育児・介護休業法改正(第1段階)子の看護等休暇の拡大・介護離職防止措置の義務化
2025年4月から、子の看護等休暇の対象拡大、残業免除の対象拡大、介護に直面した従業員への個別周知・意向確認や40歳時点の情報提供などが義務化されました。就業規則の改定が必要です。
施行日
2025年4月1日
施行済
- 対象企業
- 全企業(育児休業取得状況の公表義務は常時雇用する労働者300人超の企業)
- 根拠法令
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(令和6年改正)
- 対応期限
- 施行済み。就業規則・労使協定の見直しが未了なら早急に
- 最終確認日
- 2026年10月29日
会社がやること
何が変わったか
令和6年の育児・介護休業法改正は、2025年4月1日と2025年10月1日の2段階で施行されました。このページは2025年4月1日施行分です(10月施行分は柔軟な働き方を実現するための措置の義務化を参照)。
| 項目 | 改正前 | 2025年4月から |
|---|---|---|
| 子の看護休暇の対象 | 小学校就学前まで | 小学校3年生修了まで(名称も「子の看護等休暇」に) |
| 子の看護等休暇の取得事由 | 病気・けが、予防接種・健康診断 | 感染症に伴う学級閉鎖等、入園(入学)式・卒園式を追加 |
| 看護等休暇・介護休暇の労使協定除外 | 週2日以下・継続雇用6か月未満を除外可 | 継続雇用6か月未満の除外を廃止 |
| 残業免除(所定外労働の制限) | 3歳未満の子を養育 | 小学校就学前の子を養育 |
| 短時間勤務の代替措置 | 育休に準ずる措置・始業時刻の変更等 | テレワークを追加 |
| 育児・介護のためのテレワーク | 規定なし | 努力義務 |
| 育休取得状況の公表義務 | 1,000人超 | 300人超 |
| 介護離職防止の雇用環境整備 | 規定なし | 研修・相談窓口等のいずれかが義務 |
| 介護の個別周知・意向確認 | 規定なし | 申出時の個別周知・意向確認と、40歳時点の情報提供が義務 |
厚生労働省のリーフレットのとおり、取得可能日数(年5日、子が2人以上は10日)は変わっていません。
対象
育児休業取得状況の公表を除き、規模を問わず全企業が対象です。公表義務は常時雇用する労働者が300人を超える企業に広がりました。
会社がやること
- 就業規則の改定:子の看護等休暇の対象年齢・取得事由、残業免除の対象範囲を改正後の内容に書き換えます
- 労使協定の見直し:「入社6か月未満の者を除く」とする条項は無効になるため削除します
- 介護の雇用環境整備:①研修、②相談窓口の設置、③取得事例の収集・提供、④利用促進方針の周知のうち、いずれか1つ以上を実施します(複数が望ましいとされています)
- 個別周知・意向確認:介護に直面した旨の申出があった従業員に、制度内容・申出先・介護休業給付金について、面談や書面で個別に知らせ、利用の意向を確認します
- 40歳時点の情報提供:40歳に達する年度、または40歳の誕生日から1年間のいずれかの期間に、介護両立支援制度の情報を提供します
注意点
- 個別周知や意向確認の場で、取得や利用を控えさせるような働きかけは認められません
- 厚生労働省は、個別周知・意向確認や情報提供に使える様式例を公開しています。社内用にアレンジして使うと手間を減らせます
- 2025年10月施行分(柔軟な働き方の措置、個別の意向聴取)と合わせて就業規則を一度に見直すと効率的です
この記事に出てくる用語
- 育児休業
- 子を養育するために、原則として子が1歳になるまで取得できる休業です。育児・介護休業法にもとづき、保育所に入れないなどの場合は最長2歳まで延長できます。
- 介護休暇
- 要介護状態の家族の介護や世話のために、年5日(対象家族が2人以上なら年10日)まで取得できる休暇です。時間単位でも取得できます。
- 介護休業給付
- 雇用保険の被保険者が家族の介護のために介護休業を取ったときに支給される給付です。休業開始時賃金の67%が目安で、対象家族1人につき93日まで支給されます。
- 子の看護等休暇
- 小学校3年生修了までの子の看護、予防接種、学級閉鎖、入園式などの行事参加のために、年5日(子が2人以上なら年10日)まで取得できる休暇です。
- 個別周知・意向確認
- 妊娠・出産や介護に直面したことを申し出た従業員に対して、会社が両立支援制度を個別に知らせ、利用の意向を確認する義務です。
- 就業規則
- 労働時間・賃金・退職などの労働条件や職場のルールを定めた規則です。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、作成して労働基準監督署に届け出る義務があります。
- 短時間勤務制度
- 3歳に満たない子を養育する労働者などが申し出たときに、1日の所定労働時間を原則6時間に短縮する制度です。育児・介護休業法で会社に義務づけられています。
- 労使協定
- 会社と、労働者の過半数で組織する労働組合(ない場合は過半数代表者)との間で結ぶ書面の協定です。法律の原則を例外的に変える効果があります。