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制服・作業服(ユニフォーム)の調達方法の選び方|購入とレンタルの比較、費用負担・着替え時間・課税の確認ポイント

制服や作業服は、買い取って支給するか、クリーニング込みのレンタルにするかで、費用の出方も管理の手間も変わります。特定の業者に偏らずに、調達方法の比較、業者選びの確認項目と、費用の社員負担を就業規則に定める必要、着替え時間の扱い、制服支給の課税の考え方、安全上の着用義務まで、総務が押さえておくことを整理します。

対象読者
制服・作業服の入れ替えや調達先の見直しを任された、従業員30〜300名の企業の総務担当者
難易度
基本
所要時間
読了8分
最終確認日

この記事のポイント

  • 調達方法は大きく「購入して支給・貸与」と「業者からのレンタル(洗濯・補修込みが多い)」。人数の増減、洗濯の衛生管理の必要性、デザインの独自性で向き不向きが分かれる
  • 制服の費用を社員に負担させるなら就業規則に定める(労働基準法第89条第5号)。給与からの天引きには労使協定が必要。着用を義務づけた制服への事業場内での着替えは労働時間に当たる
  • 職場で勤務中だけ着る制服・事務服を、その職場の全員などに支給・貸与する場合は非課税の扱いがある一方、背広など私服にも使えるものは給与として課税される(国税庁の質疑応答事例)

制服や作業服は、毎年の入社・退職のたびに発注・回収が発生し、サイズ交換や破損の対応も地味に手間がかかります。デザインの変更や業者の見直しを機に、調達方法そのものを考え直す会社もあります。

この記事では、制服・作業服(ユニフォーム)の調達方法の選び方を、特定の業者に偏らずに整理します。身だしなみのルール全体は身だしなみ・服装ルールの決め方で解説しています。

調達方法の種類

方法 内容 向いている場面
購入して支給(社員の所有) 会社が購入して社員に渡す。洗濯・管理は社員 人数が少なく入れ替わりも少ない。私物と区別しやすいデザイン
購入して貸与(会社の所有) 会社が所有し、退職時に回収する 再利用したい、退職時の悪用を防ぎたい
レンタル(洗濯・補修込みが多い) 業者が所有し、定期的に回収・洗濯して届ける 食品・医療・介護など衛生管理が必要、人数の増減が多い
社員が指定の服を自分で購入 色や種類だけを指定する 内勤のオフィスカジュアル程度

レンタルは、洗濯・補修・サイズ交換を業者に任せられる一方、長期で見ると購入より費用がかかる場合もあります。どの方法が安いかは、人数、入れ替わりの頻度、洗濯の要否で変わるため、見積もりを同じ条件で比べます。

法律・税務で確かめること

論点 考え方 根拠
費用を社員に負担させる 作業用品などを社員に負担させる定めをする場合は、就業規則に定める 労働基準法第89条第5号
費用を給与から天引きする 法令に定めがあるもの以外の控除には労使協定が必要 労働基準法第24条第1項ただし書
制服への着替えの時間 着用を義務づけた所定の服装への事業場内での着替えは労働時間 労働時間適正把握ガイドライン
安全上の着用義務 動力で動く機械に頭髪や被服が巻き込まれるおそれがあるときは、適当な作業帽・作業服を着用させる 労働安全衛生規則第110条
支給の課税 勤務場所で通常の職務を行う上で着用し私用に着用できない事務服・作業服などを、職場の全員または一定の仕事に従事する全員に支給・貸与する場合は非課税とされる。背広など私服にも使えるものは給与として課税 国税庁 質疑応答事例

調達方法を変えると、着替えの場所(更衣室で着替えるか、自宅から着てくるか)が変わることもあります。着替えの時間とタイムカードの打刻の順番もあわせて見直します(研修・出張移動・待機・健康診断は労働時間か)。天引きの協定は賃金控除協定で解説しています。

課税の考え方をもう少し詳しく

国税庁の質疑応答事例は、制服等の支給を非課税とする理由を、使用者の業務上の必要に基づく給付で、社員の役務提供の対価という性格がきわめて薄いためと説明しています。そのうえで、事務服・作業服などが非課税とされるためには、次の点が必要と考えられるとしています。

  • もっぱら勤務する場所で通常の職務を行う上で着用するもので、私用には着用しない、または着用できないものであること
  • その職場に属する者の全員、または一定の仕事に従事する者の全員を対象として支給・貸与されること
  • (さらに厳格にいえば)着用者が一見して特定の雇用主の従業員だと判別できるものであること

