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OJT計画表と習熟度チェックリストをAIで作る:業務の洗い出しから到達目標・確認方法まで

OJT(職場で仕事をしながら行う指導)は、計画がないと指導担当者によって教える内容がばらつきます。生成AIで担当業務を洗い出し、週ごとの到達目標と習熟度チェックリストの下書きを作る手順を、プロンプト例つきで解説します。個人の評価や個人情報を入力しない注意点もまとめます。

対象読者
新入社員や中途入社者のOJT(職場での実務指導)の計画づくりを任された、従業員30〜300名の企業の人事担当者・現場の指導担当者
難易度
実務
所要時間
読了8分
最終確認日

この記事のポイント

  • OJT計画は「業務の一覧」「到達目標と時期」「確認の方法」の3点で作る。AIには業務の分解と目標・確認項目の下書きを任せる
  • AIに渡すのは職務の説明と業務の手順だけ。新入社員の氏名・評価・健康情報・マイナンバーなどの個人情報は入力しない
  • 到達の判断は指導担当者が実際の仕事ぶりで行う。AIの下書きは現場の担当者と一緒に直してから使う

「OJTは現場に任せている」という会社は少なくありません。ただ、計画がないと、指導担当者が忙しい時期は教えることが後回しになり、教える順番や範囲も人によって変わります。新人が「何ができれば一人前なのか」分からないまま、不安を抱えることにもつながります。OJTを含む訓練には、厚生労働省の「人材開発支援助成金」の対象となるコースもあります。

この記事では、生成AIを使ってOJT計画表と習熟度チェックリストを下書きする手順を紹介します。入社後の受け入れ全体は「オンボーディングの進め方」、指導役の仕組みは「メンター制度の作り方」を参照してください。

OJT計画に入れる3つの要素

OJT計画は、次の3つがそろえば十分に機能します。

要素 内容 例
業務の一覧 担当する業務を、教えられる単位に分ける 「請求書の発行」を「データ確認」「作成」「承認依頼」「送付」に分ける
到達目標と時期 いつまでに、どの水準でできればよいか 3週目:手順書を見ながら一人で作成できる
確認の方法 誰が、何を見て到達を判断するか 指導担当者が5件分の作成結果を確認する

到達の水準は「見学した」「手順書を見ながらできる」「一人でできる」「人に教えられる」のような段階で書くと、本人も指導担当者も進み具合をつかみやすくなります。厚生労働省の「職業能力評価基準」には、業種・職種ごとに求められる能力の例が整理されているので、業務の洗い出しの参考になります。

入力しない情報

  • 入力しない:新入社員の氏名・年齢・経歴、指導担当者が書いた評価やコメント、健康状態や配慮事項、マイナンバー(個人情報保護委員会の注意喚起も参照)
  • 注意する:取引先名や社内システムの画面、顧客データが写った手順書。そのまま貼らず、一般化した説明に置き換える
  • 入力してよい形:職務の説明、業務の流れ、使うツールの種類(「会計ソフト」「勤怠システム」など)

AIに作らせるのは「この職務の新人向けの計画」です。特定の個人に向けた計画にする調整は、社内で人が行います。

手順1:担当業務を洗い出す

まず、配属先の職務を説明し、業務を分解してもらいます。職務記述書がある場合は、その内容(個人情報を含まない部分)を使うと精度が上がります。

あなたは中小企業の人事担当者を支援するアシスタントです。
当社の経理課(4名)に、来月、経理未経験の中途社員が配属されます。
担当予定の職務は「売掛金の管理」「請求書の発行」「経費精算の確認」「月次決算の補助」です。

それぞれの職務を、新人に教えられる単位の業務(1つ30分〜2時間程度で説明できるもの)に分解し、
表にしてください。列は「職務」「業務」「前提として必要な知識」「教える順番の目安」とします。
当社の固有のルールは分からないので、確認が必要な点は「要確認」と書いてください。

出てきた表は、指導担当者に見せて、抜けている業務や、自社では行っていない業務を直してもらいます。「要確認」と書かれた点は、社内の手順書や規程で確認します。

手順2:週ごとの到達目標を作る

業務の一覧ができたら、時期ごとの到達目標を作ります。

上の業務一覧をもとに、入社後12週間のOJT計画表を作ってください。
条件:
- 列は「週」「業務」「到達目標(見学/手順書を見ながら/一人で/人に教えられる の4段階)」「指導担当」「確認の方法」
- 月末・月初の繁忙期(第4週・第8週・第12週)は新しい業務を入れない
- 1週あたりの新しい業務は3つまで
- 月次決算の補助は、8週目以降に見学から始める

