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インターンシップのプログラムをAIで設計する:5日間の日程表、就業体験の課題、フィードバックシートの下書き

5日間以上のインターンシップは、日程表、就業体験の課題、社員による指導とフィードバックの準備が必要です。三省合意の要件を押さえたうえで、生成AIを使って日程表・課題・フィードバックシートの下書きを作り、受入れ部署と確かめる手順を、プロンプト例つきで解説します。

対象読者
初めて5日間以上のインターンシップを企画する、または1日の仕事体験から内容を広げたい、従業員30〜300名の企業の人事・採用担当者
難易度
実務
所要時間
読了8分
最終確認日

この記事のポイント

  • AIには、受入れ部署の業務の記述をもとに、日程表、就業体験の課題、フィードバックシートの下書きを作らせる
  • タイプ3の要件を満たすかの確認、学生に実務を任せる範囲(労働者にあたるかどうか)、受入れの可否は人が判断する
  • 応募した学生の氏名・大学・エントリーシートの内容などの個人情報はAIに入力しない。プログラムの設計にだけ使う

1日の会社説明や職場見学なら準備しやすくても、5日間以上のインターンシップとなると、日程表、就業体験の課題、社員の指導役、最終日のフィードバックまで用意する必要があります。少人数の人事では、企画書を作るだけで手が止まりがちです。

この記事では、生成AIを使ってインターンシップのプログラムの下書きを作る手順を紹介します。インターンシップの種類や要件、学生が労働者にあたる場合の扱いは「中小企業のインターンシップの始め方」で解説しています。

先に押さえる要件

文部科学省・厚生労働省・経済産業省の「基本的考え方」(三省合意)では、汎用的能力・専門活用型インターンシップ(タイプ3)の基準として、次のような要件が示されています。

要件 プログラム設計への影響
就業体験要件 実施期間の半分を超える日数を職場での就業体験に充てる
指導要件 職場の社員が学生を指導し、終了後にフィードバックを行う
実施期間要件 汎用的能力活用型は5日間以上、専門活用型は2週間以上
実施時期要件 学部3・4年、修士1・2年の長期休暇期間に行う(大学の正課などを除く)
情報開示要件 募集要項に、就業体験の内容やフィードバック、学生情報を活用する旨などを記載して公表する

AIに下書きを頼むときも、この要件をプロンプトに書いて条件にします。要件を満たすかどうかの最終確認は、人事が三省合意の本文で行います。

AIに任せること・任せないこと

作業 AIの使い方 人が行うこと
日程表の下書き ○ 日数と就業体験の割合を条件に作らせる 受入れ部署と日程・人員を調整する
就業体験の課題 ○ 業務の記述から、学生が取り組める課題の案を出させる 実務を任せすぎていないか確認する
フィードバックシート ○ 評価の観点と記入欄の案を作らせる 指導役の社員と観点をすり合わせる
募集要項の文章 ○ 情報開示要件の項目に沿って文章化させる 内容が実際のプログラムと一致しているか確認する
学生が労働者にあたるかの判断 使わない 実態に基づいて人事が判断する

入力しない情報

  • 入力しない:応募した学生の氏名、大学名、連絡先、エントリーシートの内容、選考の評価、マイナンバーなどの個人情報
  • 注意する:指導役の社員の氏名や評価。プログラム設計には役割だけを書けば足りる
  • 入力してよい形:「営業部(6名)。既存顧客への提案資料づくりと、展示会の準備を担当」のような業務の記述

学生のエントリーシートをAIで要約・評価する使い方は、公正な採用選考の観点からも慎重な検討が必要です(→採用選考でAIを使うときの注意点)。

手順1:日程表を作る

あなたは中小企業の採用担当者を支援するアシスタントです。
当社(従業員90名、産業用部品の商社)で、大学3年生向けの
5日間のインターンシップの日程表を作ってください。

条件:
- 5日間のうち3日以上を、職場での就業体験に充てる
- 初日はオリエンテーションと安全・情報管理の説明を入れる
- 最終日に、社員から学生へのフィードバックの時間を入れる
- 受入れ部署は営業部と物流部。業務の内容は下記のとおり
- 1日の時間は10:00〜16:00、昼休憩1時間

(受入れ部署の業務の記述を貼る)

