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給与計算の「最後のチェック」を仕組みにする。Gozalに聞く、目視とExcelのダブルチェックから抜け出す方法

給与計算の結果が正しいかを確かめる「チェック」の工程を自動化するクラウドサービス「Gozal給与チェック」に、解決する課題、給与計算ソフトとの違い、社労士に委託している会社での使い方を聞きました。導入事例の数値の読み方と、検討時に確認したいポイントも編集部が整理します。

対象読者
給与計算のチェックに時間がかかっている、または担当者に依存している企業の労務責任者、管理部門の意思決定者、給与計算を受託する社会保険労務士
難易度
実務
所要時間
読了10分
最終確認日
給与計算の「最後のチェック」を仕組みにする。Gozalに聞く、目視とExcelのダブルチェックから抜け出す方法

この記事のポイント

  • Gozal給与チェックは、給与を「計算する」ソフトではなく、計算結果を「チェックする」ソフト。前月との差異の抽出、差異の原因の提示、賃金規程に沿った検算、異動情報からの連絡事項の自動起票を行い、最終確認は人が行う
  • 今使っている給与計算システムや、社労士への委託をそのまま残して導入できる。計算式の登録と計算テストは提供元が代行する
  • 公開事例では、ダスキンのシェアードサービスセンターが給与計算チェックの時間を約80%削減。導入前に、自社の賃金規程が整理されているか、データの取り込み方法、料金を確認したい

給与計算は、ソフトを入れれば計算そのものは自動で終わります。それでも締め日の後、担当者は前月のデータとExcelで見比べ、入社・退職・休職・昇給が正しく反映されているかを一人ずつ確かめています。社労士に計算を委託していても、そのまま振り込む会社は多くありません。最後のチェックは、人と表計算ソフトに残っているのが実情です。

今回は、このチェックの工程を自動化するクラウドサービス「Gozal給与チェック」を提供する株式会社Gozalに、どんな課題をどう解決するのかを聞きました。後半では、導入を判断する立場の方に向けて、事例の数値の読み方と、検討時に確認したいポイントを編集部が整理しています。

項目 内容
サービス名 Gozal給与チェック(クラウド型の給与計算チェックソフト)
提供会社 株式会社Gozal(2014年に株式会社BECとして創業、東京都目黒区)
主な対象 給与計算を自社で行う企業、社労士に委託して最終チェックを社内で行う企業、給与計算を受託する社労士事務所
できること 前月との金額差異の抽出、差異の原因の提示、賃金規程に沿った検算、想定値との突合、異動情報からの連絡事項(給与連絡票)の自動起票、システム間の項目の整合性チェック
導入支援 計算式の登録と計算テストを提供元が代行。Zoom・チャットでの定着支援あり
料金 公式サイトでは資料で案内【要確認:料金体系・初期費用・最低契約期間】

※ 上の表はGozal公式サイト、ヘルプセンターの記載と、新日本法規出版のセミナー講師紹介(いずれも2026年11月2日時点)をもとに編集部が整理したものです。

回答者:株式会社Gozal【要確認:回答者の氏名・役職】

ミスの原因は「人」ではなく「チェックの仕組み」にある

―― Gozal給与チェックを作ったきっかけを教えてください。

私たちはこれまで、100社以上の企業の労務業務を代行してきました。その中で見えてきたのは、給与計算のミスの多くが、担当者の不注意ではなく、プロセスやチェック体制の作りに原因があるということです。

チェックの観点が担当者の頭の中にしかなく、人が変わると精度も変わる。毎月同じように見えて、実際には毎月違う変動が起きる。この状態を、育成やダブルチェックの回数を増やすことで乗り切ろうとしても限界があります。チェックそのものを仕組みにする必要があると考えました。【要確認:給与チェックに特化した製品を作ると決めたきっかけを、ご本人の言葉で】

給与計算ソフトは「計算する」道具。確かめる工程は人に残っている

―― 給与計算の現場では、具体的にどんなことが起きていますか。

毎月、入社・退職・休職・雇用形態の変更・昇給・部署異動といった変動があります。担当者は締め日の後、前月の給与データをExcelに貼り付けて差額を出し、差がある社員について「なぜ変わったのか」を勤怠や人事の情報から調べます。日割り計算や残業代の反映漏れといった小さなミスは、こうした確認でしか見つかりません。

