2026年8月からの雇用保険の基本手当日額・育児休業給付等の上限額の改定
2026年8月1日から、雇用保険の基本手当日額の上限・下限額と、育児休業給付・介護休業給付・高年齢雇用継続給付・育児時短就業給付の支給限度額などが引き上げられました。令和7年度の平均給与額が約2.7%上昇したことなどによるものです。
施行日
2026年8月1日
施行済
- 対象企業
- 離職者・育児休業給付・介護休業給付・高年齢雇用継続給付・育児時短就業給付の申請に関わる全事業主
- 根拠法令
- 雇用保険法(毎月勤労統計の平均給与額の変動による自動変更)
- 対応期限
- 2026年8月1日から2027年7月31日まで適用(毎年8月1日に改定)
- 最終確認日
- 2026年10月29日
会社がやること
何が変わったか
雇用保険の給付額の上限・下限は、毎月勤労統計の平均給与額の増減に合わせて毎年8月1日に見直されます。2026年8月1日からの主な金額は次のとおりです(厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更」)。
基本手当日額(失業給付)
| 離職時の年齢 | 2026年7月31日まで | 2026年8月1日から |
|---|---|---|
| 30歳未満 | 7,255円 | 7,450円 |
| 30歳以上45歳未満 | 8,055円 | 8,270円 |
| 45歳以上60歳未満 | 8,870円 | 9,110円 |
| 60歳以上65歳未満 | 7,623円 | 7,830円 |
| 最低額(全年齢) | 2,411円 | 2,562円 |
最低額は、2026年4月1日時点の地域別最低賃金の全国加重平均額(1,121円)をもとにした最低賃金日額から計算されています。
育児休業等給付・介護休業給付・高年齢雇用継続給付
| 給付 | 2026年7月31日まで | 2026年8月1日から |
|---|---|---|
| 育児休業給付金の支給上限額(給付率67%) | 323,811円 | 332,454円 |
| 育児休業給付金の支給上限額(給付率50%) | 241,650円 | 248,100円 |
| 出生時育児休業給付金の支給上限額(給付率67%) | 302,223円 | 310,290円 |
| 出生後休業支援給付金の支給上限額(給付率13%) | 58,640円 | 60,205円 |
| 育児休業給付の休業開始時賃金月額の上限額 | 483,300円 | 496,200円 |
| 介護休業給付金の支給限度額 | 356,574円 | 366,222円 |
| 高年齢雇用継続給付の支給限度額 | 386,922円 | 397,369円 |
| 育児時短就業給付金の支給限度額 | 471,393円 | 484,121円 |
育児休業給付・介護休業給付の休業開始時賃金月額の下限額は、90,420円から96,090円になりました。
対象
給付を受ける従業員や離職者に直接関わる改定です。会社が新たに届け出るものはありませんが、従業員への説明や社内資料の金額に影響します。高年齢雇用継続給付と育児時短就業給付は、8月1日以後の支給対象期間から新しい限度額が適用されます。
会社がやること
- 問い合わせへの対応:育休中の従業員から「上限額はいくらか」と聞かれることがあります。新しい金額を確認しておきましょう
- 説明資料の更新:育休の手引きや退職時の説明資料に金額を載せている場合は、8月に更新します
- 継続給付の受給者:60歳以上で賃金が下がった従業員や時短勤務の従業員は、支給限度額の変更で給付額が変わる場合があります
育休の給付の流れは「育児休業給付の手続き」、退職者への説明は「失業給付の説明」で解説しています。
注意点
この記事に出てくる用語
- 育児休業
- 子を養育するために、原則として子が1歳になるまで取得できる休業です。育児・介護休業法にもとづき、保育所に入れないなどの場合は最長2歳まで延長できます。
- 育児休業給付
- 雇用保険の被保険者が育児休業を取ったときに支給される給付です。休業開始から180日までは賃金の67%、それ以降は50%が目安です。
- 介護休業
- 要介護状態にある家族を介護するための休業で、対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分割して取得できます。
- 介護休業給付
- 雇用保険の被保険者が家族の介護のために介護休業を取ったときに支給される給付です。休業開始時賃金の67%が目安で、対象家族1人につき93日まで支給されます。
- 高年齢雇用継続給付
- 60歳以降の賃金が60歳到達時点より大きく下がった人に、65歳になるまで雇用保険から支給される給付です。2025年4月から給付率が縮小されました。
- 雇用保険
- 労働者が失業したときや、育児・介護で休業したときなどに給付を行う公的保険です。週20時間以上働き、31日以上雇用見込みがある人が原則として加入します。
- 最低賃金
- 最低賃金法にもとづき国が定める賃金の最低額で、会社はこれ以上の賃金を支払う必要があります。都道府県ごとの地域別最低賃金と、特定の産業の特定最低賃金があります。
- 産後パパ育休
- 子の出生後8週間以内に、4週間(28日)まで取得できる育児休業です。法律上の名称は「出生時育児休業」で、通常の育児休業とは別に取得できます。
- ハローワーク
- 厚生労働省の公共職業安定所の愛称です。職業紹介や求人の受付のほか、雇用保険の加入・喪失や給付の手続きの窓口になっています。