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会社のドメイン名の管理|登録者名義・更新期限・失効したときの影響、co.jpの社名変更とSSL証明書の更新

会社のドメイン名が更新切れで失効すると、ホームページもメールも止まり、第三者に取得されるおそれもあります。登録者名義と管理事業者の確認、更新期限の管理、co.jpドメインの1組織1つのルールと社名変更・合併時の扱い、失効後の回復期間、SSL証明書の有効期間短縮への備えを、JPRSの規則などで整理します。

対象読者
会社のホームページやメールのドメイン名を誰が契約しているのか分からないまま引き継いだ、情シス兼任の総務担当者
難易度
実務
所要時間
読了7分
最終確認日

この記事のポイント

  • まず、ドメイン名の登録者(名義)が会社になっているか、どの事業者(レジストラ・指定事業者)で管理しているか、更新期限と支払方法を確認し、台帳に記録する。制作会社や元社員の個人名義は会社名義に移す
  • co.jpなど属性型JPドメイン名は原則1組織1つで、登録期間は1年ごとに更新される。社名変更・合併・事業譲渡のときは2つ目の登録や移転が認められている。廃止の届出で廃止されたドメイン名は、廃止日の翌日から20日間に限り登録回復を申請できる
  • SSL/TLSサーバー証明書の最長有効期間は、業界団体の決定により2026年3月から段階的に短縮され、2029年3月には47日になる予定。手作業の更新に頼らず、自動更新の仕組みと担当者の引継ぎを整える

ドメイン名(example.co.jp など)は、ホームページとメールの住所にあたります。契約は年に1回の更新で目立たないため、担当者の退職や制作会社の廃業をきっかけに「誰が管理しているのか分からない」状態になりがちです。更新を忘れて失効すると、ホームページもメールも止まります。

この記事では、JPドメイン名の登録・管理を行う株式会社日本レジストリサービス(JPRS)の規則などをもとに、ドメイン名の棚卸し、更新期限の管理、社名変更時の扱い、SSL証明書の更新を整理します。なお、「.jp」などのレジストリの業務は、電気通信事業法上のドメイン名電気通信役務として総務省の制度の対象になっています(総務省「ドメイン名電気通信役務の信頼性等の確保」)。なりすましメール対策のドメイン設定はなりすましメール・ビジネスメール詐欺の対策を参照してください。

まず確認する5項目

項目 確認方法 よくある問題
登録者(名義) 管理事業者の管理画面、登録情報 制作会社、元社員の個人名義になっている
管理事業者 請求書、管理画面のログイン先 制作会社がまとめて契約していて会社から見えない
登録期間の満了日 管理画面、更新通知メール 通知の宛先が退職者のメールアドレス
支払方法 請求書、クレジットカードの明細 個人カードで払われていた、カードの有効期限切れ
DNSの設定先 管理画面のネームサーバ設定 誰がDNSを変更できるか分からない

これらをIT資産管理台帳や契約書管理台帳に記録し、管理画面のログイン情報は会社のパスワード管理で保管します(パスワード・多要素認証の社内ルール)。

登録者が制作会社や個人になっていると、トラブルが起きたときに会社が権利を主張しにくくなります。名義を会社に変更する手続は、管理事業者を通じて行います。

co.jpドメイン名のルール

JPRSの「属性型(組織種別型)・地域型JPドメイン名登録等に関する規則」には、co.jpなどの属性型JPドメイン名について次の定めがあります。

項目 規則の内容
申請者 組織の代表者が申請し、登録に関する一切の事項について権利を有し義務を負う(第6条第2項)
登録できる数 1組織について1つ(第9条第1項)
2つ目が認められる場合 ドメイン名の変更、合併・事業譲渡による移転、組織名変更による新たな登録など(第9条第2項)
登録期間 登録原簿の記載が完了した月の翌年対応月末日まで。その後1年ごとに継続(第10条の2)
設立前・社名変更前 組織の成立前や組織名の変更前でも仮登録を申請できる(第21条)
記載事項の変更 登録原簿の記載事項に変更が生じたら届け出る(第28条)
登録資格の喪失 組織が登録資格を失ったときは廃止を届け出る(第26条第2項)

