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人事総務の年間業務カレンダーをAIで自社用に作る:業務の洗い出し、期限の確認、毎月のリマインドまで

算定基礎届、年度更新、年末調整、健康診断、契約の更新。人事総務の仕事は年単位で巡ってきますが、担当者の記憶に頼ると漏れや引き継ぎの失敗が起きます。生成AIで自社の業務を洗い出し、期限を一次情報で確かめ、月ごとのカレンダーとリマインドの仕組みに落とし込む手順を解説します。

対象読者
年間の届出や社内行事を担当者の記憶とメモで回している、従業員30〜300名の企業の一人人事・兼任総務
難易度
実務
所要時間
読了8分
最終確認日

この記事のポイント

  • 業務の洗い出しは、手元の記録(過去のメール・届出の控え・請求書・契約書の一覧)をもとにAIに整理させる。一般的な一覧をそのまま使わない
  • 法定の期限は、日本年金機構・厚生労働省・国税庁・市区町村などの一次情報で確認してから載せる。AIが書いた日付はすべて「要確認」として扱う
  • 社員の氏名や健康情報、マイナンバーなどの個人情報はAIに入力しない。カレンダーは業務単位で作り、担当者名は社内で書き込む

人事総務の仕事には、毎年決まった時期に巡ってくるものがたくさんあります。7月の算定基礎届と年度更新、秋からの年末調整、健康診断、就業規則の見直し、契約の更新。一人で担当していると、「去年はいつ準備を始めたか」が自分の記憶にしか残っていません。担当者が替わると、期限を過ぎてから気づくことになります。

この記事では、生成AIを使って自社の年間業務カレンダーを作り、毎月のリマインドまでつなげる手順を紹介します。JIROSOの月別カレンダー(1月)〜12月は一般的な業務の目安です。これを土台に、自社にしかない業務を加えていきます。

AIに任せること・任せないこと

作業 AIの使い方 人が行うこと
業務の洗い出し 手元の記録から業務を抜き出し、分類する 漏れがないか、実際の業務と照らす
法定の期限 使わない(参考にとどめる) 一次情報で確認して記入する
準備の開始時期 業務の量から目安を提案させる 去年の実績で調整する
月ごとの表への整形 ○ 担当者・保存場所を書き込む
リマインドの文面 ○ 送信先と時期を決める

入力しない情報

年間業務を洗い出すとき、過去のメールや届出の控えを材料にしたくなります。そのまま貼り付けると、社員の情報が含まれることがあります。

  • 入力しない:社員の氏名、健康診断の結果、休職者や育休者の情報、給与額、マイナンバー、基礎年金番号
  • 注意する:取引先との契約金額や、未発表の組織変更の予定
  • 入力してよい形:「算定基礎届を電子申請で提出」「産業医との契約を毎年4月に更新」のような業務単位の説明

AIの利用は、社内のルールに従います(→社内の生成AI利用ガイドライン)。

手順1:手元の記録から業務を集める

まず、去年1年間に実際に行った業務の手がかりを集めます。

  • 送信済みメールの件名(届出、案内、依頼のメール)
  • 届出の控えや電子申請の履歴(提出日の一覧)
  • 請求書・契約書の一覧(更新月、支払月)(→契約書管理台帳)
  • 社内規程の一覧と見直しの時期(→社内規程一覧)
  • 社内行事の案内(健康診断、研修、忘年会、防災訓練)

メールの件名は、個人名を消して「〇〇さん 入社手続き」のように置き換えてから使います。

手順2:AIに業務を分類させる

あなたは中小企業の人事総務担当者を支援するアシスタントです。
次は、当社(従業員90名、製造業、本社と工場の2拠点)の人事総務担当が
去年1年間に行った業務のメモです。

【業務メモ】(個人名は消してあります)
・4月 新入社員研修の案内、産業医契約の更新
・6月 労働保険の年度更新、賞与の支払い
・7月 算定基礎届、工場の消防設備点検の立会い
・…

このメモを、次の列を持つ表に整理してください。
「業務名」「区分(人事・労務・総務)」「法定の手続きか社内業務か」
「実施した月」「準備を始める目安の月」「関係する部署・外部の相手」
法定の期限は書かず、法定の手続きには「期限:要確認」と書いてください。
メモにない業務で、同規模の会社で一般に必要になるものがあれば、
別表に「候補」として挙げてください。

「候補」の別表は、漏れに気づくきっかけになります。ただし、自社に当てはまらない業務(常時50人未満なら不要な業務など)も混ざるため、1つずつ対象かどうかを確認します。

手順3:期限を一次情報で確かめる

「期限:要確認」の業務は、一次情報で期限を確かめて書き込みます。代表的なものは次のとおりです。

業務 期限の目安 確認先
算定基礎届 7月1日〜7月10日 日本年金機構
労働保険の年度更新 6月1日〜7月10日 厚生労働省・労働局
給与支払報告書・法定調書合計表 1月31日(休日なら翌営業日) 市区町村・税務署(令和8年分からは給与所得の源泉徴収票のみなし提出あり)
源泉所得税の納付(納期の特例) 7月10日・1月20日 国税庁

年によって、期限の日が土日・祝日に当たってずれることがあります。毎年、カレンダーを更新するときに確かめます。各月の業務の詳細は、7月の業務や1月の業務のページも参考になります。