チェックできる人は限られていて、育つまでに時間がかかります。グループ会社ごとに就業規則が違えば、確認の内容も会社ごとに変わり、各社に人を張り付けざるを得なくなります。

―― 給与計算ソフトを入れても解決しないのでしょうか。

給与計算ソフトや勤怠システムは「計算するためのシステム」です。計算結果が正しいかどうかを確かめる工程は、別の担当者のダブルチェックや、担当者が作ったExcelに頼っているのが一般的です。Gozal給与チェックは、今お使いの給与計算システムを置き換えるものではなく、その横に置いてチェックの工程だけを仕組みにするソフトです。

―― 社労士に給与計算を委託している会社にも関係がありますか。

あります。外部に委託していても、賃金を正しく払う責任は会社にあります。そのため多くの会社が、委託先から届いた計算結果を社内で確認してから振り込んでいます。委託しても、このチェックの負担は減りません。

編集部注:使用者は、賃金をその全額、毎月1回以上、一定の期日に支払う義務を負います(労働基準法第24条)。計算ミスで未払いが出た場合、賃金請求権の時効は5年(当分の間は3年)で(同法第115条・第143条)、さかのぼって精算する範囲が大きくなることがあります(厚生労働省「未払賃金が請求できる期間などが延長されています」)。見つかった後の対応は「給与の過払い・未払いが見つかったときの対応」で整理しています。

前月との差を出し、原因を探し、規程どおりか検算する

―― Gozal給与チェックを一言で説明すると何ですか。

毎月の給与計算チェックを自動化するクラウド型のソフトウェアです。賃金規程に合わせてチェックのロジックを登録しておくと、ワンクリックで給与計算のミスや注意点を見つけられます。

―― 主な機能を教えてください。

中心になるのは次の4つです。

機能 Gozalがすること 人がすること
前月比較 前月と当月の給与データを比べ、金額が変わった社員と項目を自動で抜き出す 抜き出された項目を確認する
差異の原因の提示 社員データの変化(異動・休職・雇用形態の変更など)から、差が出た理由の候補を示す 理由が妥当かを判断する
検算 登録した計算式と条件分岐で「こうなるはず」という値を出し、計算結果と一致するかを判定する 不一致の行を確認し、修正するか、問題なしとして解決済みにする
給与連絡票 入社・退職・昇給などを検知して、給与計算で対応すべきことを自動で起票する。想定の金額を入れておけば、計算結果と自動で突き合わせる 連絡票に沿って給与計算システムを更新する

ほかに、給与計算システムと人事・勤怠システムなど、システム間で同じ項目の値がそろっているかを確かめる「項目間比較」もあります。

―― 判定はどのような仕組みになっているのですか。

計算結果の1行ごとに、Gozalが「こうなるはず」という比較値を決め、実際の値と比べます。比較値は、給与連絡票の想定値、異動などをきっかけにした検算、通常の検算、前月の値の順で優先して採用します。一致していれば「問題なし」、差があれば「要確認」と表示されます。差があっても理由を確認できたものは「解決済み」にして、確認の記録を残せます。

―― 他のサービスと比べて、いちばんの違いは何ですか。

給与の計算ではなく、チェックに特化していることです。給与計算システムを入れ替える必要がないので、自社で計算している会社でも、社労士に委託している会社でも、今の体制のまま使えます。

もう一つは、導入の負担を当社が引き受けることです。会社ごとの賃金規程に合わせた計算式の登録と、計算テストによる検証は当社が代行します。定着するまでは定期的なミーティングを行い、日々の細かな相談はチャットでお受けしています。

編集部注:提供元は「国内唯一のクラウド給与チェックソフト」と説明しています。編集部では同種のサービスの有無を網羅的には確認していません。前月比較だけであれば、表計算ソフトとAIで仕組みを作る方法もあります(「給与計算の前月比チェックをAIとスプレッドシートで」)。自社で作るか製品を使うかは、チェックの対象者数、規程の複雑さ、保守できる人がいるかで比べるとよいでしょう。