オフィスカジュアルの「制服」として市販のジャケットやシャツを支給する場合は、私服としても着られるため、この要件を満たさない可能性があります。デザインを選ぶ段階で、ロゴの有無や形状も含めて検討し、判断に迷う場合は税務署や税理士に確認します。

業者選びの確認項目

観点 確認すること
品ぞろえ 職種ごとに必要な機能(防汚・難燃・帯電防止・ストレッチなど)があるか。性別で分けない、または選べるデザインがあるか
サイズ サイズの幅、試着用サンプルの貸出、交換の条件
納期 新入社員の入社に間に合うか。追加発注の最小ロットと納期
在庫・継続性 同じ型を何年供給できるか。廃番時の対応
洗濯・補修(レンタルの場合) 回収・納品の頻度、紛失・破損時の費用負担
名入れ・ロゴ 社名の刺しゅうなどの費用と、退職時に回収する場合の扱い
管理の仕組み 誰に何を何着渡したかを管理できる一覧や、発注の窓口
契約 契約期間、中途解約の条件、最低利用期間

料金の体系(1着あたりの価格、レンタルの月額、名入れなどのオプション)は業者ごとに異なります。見積もりは、人数・着数・入れ替え頻度をそろえ、オプションを含めた年間の総額で比べます。

見積もりをそろえて比べる

購入とレンタルは費用の出方が違うため、見積もりの条件をそろえないと比べられません。次のような表に、各社の見積もりを書き写して比べます。

比較する費用 購入の場合 レンタルの場合
初期費用 本体の購入費、名入れ・ロゴの版代 初回の導入費(ある場合)
毎年の費用 入社・サイズ交換・破損による追加購入 月額または1着あたりのレンタル料
洗濯・補修 社員負担またはクリーニング代 料金に含まれるかを確認
管理の手間 在庫・配布・回収の社内作業 回収・納品の受け渡し
契約終了時 在庫の処分 中途解約の費用、返却の条件

社内の作業時間も費用の一部です。発注・在庫管理・配布・回収に毎月どれだけ時間を使っているかを書き出しておくと、レンタルや管理の仕組みを使う価値を判断しやすくなります。

社内で決めておくこと

調達方法とあわせて、次のルールを服務規律や附属規程に書いておきます。

  1. 着用の対象となる職種と、着用する場面
  2. 支給・貸与の着数と、追加・交換の手続き
  3. 費用の負担(会社負担か、一部負担か。負担させる場合は就業規則に定める)
  4. 洗濯・保管の方法(衛生管理が必要な職場では持ち帰り禁止など)
  5. 退職時の返却と、返却しない場合の扱い
  6. 健康上・宗教上の理由などで着用が難しい場合の相談窓口

退職時の回収は、退職手続きのチェックリストに入れておくと漏れません(退職手続きチェックリスト)。

導入・切り替えの手順

  1. 職種ごとに必要な機能と着数、着替えの場所を整理する
  2. 調達方法(購入・レンタル)の候補を決め、複数の業者から同じ条件で見積もりを取る
  3. サンプルで試着し、現場の意見を聞く
  4. 費用負担・返却などのルールを決め、必要に応じて就業規則を変更する
  5. 社員に新しいルールと切り替えの時期を周知する

就業規則を変更する場合の手順は就業規則の作成・変更と届出を参照してください。

まとめ

  • 調達方法は購入(支給・貸与)とレンタルが中心。人数の増減、衛生管理、デザインで選ぶ
  • 費用を社員に負担させるなら就業規則に定め、天引きには労使協定が必要。着用義務のある制服への事業場内での着替えは労働時間
  • 職場で勤務中だけ着る制服・作業服の支給には非課税の扱いがあるが、私服にも使えるものは課税される
  • 業者は、品ぞろえ・サイズ・納期・継続性・管理の仕組み・契約条件を同じ条件の見積もりで比べる

この記事に出てくる用語

就業規則
労働時間・賃金・退職などの労働条件や職場のルールを定めた規則です。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、作成して労働基準監督署に届け出る義務があります。
労使協定
会社と、労働者の過半数で組織する労働組合(ない場合は過半数代表者)との間で結ぶ書面の協定です。法律の原則を例外的に変える効果があります。

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出典・参考資料

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