週間前)から請求により休める産前休業と、出産の翌日から8週間の産後休業のことです。期間中は社会保険料が免除されます。
就業規則
労働時間・賃金・退職などの労働条件や職場のルールを定めた規則です。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、作成して労働基準監督署に届け出る義務があります。
短時間勤務制度
3歳に満たない子を養育する労働者などが申し出たときに、1日の所定労働時間を原則6時間に短縮する制度です。育児・介護休業法で会社に義務づけられています。
年次有給休暇
一定期間働いた労働者に与えられる、賃金が支払われる休暇です。6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤すると10日付与され、勤続に応じて最大20日まで増えます。
復職
休職や休業をしていた社員が、職場に戻って働き始めることです。私傷病による休職では、復職できるかどうかを会社が判断します。
労働条件通知書
会社が労働者を雇い入れるときに、賃金・労働時間・就業場所などの労働条件を書面で知らせるための文書です。労働基準法の「労働条件の明示」を果たすために使います。

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出典・参考資料

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