導入事例:グループ約30社の給与チェックの時間を約80%削減

―― 導入した企業では、どんな変化がありましたか。

株式会社ダスキンのシェアードサービスセンターでは、グループ約30社、約1万人規模の給与計算を集約しています。会社ごとに就業規則や制度が違い、チェックできるメンバーは限られた数名でした。担当者が計算した後に、別の担当者がダブルチェックする体制です。

まずグループ会社1社でPOC(概念実証)を行い、工数がどれだけ減るか、設定は難しくないか、複数社に広げられるか、想定していたエラーを正しく見つけられるかを確かめていただきました。

項目 結果
給与計算チェックの時間 約80%削減
給与計算業務全体の時間 約50%削減
ダブルチェック 別の担当者による確認の工程が不要に
利用範囲 4社で利用。翌年度13社、翌々年度22社(約5,000名)へ広げる計画

導入で特に時間がかかったのは、就業規則の解釈や会社独自のルールのすり合わせだったそうです。やり取りをメールから社内チャットに切り替えてから、設定の修正が一気に進みました。

―― 社労士に委託している会社の事例はありますか。

顧客データプラットフォーム「KARTE」を提供する株式会社プレイドは、給与計算を社労士に委託し、最終チェックを社内で行っています。以前は計算結果が届いてから3日間、集中してチェックしていました。今は社労士が計算している間に、Gozalで「こうなるはず」という値を先に作っておけるので、作業を前倒しできます。500名規模でも、全社員・全給与項目のチェックが1〜3分で終わると聞いています。

社労士事務所では、リードブレーン社会保険労務士法人と林戦略社会保険労務士事務所が導入しています。一度作ったチェックのルールを他の顧問先にも使えるため、事務所全体で確認の手順をそろえられる点が評価されました。

編集部注:数値と発言は、提供元が掲載している導入事例(ダスキン、プレイド)によるもので、導入企業自身による導入前との比較です。ダスキンの削減率は、ダブルチェックの工程がなくなった分を含みます。また、プレイドの事例の「導入から半年以上、給与計算ミスはゼロ」は、その期間にミスが発生しなかったという実績で、委託先の計算の精度なども含めた結果です。自社で効果を見積もるときは、今のチェックに誰が何時間かけているかを先に測っておくと比べやすくなります。

料金と導入の流れ

―― 料金の考え方を教えてください。

【要確認:料金体系(従業員数に応じた月額か)、初期費用、最低契約期間、無料トライアルの期間】

編集部注:公式サイトの特定商取引法に基づく表記では、販売価格は検討中の企業に提供する資料で案内するとされています。比較サイトには「従業員1名あたり月額590円(税抜)から」という掲載がありますが、編集部では提供元に確認できていません。

―― 導入はどのように進みますか。

  1. お問い合わせ・資料請求
  2. 無料トライアル
  3. 賃金規程に合わせた計算式の登録と、計算テストによる検証(当社が代行)
  4. 本番運用と、定着までの定期ミーティング・チャットでの相談対応

【要確認:標準的な導入期間、企業側で用意するもの(賃金規程、過去の給与データ、勤怠データなど)】

―― データはどのように取り込むのですか。

給与や従業員のデータは、CSVファイルまたはAPI連携で取り込みます。【要確認:API連携に対応している給与計算・勤怠・人事システムの製品名】

―― どんな会社に向いていますか。

従業員が100名を超え、毎月の変動が増えてきた会社、雇用形態や手当の種類が多い会社、グループ会社ごとに規程が違う会社です。給与計算を委託していて、届いた結果を社内で確認している会社にも合います。【要確認:向かないケース(従業員数が少ない、規程が整理されていないなど)】

従業員の給与データをどう守るか

―― 給与データの扱いについて教えてください。

2021年11月に情報セキュリティ方針を定め、全社で取り組んでいます。【要確認:ISMSなど第三者認証の有無、データの保管場所、アクセス権限の設定、委託先】

編集部注:従業員の給与データを外部のサービスで扱わせる場合、会社は委託先を必要かつ適切に監督する義務を負います(個人情報保護法第25条)。また、賃金台帳は会社が作成し、5年間(当分の間は3年間)保存する義務があります(労働基準法第108条・第109条・第143条)。チェックの記録をツールに残す場合も、賃金台帳そのものの作成・保存は給与計算システムなどで別に行う必要があります。

