下請法が「取適法(中小受託取引適正化法)」に 従業員基準の追加・手形払の禁止など
2026年1月1日、下請法が改正され「取適法」になりました。資本金基準に加えて従業員基準(300人/100人)が加わり、運送委託が対象取引に追加されたほか、手形払と、協議に応じない一方的な代金決定が禁止されました。
施行日
2026年1月1日
施行済
- 対象企業
- 製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託・特定運送委託を発注する事業者(資本金基準または従業員基準で判定)
- 根拠法令
- 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(中小受託取引適正化法・取適法。下請代金支払遅延等防止法の改正)
- 対応期限
- 施行済み。2026年1月1日以降に発注する取引から手形払は不可
- 最終確認日
- 2026年10月29日
会社がやること
何が変わったか
下請代金支払遅延等防止法(下請法)の改正法が2026年1月1日に施行され、法律名が「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(略称:中小受託取引適正化法、通称:取適法)に変わりました。用語も「親事業者」は「委託事業者」、「下請事業者」は「中小受託事業者」、「下請代金」は「製造委託等代金」に改められています。
| 項目 | 改正前(下請法) | 2026年1月1日から(取適法) |
|---|---|---|
| 規模の基準 | 資本金のみ | 資本金に加え従業員基準(常時使用する従業員300人/100人)を追加 |
| 対象取引 | 製造・修理・情報成果物作成・役務提供の委託 | 発荷主が運送事業者に物品の運送を委託する取引(特定運送委託)を追加 |
| 手形払 | 割引困難な手形の交付を禁止 | 対象取引での手形払を禁止(支払遅延に該当)。電子記録債権・ファクタリングなども、支払期日までに満額の現金を得ることが難しいものは禁止 |
| 代金の決定 | 買いたたきの禁止 | 協議に応じない一方的な代金決定の禁止を追加 |
| 執行 | 公正取引委員会・中小企業庁 | 事業所管省庁の主務大臣にも指導・助言の権限 |
対象になる会社
取適法は「取引の内容」と「規模の基準」の組み合わせで適用されます。中小企業庁・公正取引委員会の説明資料では、規模の基準は次のとおりです。
① 製造委託・修理委託・特定運送委託、情報成果物作成委託(プログラム)、役務提供委託(運送・倉庫保管・情報処理)
| 委託事業者 | 中小受託事業者 |
|---|---|
| 資本金3億円超 | 資本金3億円以下(個人含む) |
| 資本金1千万円超3億円以下 | 資本金1千万円以下(個人含む) |
| 常時使用する従業員300人超(新設) | 常時使用する従業員300人以下(個人含む) |
② ①以外の情報成果物作成委託・役務提供委託
| 委託事業者 | 中小受託事業者 |
|---|---|
| 資本金5千万円超 | 資本金5千万円以下(個人含む) |
| 資本金1千万円超5千万円以下 | 資本金1千万円以下(個人含む) |
| 常時使用する従業員100人超(新設) | 常時使用する従業員100人以下(個人含む) |
資本金が小さい会社でも、従業員数が多ければ委託事業者になり得ます。従業員100〜300人規模の会社は、改正で新たに対象になっていないか確認が必要です。
会社がやること
- 該当性の確認:自社と委託先の資本金・従業員数、取引の内容から、取適法の対象取引かを判定します
- 発注書の見直し:発注内容の明示(発注書の交付)、取引記録の作成・保存(2年)が義務です。様式を改正後の内容に合わせます
- 支払条件の点検:支払期日は受領後60日以内に定める必要があります。手形払をやめ、振込などへの切替えを経理と調整します
- 価格協議への対応:委託先から代金の協議を求められたら、協議に応じ、必要な説明や情報提供を行います。協議の経過は記録に残しておきます
契約書の確認の手順は「業務委託契約書を総務がチェックする観点」で詳しく解説しています。