社名変更・本店移転・合併のとき

  • 社名変更:新しい社名のドメイン名を追加で登録できる。旧ドメイン名もしばらく併用し、メールの移行期間を設ける
  • 本店移転・代表者の変更:登録原簿の記載事項の変更を届け出る
  • 合併・事業譲渡:移転の手続が必要。統合後に残すドメイン名を決める

登記の変更とあわせて、ドメイン名の登録情報も変更する手順に入れておきます(役員変更・本店移転など登記の変更手続き)。

更新を忘れて失効したら

JPドメイン名

規則第26条の2は、廃止の届出(第26条第1項)などにより廃止されたドメイン名について、廃止時の登録者が廃止の日の翌日から20日間に限り登録回復を申請できると定めています。申請は管理事業者を経由して行い、この期間を過ぎた申請は受理されません。更新しなかった場合にどの時点で廃止の手続が取られるかは管理事業者の規約によるため、自社の管理事業者で確認しておきます。

.comなどの汎用ドメイン名

.comなどの汎用トップレベルドメインは、ICANNが示すライフサイクルと、管理事業者の規約によって、失効後の猶予期間や回復の費用が決まります。管理事業者の規約を確認しておきます。

失効の影響

影響 内容
ホームページ 表示されなくなる
メール 送受信できなくなる。取引先からのメールが届かない
第三者による取得 回復期間を過ぎると、他者が同じドメイン名を登録できる。旧ドメイン宛のメールを受け取られるおそれ
各種サービス ドメイン名で認証しているクラウドサービスにログインできない

使わなくなったドメイン名を手放した場合も同じ問題が起きます。愛知県は、事業終了に伴い閉鎖したサイトのドメイン名が第三者に取得されたとして、そのサイトは県と無関係であり、ID・パスワードの入力を求められても入力しないよう注意を呼びかけています。キャンペーンサイトなどのドメイン名を廃止するときは、自社サイトや印刷物に残っているリンクを先に削除し、一定期間は保有を続けるかを検討します。

更新は自動更新に設定し、通知の宛先は個人ではなく総務の共有アドレスにします。

SSL/TLSサーバー証明書の更新

ホームページを「https」で表示するためのサーバー証明書にも有効期間があります。ブラウザ事業者と認証局でつくるCA/Browser Forumは、証明書の最長有効期間を398日から段階的に短縮し、2026年3月から始めて2029年3月に47日にする決定をしています。

  • 年1回の手作業の更新では間に合わなくなる。サーバーやホスティング事業者の自動更新の仕組みを確認する
  • 制作会社やホスティング事業者に、証明書の更新を誰が行うかを確認し、契約書や台帳に書いておく

引継ぎと年1回の点検

時期 やること
担当者の交代時 管理画面のログイン情報、通知先、支払方法を引き継ぐ(一人総務の引き継ぎ書)
毎年 ドメイン名の一覧と満了日、使っていないドメイン名の廃止、証明書の更新状況を確認
社名変更・移転時 登録情報の変更、新ドメイン名の取得

まとめ

  • ドメイン名の登録者・管理事業者・満了日・支払方法・DNSの設定先を台帳にまとめ、名義は会社にする
  • co.jpは原則1組織1つ。社名変更や合併の際は追加の登録や移転ができる。登録情報の変更も忘れずに届け出る
  • JPドメイン名は、廃止の届出で廃止された場合、廃止後20日間に限り登録回復を申請できる。自動更新と共有アドレスでの通知で失効を防ぐ
  • SSL証明書の有効期間は2029年3月に47日まで短縮される予定。自動更新の仕組みと担当を確認する

この記事で使えるテンプレート

CSV 総務 IT資産・SaaSアカウント管理台帳 PC・スマートフォンなどの端末と、会社で契約しているSaaS(クラウドサービス)のアカウントを1つの台帳で管理するシートです。利用者、管理者権限、多要素認証、契約更新日、月額費用、退職時の返却・削除日を記録し、退職者アカウントの消し忘れや不要な契約の放置を防ぎます。 CSV 総務 契約書管理台帳 取引先との契約書を一覧で管理する台帳です。契約期間・自動更新の有無・解約予告期限・保管場所(紙/電子)・印紙の有無・担当部署を記録し、更新や解約の判断漏れを防ぎます。

出典・参考資料

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