令和8年版 過労死等防止対策白書が公表 11月は過労死等防止啓発月間
政府は2026年10月9日、「令和8年版 過労死等防止対策白書」を閣議決定し公表しました。11月は過労死等防止啓発月間で、過重労働解消キャンペーンとして重点監督や無料の電話相談が行われます。会社が今のうちに確認したいことをまとめました。
- 対象読者
- 長時間労働やメンタルヘルス対策を担当する人事・労務担当者
- 難易度
- 基本
- 所要時間
- 読了4分
- 最終確認日
この記事のポイント
- 2026年10月9日に「令和8年版 過労死等防止対策白書」が閣議決定・公表された。重点業種の調査分析などを掲載
- 11月は過労死等防止啓発月間。長時間労働が疑われる事業場への重点監督が行われる
- 11月7日(土)に「過重労働解消相談ダイヤル」で無料の電話相談が実施される
政府は2026年10月9日、過労死等防止対策推進法にもとづく年次報告「令和8年版 過労死等防止対策白書」を閣議決定し、厚生労働省が公表しました。また、11月は「過労死等防止啓発月間」で、「過重労働解消キャンペーン」として重点監督や無料の電話相談が行われます。
白書のポイント
白書は毎年国会に報告されるもので、今回が11回目です。令和7年度の状況について、主に次の内容が掲載されています。
- 過労死等に関する労災請求件数が増えている要因の分析
- 重点業種等(自動車運転従事者、教職員、IT産業、外食産業、医療、建設業、メディア業界、芸術・芸能分野)の労災認定事案の状況
- 建設業、自動車運転従事者、IT産業で働く人へのアンケート調査の結果
- 長時間労働の削減、メンタルヘルス対策・ハラスメント対策など、令和7年度の取組の状況
- 重点業種等の企業・団体による働き方改革の事例(コラム)
「過労死等」とは、業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡、業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡、またはこれらの疾患・精神障害をいいます。具体的な数値は、白書の全体版・概要版で確認できます。
11月の過重労働解消キャンペーン
| 取組 | 内容 |
|---|---|
| 重点監督 | 長時間の過重労働が疑われる事業場などへの監督指導 |
| 無料電話相談 | 2026年11月7日(土)9:00〜17:00「過重労働解消相談ダイヤル」0120-794-713(労働基準監督官が対応) |
| 常設の相談窓口 | 「労働条件相談ほっとライン」0120-811-610 |
| シンポジウム | 全国47都道府県・48会場で過労死等防止対策推進シンポジウム(参加無料・事前申込制) |
| セミナー | 2026年10月〜12月に無料の「過重労働解消のためのセミナー」 |
会社が確認したいこと
キャンペーン期間に限らず、長時間労働の把握と是正は会社の基本的な義務です。この機会に次の点を確認しておきましょう。
- 労働時間の客観的な把握:タイムカードやPCログなどで記録しているか。管理監督者を含めて把握が必要です(労働時間の適正な把握)
- 36協定の上限:時間外労働が協定の範囲内か、特別条項の回数・時間を超えていないか(36協定の記事)
- 医師による面接指導:時間外・休日労働が月80時間を超え、疲労の蓄積がある人から申し出があった場合は、医師の面接指導を行う必要があります
- 相談しやすい環境:メンタルヘルスやハラスメントの相談窓口が機能しているか
まとめ
白書の公表と11月の啓発月間は、自社の労働時間管理を見直すよいタイミングです。まずは直近数か月の残業時間を部署別・個人別に確認し、長時間労働が続いている人がいれば、業務量の調整と面接指導の案内を進めましょう。
この記事に出てくる用語
- 管理監督者
- 労働基準法の労働時間・休憩・休日の規定が適用されない「監督若しくは管理の地位にある者」です。役職名ではなく、職務内容・権限・待遇の実態で判断されます。
- 36協定
- 法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて残業させたり、法定休日に働かせたりするために、会社と労働者の過半数代表が結び、労働基準監督署に届け出る労使協定です。
- 時間外労働
- 法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える労働のことです。36協定の締結・届出と、25%以上の割増賃金の支払いが必要です。
- 面接指導
- 長時間労働などで疲労が蓄積した労働者や、ストレスチェックで高ストレスと判定された労働者に、医師が面談して必要な指導を行うことです。