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契約書の印紙税の判定をAIで下書きする:文書の種類と記載金額を抜き出し、国税庁の一覧表で人が確かめる手順

契約書に収入印紙が必要か、いくら貼るかは、文書の種類と記載金額で決まります。生成AIで契約書から文書の性質・契約金額・契約期間を抜き出し、判定の下書きと確認表を作る手順と、国税庁の印紙税額の一覧表で人が最終確認するポイントを解説します。

対象読者
紙の契約書や領収書に貼る収入印紙の判定を、毎回調べながら行っている従業員30〜300名の企業の総務・経理担当者
難易度
実務
所要時間
読了7分
最終確認日

この記事のポイント

  • AIには、契約書の条文から「何の契約か」「記載金額」「契約期間」「更新の定め」を抜き出させ、該当しそうな課税文書の号と根拠の条文を並べた確認表を作らせる
  • 印紙税は文書の名称ではなく内容で判定する。税額は国税庁の印紙税額の一覧表で人が確かめる。たとえば継続的取引の基本となる契約書(第7号文書)は4千円、売上代金の受取書は記載金額5万円未満なら非課税
  • 取引先の担当者名や個人の氏名・住所が書かれた契約書は、そのまま入力しない。必要な条文だけを、固有名詞を伏せて渡す

紙の契約書を交わすたびに、「この契約書に印紙は必要か」「いくら貼るのか」を調べ直していないでしょうか。印紙税は、文書の名称ではなく中身で判定するため、「覚書」「注文請書」のような名前でも課税文書に当たることがあります。

この記事では、契約書から判定に必要な情報を生成AIで抜き出し、国税庁の一覧表で人が確かめる手順を解説します。印紙税の基本は契約書と印紙税の基本、契約書の内容のチェックは契約書の一次チェックをAIで補助するで扱っています。

AIに任せること・任せないこと

区分 内容
AIに任せる 条文から契約の性質・記載金額・期間・更新の定めを抜き出す、該当しそうな号の候補と根拠の条文を並べる、確認表の作成
人が確認する 課税文書の号の決定、税額、複数の号に当たる場合の所属の決定、非課税の判断、迷う場合の税務署への確認
AIに入力しない 個人の氏名・住所、取引先の担当者名、口座情報、契約書の画像やPDFそのもの(社外秘の契約は特に)

AIは、印紙税の号や税額をもっともらしく答えますが、改正前の情報や別の号と取り違えることがあります。税額は必ず国税庁の一覧表で確かめます。

前提:判定の流れを押さえる

確認すること 見るポイント
課税文書に当たるか 国税庁の印紙税額の一覧表の第1号〜第20号のどれかに当たるか
何号か 不動産の譲渡(第1号)、請負(第2号)、継続的取引の基本となる契約書(第7号)、受取書(第17号)など
記載金額 契約金額の記載の有無。消費税額が区分して書かれているか
非課税に当たるか 記載金額が一定額未満、営業に関しない受取書など

国税庁の一覧表によれば、第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)は4千円で、契約期間が3か月以内かつ更新の定めのないものは除かれます。第17号文書(売上代金に係る受取書)は、記載金額が5万円未満なら非課税です。

手順1:判定に必要な情報を抜き出す

契約書のうち、目的・業務内容・金額・期間・更新に関する条文だけを貼り付けます。当事者名は「甲」「乙」のままにし、社名や個人名は伏せます。

次の契約書の条文から、印紙税の判定に必要な情報を表にしてください。
列:項目/契約書の記載/条文番号
項目:契約の目的・内容/当事者の義務(仕事の完成、物品の売買、継続的な取引など)/
契約金額(税抜・税込・消費税の区分記載)/契約期間/更新の定め/支払方法
・記載がない項目は「記載なし」と書き、推測しないでください
(ここに条文を貼り付け。社名・個人名は甲乙に置き換え)

手順2:号の候補と根拠を並べる

手順1の表をもとに、国税庁の印紙税額の一覧表で該当しそうな号の候補を挙げてください。
列:候補の号/該当すると考えた理由(どの条文のどの記載か)/該当しない可能性がある理由/人が確認すべき点
・候補は複数挙げてかまいません
・税額は書かないでください(人が一覧表で確認します)

税額を書かせないのは、AIの答えの数字をそのまま使ってしまうのを防ぐためです。号の候補と根拠の条文がそろっていれば、担当者は国税庁の一覧表と照らすだけで判定できます。