出てきた日程表は、受入れ部署の繁忙期や会議の予定と照らし合わせて直します。

手順2:就業体験の課題を作る

手順1の日程表の就業体験の日について、学生が取り組む課題の案を
1日1つずつ作ってください。
- 社員の仕事を見学・同行したうえで、学生が自分で考えて
  まとめる形にする
- 会社の売上や取引に直接影響する作業(顧客への送付、受発注の入力など)は
  課題にしない
- 課題ごとに、指導役の社員が確認するポイントを書く

「売上や取引に直接影響する作業は課題にしない」と書くのは、学生に実務を任せすぎると、労働者にあたると判断される可能性が出てくるためです。三省合意も、使用従属関係があると認められる場合などには労働関係法令が適用される場合があることに留意するよう求めています(厚生労働省リーフレットも参照)(→労働基準法の「労働者」とは)。実務を担当させる設計にするなら、有給のアルバイトとして雇用することを前提に考えます。

手順3:フィードバックシートを作る

5日間のインターンシップの最終日に、指導役の社員が学生に渡す
フィードバックシートの様式を作ってください。
- 観点:課題への取り組み、情報の整理、周囲への質問・相談、
  発表の分かりやすさ
- 観点ごとに「良かった点」「伸ばすとよい点」の記入欄
- 点数や合否の欄は設けない
- 最後に、社員からの一言メッセージ欄

フィードバックは、学生が自分の能力を見極める材料として渡すものです。点数づけより、具体的な行動に基づくコメントが役に立ちます。指導役の社員には、事前に観点をそろえておきます。

手順4:募集要項の文章を作る

次のプログラムの内容をもとに、インターンシップの募集要項の文章を
作ってください。次の項目をすべて含め、項目にない内容は書き足さないでください。
趣旨、実施時期・期間・場所、募集人数、選抜方法、無給/有給、
就業体験の内容、就業体験を行う際に必要な能力、フィードバックの方法、
取得した学生情報を活用する旨(活用する場合)、実施計画、
インターンシップの実施に係る実績概要(過去2〜3年程度・あれば)、
採用選考活動等の実績概要

募集要項は会社のホームページなどで公表します。AIが書き足した表現が実際のプログラムと違っていないか、受入れ部署と一緒に確認してください。

実施前に確認すること

  • □ 就業体験の日数が実施期間の半分を超えているか
  • □ 指導役の社員が決まり、フィードバックの時間が日程に入っているか
  • □ 学生に任せる作業が、見学・同行・課題の範囲にとどまっているか
  • □ けがをしたときの保険の扱いと、ハラスメント防止の説明を準備したか
  • □ 学生情報の扱い(保存期間・閲覧できる人)を決めたか

よくある失敗

失敗 起きること 防ぎ方
説明会や見学を5日間並べる 就業体験の日数が足りず、タイプ3の要件を満たさない 日程表の段階で就業体験の日数を数える
学生に社員と同じ作業を任せる 労働者と判断され、賃金や労災の扱いが問題になる 見学・同行・課題の範囲にとどめるか、雇用契約を結ぶ
指導役を当日に決める 学生が放置され、フィードバックの中身が薄くなる 事前に指導役を決め、課題と観点を共有する
AIが書いた募集要項をそのまま公開する 実際のプログラムと違う内容が載る 受入れ部署と読み合わせてから公開する

まとめ

  • インターンシップのプログラムは、三省合意の要件を条件としてプロンプトに書き、AIで日程表・課題・フィードバックシート・募集要項の下書きを作る
  • 学生に任せる作業の範囲と、労働者にあたるかの判断は人が行う
  • フィードバックは点数より具体的なコメントで返す。指導役と観点をそろえる
  • 応募した学生の氏名やエントリーシートの内容などの個人情報はAIに入力しない

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この記事で使えるテンプレート

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この記事に出てくる用語

公正採用選考
応募者の適性と能力だけを基準に採用を決める、という厚生労働省が示す採用選考の考え方です。本籍・家族・思想信条など、本人に責任のない事項や本来自由であるべき事項で判断しないことを求めています。
マイナンバー
住民票を持つすべての人に1人1つ指定される12桁の番号です。会社は社会保障・税・災害対策の法定の手続に限って従業員などのマイナンバーを取り扱えます。

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出典・参考資料

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