登記事項証明書・印鑑証明書の取り方|種類の選び方、オンライン請求の手数料、印鑑カードの管理
契約や入札、金融機関の手続きでよく求められる会社の登記事項証明書と印鑑証明書。4種類の登記事項証明書の違いと選び方、書面請求とオンライン請求の手数料(2025年4月改定後)、印鑑証明書の請求に必要な印鑑カードの管理、登記情報提供サービスとの違い、取得の記録の残し方を法務省の案内で整理します。
- 対象読者
- 従業員30〜300名の企業で、契約や官公庁手続きに使う会社の証明書を取得・管理する総務担当者
- 難易度
- 基本
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この記事のポイント
- 登記事項証明書は履歴事項・現在事項・閉鎖事項・代表者事項の4種類。提出先の指定がなければ、通常は履歴事項証明書で対応できる
- 手数料は2025年4月1日から、登記事項証明書が書面請求600円・オンライン請求で送付520円・窓口受取490円、印鑑証明書が書面請求500円・オンライン送付450円・窓口受取420円
- 会社の印鑑証明書は会社代表者しか請求できない(代理人による請求は可)。書面で請求するときは印鑑カードが必要。オンライン請求には電子証明書が必要。印鑑カードは代表者印と同じレベルで管理する
「取引先から、履歴事項全部証明書と印鑑証明書を1通ずつ出してほしいと言われた」「入札の参加申請に登記簿謄本が必要」。総務には、会社の証明書を取り寄せる依頼が定期的に来ます。
証明書の種類を間違えて取り直したり、印鑑カードの所在が分からなくなったりすると、手続きが止まってしまいます。この記事では、会社の証明書の取り方と管理のポイントを整理します。
登記事項証明書の4つの種類
登記事項証明書は、法務局のコンピュータに記録された会社の登記事項を証明する書面で、手数料を納めれば誰でも取得できます。いわゆる「登記簿謄本」に当たるものです。
| 種類 | 記載される内容 | 主な使い道 |
|---|---|---|
| 履歴事項証明書 | 現在効力のある事項に加え、交付日の3年前の日の属する年の1月1日から請求の日までに抹消された事項など | 取引先・金融機関・官公庁への提出全般。従来の登記簿謄本に相当 |
| 現在事項証明書 | 現在効力のある事項、役員の就任年月日、直前の商号・本店の変更に関する事項など | 現在の内容だけを示せばよいとき |
| 閉鎖事項証明書 | 閉鎖された登記記録の事項 | 古い役員の経歴、本店移転前の記録の確認 |
| 代表者事項証明書 | 代表者の代表権に関する事項で、現に効力を有するもの | 代表者の資格を証明する(資格証明書の代わり)とき |
それぞれ「全部」と「一部」(必要な区の部分だけ)の証明があります。法務省のQ&Aでは、どの証明書が必要かは提出先によって異なるため事前に確認し、通常は履歴事項証明書で対応できると案内されています。
依頼を受けたら「種類(履歴事項全部証明書など)」「通数」「発行後何か月以内のものが必要か」を確認してから請求しましょう。提出先が有効期限を指定していることが多く、取り置きの証明書が使えないことがあります。
印鑑証明書
会社の印鑑証明書は、法務局に届け出た代表者印(会社実印)の印影を証明するものです。重要な契約や不動産取引、金融機関の手続きなどで、契約書に押した印と合わせて求められます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 請求できる人 | 会社代表者本人に限られる(代理人による請求は可) |
| 書面で請求する場合 | 法務局が会社代表者に交付している印鑑カードを登記所に持参または送付する |
| オンラインで請求する場合 | 電子証明書(商業登記電子証明書、マイナンバーカードの公的個人認証など)による電子署名が必要。窓口で受け取る場合は印鑑カードを持参する |
代表者印の届出や押印のルールは印章管理と押印規程で解説しています。
手数料(2025年4月1日以降)
| 証明書 | 書面請求 | オンライン請求・送付 | オンライン請求・窓口交付 |
|---|---|---|---|
| 登記事項証明書 | 600円 | 520円 | 490円 |
| 印鑑証明書 | 500円 | 450円 | 420円 |
オンライン請求は手数料が安く、インターネットバンキングなどで納付できるため収入印紙も不要です。書面請求では収入印紙で納めます。郵送で書留や速達を選ぶと実費がかかる場合があります。最新の金額と受付時間は法務省の案内で確認してください。
請求の方法
| 方法 | 手順 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 窓口で書面請求 | 登記所で請求書に記入し、収入印紙を貼って提出 | 急ぎで、近くに登記所がある |
| 郵送で書面請求 | 請求書・収入印紙・返信用封筒を登記所に送る | オンラインの環境がない |
| オンライン請求・送付 | 「登記・供託オンライン申請システム」から請求し、電子納付。指定した住所に郵送される | 急がない請求。手数料を抑えたい |
| オンライン請求・窓口交付 | オンラインで請求し、指定した登記所や法務局証明サービスセンターで受け取る | 早く受け取りたい |
オンライン請求の登録や操作は、慣れてしまえば窓口に行くより早く済みます。電子申請全般の準備は社会保険・労働保険の電子申請も参考にしてください。
登記情報提供サービスとの違い
登記情報提供サービスでは、登記されている情報をパソコンの画面で確認できます。ただし、登記事項証明書は交付されません。取引先の登記内容を社内で確認したいだけなら登記情報提供サービス、提出が必要なら登記事項証明書、と使い分けます(取引先の確認は新規取引先の確認と与信管理を参照)。
管理のポイント
印鑑カードは代表者印と同じレベルで管理する
印鑑カードがあれば、会社の印鑑証明書を取得できます。代表者印と印鑑証明書がそろうと、会社名義の重要な契約を結べてしまいます。
- 代表者印と印鑑カードは別々の場所に保管する
- 持ち出しは管理簿に記録する(→印章管理簿)
- 紛失したら、速やかに法務局で廃止の手続をとる
取得の記録を残す
| 記録する項目 | 例 |
|---|---|
| 取得日 | 2026-10-28 |
| 種類・通数 | 履歴事項全部証明書 2通、印鑑証明書 1通 |
| 依頼者・用途 | 営業部・〇〇社との基本契約 |
| 提出先 | 株式会社〇〇 |
| 費用 | 1,490円(オンライン請求・送付) |
印鑑証明書は、誰に、何のために渡したかを記録しておきます。不要になった証明書は、個人情報(代表者の住所など)を含むため、シュレッダーで廃棄します(→文書管理と保存期間)。
登記の変更後は取り直す
役員の変更や本店移転の登記をした後は、古い証明書が使えなくなります。変更登記の後は新しい証明書を取得し、取引先や金融機関への届出に使います(→役員変更・本店移転などの登記)。
まとめ
- 登記事項証明書は4種類。提出先に種類・通数・有効期限を確認し、指定がなければ履歴事項証明書を選ぶ
- オンライン請求なら登記事項証明書は送付520円・窓口受取490円で、書面請求の600円より安い
- 会社の印鑑証明書は代表者のみ請求でき、書面請求には印鑑カードが必要。カードは代表者印と同じく厳重に管理する
- 取得・提出の記録を残し、登記の変更後は取り直す