「繁忙期は新しい業務を入れない」「1週あたり3つまで」のように、現場の事情を条件として書くのがポイントです。条件がないと、AIは理想的すぎる計画を作りがちです。入社後90日の全体像は「入社オンボーディング計画表」と組み合わせると管理しやすくなります。

手順3:習熟度チェックリストを作る

到達を判断するためのチェックリストを作ります。「理解している」のようなあいまいな表現を避け、見て確かめられる行動で書くよう指示します。

OJT計画表の各業務について、到達を確認するためのチェック項目を2〜3個ずつ作ってください。
条件:
- 「〜を理解している」ではなく、「〜ができる」「〜を説明できる」のように、見て確かめられる表現にする
- 正しくできたかを確認する方法(成果物の確認、口頭での説明など)を添える

チェック項目の例は次のようになります。

  • □ 請求書発行の前に、受注データと契約条件の金額を照合できる
  • □ 請求書の記載事項(発行者・登録番号・税率ごとの金額など)を、手順書を見ずに説明できる
  • □ 誤りがあった場合の訂正の手順を、手順書の該当箇所を示して説明できる

業務の内容に法令や税務の要件が関わる場合は、AIの書いた要件を国税庁などの一次情報で確認してから載せます。

運用のポイント

タイミング やること
毎週 指導担当者と新人が15分ほど、チェックリストを見ながら進み具合を確認する
4週目・8週目 人事が計画との差を確認し、遅れがあれば業務量や順番を見直す
12週目 到達状況を振り返り、次の3か月の目標を決める
計画の終了後 指導担当者の意見をもとに、計画表とチェックリストを改訂する

計画が遅れても、新人の能力の問題とは限りません。指導担当者の業務が多すぎる、手順書がない、といった原因が多いので、計画の見直しは仕組みの改善として扱います。研修全体の年間計画は「研修計画の立て方」、手順書づくりは「業務マニュアルをAIで作る」も参考になります。

指導担当者の負担を減らす工夫

OJTがうまくいかない原因の多くは、指導担当者が自分の仕事と指導を両立できないことです。計画づくりの段階で、次の点を決めておきます。

工夫 内容
指導の時間を業務として扱う 週の指導時間の目安(例:最初の4週は1日1時間)を決め、上司が業務量を調整する
説明は手順書に任せる 繰り返し説明する内容は手順書にし、指導担当者は質問への回答と確認に集中する
教える人を分ける 業務ごとに指導担当を分け、1人に負担が集中しないようにする
質問の受け方を決める 「午前と午後に1回ずつまとめて聞く」など、質問の時間を決めておく

AIは、新人がよくする質問への回答例をまとめる用途にも使えます。過去に出た質問を一般化して箇条書きにし、「手順書のどこに追記すればよいか」を相談すると、手順書の改善につながります。

まとめ

  • OJT計画は「業務の一覧」「到達目標と時期」「確認の方法」の3点で作る
  • AIには業務の分解、週ごとの計画、チェック項目の下書きを任せ、現場の事情は条件として指示する
  • 新入社員の氏名・評価・健康情報・マイナンバーなどの個人情報は入力しない。到達の判断は指導担当者が行う

OJT計画や教育の記録づくりに、AIをどう取り入れるか相談したいときは、Otsumu株式会社のAIツール診断をご利用ください。

この記事で使えるテンプレート

CSV 人事 入社オンボーディング計画表(30-60-90日) 入社後30日・60日・90日の到達目標と、やること・担当者・期限・完了状況を管理する計画表です。人事・上長・メンター(育成担当)で役割分担を共有し、中途入社者の早期定着を支えます。 CSV 人事 年間研修計画表 1年間の社内研修・外部研修を一覧で計画し、実施結果まで記録できる表です。法定の教育と任意の研修を分け、対象者・時期・講師・費用・助成金の活用予定・受講実績を1行で管理できます。

この記事に出てくる用語

職務記述書
ポジションごとに、職務の目的、主な業務、責任の範囲、求める知識・スキルなどを書いた文書です。採用・評価・等級の基礎資料として使われます。
マイナンバー
住民票を持つすべての人に1人1つ指定される12桁の番号です。会社は社会保障・税・災害対策の法定の手続に限って従業員などのマイナンバーを取り扱えます。

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出典・参考資料

この業務、AIでどこまで減らせるか診断します。Otsumu の「AIツール診断」で、自社の業務フローから自動化できる作業を洗い出します。

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