手順3:一覧表で人が確かめて記録する

判定の結果は、契約書の管理台帳に記録しておくと、同じ取引先との次の契約で使えます。

台帳の列 記入する内容
契約書名・締結日 管理番号とあわせて記録
判定した号 例:第2号文書(請負に関する契約書)
記載金額・税額 一覧表で確認した額
根拠 確認した国税庁のページと確認日
判定者・確認者 二人で確認した記録

印紙を貼り忘れた場合は過怠税がかかることがあります(国税庁「印紙税を納めなかったとき」)。判定に迷う文書は、契約の締結前に税務署に確認します。

電子契約やメール送付の扱いも確認する

電子契約で締結した契約書や、PDFをメールで送った注文請書は、紙の文書を作成していないため、印紙税の課税対象にならないとされています(国税庁の質疑応答事例)。ただし、PDFを印刷して署名・押印したものを相手に交付するなど、紙の文書を作成した場合は扱いが変わります。社内の締結方法ごとの扱いを、確認表の備考に書いておきます。

よくある判定の迷いどころ

迷いどころ 確認のポイント
「覚書」「変更契約書」 原契約の重要な事項(金額・期間など)を変更する内容なら課税文書になることがある
保守契約・清掃委託 請負(第2号)か、継続的取引の基本となる契約書(第7号)かを内容で判断
契約書の写し・コピー 正本と同じく署名押印したものは課税文書になることがある(国税庁「契約書の写し、副本、謄本等」)
領収書・請負契約の金額 課税事業者が消費税額等を区分して書いた第1号・第2号・第17号文書は、消費税額等を除いた金額で判定(国税庁「消費税額等が区分記載された契約書等の記載金額」)

社内の判定ルールを1枚にまとめる

判定を担当者一人の知識に頼ると、異動や退職のときに引き継げません。自社でよく使う契約書の種類ごとに、判定の結果をまとめた早見表を作っておくと、現場からの問い合わせにもすぐ答えられます。

早見表の列 記入する内容
契約書の種類 業務委託契約書、保守契約書、売買基本契約書、覚書など
判定した号 国税庁の一覧表の号
判定のポイント 「期間3か月以内・更新なしなら第7号に当たらない」など
税額の確認先 国税庁のページと確認日
締結方法ごとの扱い 紙・電子契約・PDFのメール送付

早見表の下書きはAIに作らせ、号と税額は人が国税庁の一覧表で確かめます。税制の改正があった場合に見直せるよう、確認日を必ず残します。

収入印紙の購入と保管も記録する

判定の仕組みと合わせて、収入印紙そのものの管理も見直します。収入印紙は換金性が高いため、購入・使用・残数を記録し、保管場所の鍵を管理します。

記録する項目 内容
購入 購入日、額面ごとの枚数、購入者
使用 使用日、貼付した文書(管理番号)、額面、使用者
残数 月末の額面ごとの残数と、記録との一致の確認

誤って貼りすぎたり、課税文書でない文書に貼ったりした場合は、還付の手続きがあります(国税庁「誤って納付した印紙税の還付」)。使用記録があると、還付の手続きのときにも確認しやすくなります。

まとめ

  • AIには、条文から判定に必要な情報を抜き出させ、号の候補と根拠を並べた確認表を作らせる。税額は書かせない
  • 印紙税は文書の名称ではなく内容で決まる。号と税額は国税庁の一覧表で人が確かめる
  • 判定結果は契約書の管理台帳に、根拠と確認日とともに残す
  • 個人の氏名・住所や取引先の担当者名はAIに入力しない

契約書の管理や総務の確認作業にAIをどう組み込むか相談したいときは、Otsumu株式会社のAIツール診断をご利用ください。

この記事で使えるテンプレート

CSV 総務 契約書管理台帳 取引先との契約書を一覧で管理する台帳です。契約期間・自動更新の有無・解約予告期限・保管場所(紙/電子)・印紙の有無・担当部署を記録し、更新や解約の判断漏れを防ぎます。

この記事に出てくる用語

印紙税
契約書や領収書など、印紙税法で定められた文書(課税文書)を作成したときにかかる国税です。通常は収入印紙を貼って消印することで納めます。
課税文書
印紙税法の課税物件表に掲げられた20種類の文書のうち、非課税文書にあたらないもので、印紙税がかかる文書です。請負契約書、継続的取引の基本契約書、領収書などが代表例です。
過怠税
課税文書に必要な収入印紙を貼らなかったり、消印をしなかったりしたときに課される税金です。貼らなかった場合は原則として本来の印紙税額の3倍になります。
電子契約
紙の契約書に署名・押印する代わりに、PDFなどの電子データに電子署名などを付けて契約を結ぶ方法です。印紙税がかからず、締結までの時間と郵送コストを減らせます。

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出典・参考資料

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