手順4:月ごとのカレンダーに整える

確認が終わった表を、月ごとのカレンダーに整形させます。

確認済みの業務一覧を、1月から12月までの月ごとの表にしてください。
列は「業務名」「期限」「準備開始」「担当」「手順書・保存場所」とし、
「担当」と「手順書・保存場所」は空欄のままにしてください。
期限が近い順に並べ、年に1回しかない業務には「年1回」と印を付けてください。

担当と手順書の場所は社内で書き込みます。手順書がない業務は、カレンダーを作ったついでに「業務マニュアルをAIで作る」の方法で整えていくと、引き継ぎのときに役立ちます(→一人総務の引き継ぎ書の作り方)。

手順5:毎月のリマインドにつなげる

カレンダーは作っただけでは見なくなります。毎月決まった日に、翌月の業務を確認する仕組みにします。

  • 共有カレンダーに、準備開始の日を予定として登録する
  • 月初に「今月と来月の業務」を自分あてにメールやチャットで送る
  • スプレッドシートで管理する場合は、準備開始日が近づいた行に色を付ける(→スプレッドシート関数・GASをAIに書かせるコツ)

自動で送る仕組みを作る場合も、送る内容は業務名と期限だけにして、社員の個人情報を載せないようにします。

引き継ぎ資料として使う

完成したカレンダーは、担当者が替わるときの引き継ぎ資料の中心になります。業務ごとに「去年はいつ準備を始め、何に時間がかかったか」を一言メモしておくと、後任者が段取りを組みやすくなります。メモは個人名ではなく「総務担当」「経理担当」のような役割で書き、手順書や届出の控えの保存場所と一緒に残します。育児休業や病気で急に担当を代わるときにも、同じ資料が役立ちます。

よくある失敗

失敗 起きること 防ぎ方
AIが書いた期限をそのまま使う 古い期限や誤った日付で準備が遅れる 法定の期限は必ず一次情報で確認する
一般的な一覧を自社用と思い込む 自社にない業務が並び、本当の業務が漏れる 去年の実績から作り、一般の一覧は「候補」として使う
作ったあと更新しない 法改正や契約の変更が反映されない 毎年12月にカレンダーを見直す日を決める

まとめ

  • 年間業務カレンダーは、去年の実績(メール・届出の控え・契約の一覧)から作る
  • AIには業務の分類と表の整形を任せ、法定の期限は一次情報で人が確認する
  • 担当者と手順書の場所を書き込み、毎月のリマインドにつなげる
  • 社員の氏名・健康情報・マイナンバーなどの個人情報はAIに入力しない

年間業務の洗い出しやリマインドの自動化をどこから始めるか相談したいときは、Otsumu株式会社のAIツール診断をご利用ください。

この記事で使えるテンプレート

CSV 総務 社内規程 一覧・改定管理表 就業規則・賃金規程・育児介護休業規程・ハラスメント防止規程など、社内規程を一覧にして改定履歴を管理する表です。根拠法令、監督署への届出の要否、最終改定日、周知方法、次回見直し時期を記録できます。 CSV 総務 契約書管理台帳 取引先との契約書を一覧で管理する台帳です。契約期間・自動更新の有無・解約予告期限・保管場所(紙/電子)・印紙の有無・担当部署を記録し、更新や解約の判断漏れを防ぎます。

この記事に出てくる用語

育児休業
子を養育するために、原則として子が1歳になるまで取得できる休業です。育児・介護休業法にもとづき、保育所に入れないなどの場合は最長2歳まで延長できます。
休職
病気やけがなどで働けない社員について、労働契約を続けたまま一定期間、労働義務を免除する制度です。法律上の義務ではなく、会社が就業規則で内容を決めます。
給与支払報告書
会社が従業員に支払った前年の給与の額などを、従業員の1月1日時点の住所地の市区町村へ報告する書類です。翌年度の住民税額の計算のもとになり、毎年1月31日までに提出します。
源泉徴収票
会社が1年間に支払った給与・賞与の額と、源泉徴収した所得税の額などを記載した書類です。従業員に交付するほか、法定調書として税務署に提出します。
産業医
労働者の健康管理について専門的な立場から指導・助言を行う医師です。常時50人以上の労働者を使用する事業場は選任が義務づけられています。
算定基礎届
毎年4〜6月に支払った報酬をもとに、9月からの標準報酬月額を決める「定時決定」のための届出です。原則として7月1日〜10日に提出します。
就業規則
労働時間・賃金・退職などの労働条件や職場のルールを定めた規則です。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、作成して労働基準監督署に届け出る義務があります。
年度更新
前年度の労働保険料を確定させて精算し、今年度の概算保険料を申告・納付する手続きです。毎年6月1日から7月10日までに行います。
年末調整
会社が、1年間に給与から源泉徴収した所得税の合計額と、その年の給与総額にもとづく本来の年税額との過不足を、年末に精算する手続です。
法定調書
給与・退職金・報酬・家賃などを支払った会社が、支払先や金額を税務署に報告するために提出する書類です。源泉徴収票や支払調書などがあり、原則として翌年1月31日までに合計表と一緒に提出します。
マイナンバー
住民票を持つすべての人に1人1つ指定される12桁の番号です。会社は社会保障・税・災害対策の法定の手続に限って従業員などのマイナンバーを取り扱えます。

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出典・参考資料

この業務、AIでどこまで減らせるか診断します。Otsumu の「AIツール診断」で、自社の業務フローから自動化できる作業を洗い出します。

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