今後の展望

―― 今後、どのような展開を考えていますか。

導入企業からは、賞与や年末調整のチェック、勤怠や給与計算システムとのAPI連携の拡充を求める声をいただいています。機能はヘルプセンターのリリースノートで公開しながら、月に数回のペースで追加しています。2026年10月には、給与連絡票に指示メールのスクリーンショットやPDFを添付し、指示の原本を証跡として残せるようにしました。【要確認:今後の開発の方針】

―― 最後に、JIROSOの読者へメッセージをお願いします。

【要確認:代表者ご本人の言葉でいただく】

編集部まとめ:導入を検討するときに確認したいこと

Gozal給与チェックは、給与計算ソフトでもアウトソーシングでもなく、計算結果を確かめる工程を仕組みにし、人は差異の判断に集中するという考え方のサービスです。今の給与計算システムや委託先を変えずに足せるので、乗り換えの負担は小さいといえます。一方で、検算の精度は登録するロジック、つまり自社の賃金規程がどれだけ明確かに左右されます。

検討するときは、次の点を確認しておくと判断しやすくなります。

確認すること 見るポイント
今のチェックの工数 締め日の後、誰が何時間チェックに使っているか。ダブルチェックの有無
賃金規程 手当の支給条件、日割りや欠勤控除の計算方法が規程に書かれているか。解釈が人によって違う項目はないか
データの取り込み 使っている給与計算・勤怠システムから、CSVまたはAPIで必要なデータを出せるか
人が判断する範囲 「要確認」の行を誰が見て、誰が「解決済み」にするか。委託先の社労士との分担
料金 従業員数が増えたときの費用、初期費用、契約期間
データの扱い 給与データの保管場所、第三者認証、アクセス権限、解約時のデータ削除の方法

給与計算の月次の流れは「月次の給与計算の流れとチェックポイント」、日割りの計算方法を規程に書くときは「中途入社・欠勤の日割り計算と欠勤控除のルール」で詳しく解説しています。給与計算システム全体の選び方は「給与計算・労務管理クラウドの選び方」、委託先の選び方は「給与計算・労務手続きアウトソーシングの選び方」をご覧ください。規程を見直すときは、テンプレート「賃金規程」も使えます。

この記事は、提供元への取材と公開情報をもとに JIROSO 編集部が作成したものです。機能は2026年11月2日時点の内容で、最新の情報はGozal公式サイトでご確認ください。JIROSO は特定のサービスの導入を推奨するものではありません。

この記事で使えるテンプレート

DOCX 労務 賃金規程(ひな形・基本構成) 賃金の構成、基本給と諸手当、締切日・支払日、支払方法と控除、割増賃金の計算方法と割増率、欠勤・遅刻早退の控除、中途入退社の日割り、休業手当、非常時払い、昇給・賞与までを条文にした賃金規程のひな形です。金額や日付は空欄にしています。 DOCX 労務 賃金控除に関する協定書(24条協定) 労働基準法24条1項ただし書にもとづく賃金控除の労使協定書です。控除する項目を具体的に列挙する表、控除を行う賃金支払日(賞与を含むか)、有効期間・自動更新、過半数代表者の選出方法の記入欄を付けています。

この記事に出てくる用語

休職
病気やけがなどで働けない社員について、労働契約を続けたまま一定期間、労働義務を免除する制度です。法律上の義務ではなく、会社が就業規則で内容を決めます。
就業規則
労働時間・賃金・退職などの労働条件や職場のルールを定めた規則です。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、作成して労働基準監督署に届け出る義務があります。
賃金台帳
労働者ごとに賃金計算の基礎となる事項や支払額を記録する帳簿で、労働基準法で作成と保存が義務づけられています。法定三帳簿の一つです。
年末調整
会社が、1年間に給与から源泉徴収した所得税の合計額と、その年の給与総額にもとづく本来の年税額との過不足を、年末に精算する手続です。
ビジネスメール詐欺
取引先や自社の経営者になりすましたメールで、振込先の変更や至急の送金を依頼し、お金をだまし取る詐欺です。英語の略称からBECとも呼ばれます。

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出典・参考資料

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