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1on1ミーティングの準備をAIで支援する:質問リスト・アジェンダ・記録の要約を管理職に配る手順

1on1ミーティングの準備を生成AIで支援する方法を解説します。テーマ別の質問リストの作り方、部下が事前に書くアジェンダの型、記録の要約と次回への引き継ぎ、管理職向けの配布資料の作り方、健康や家庭の話題・個人情報をAIに入力しない注意点までまとめます。

対象読者
1on1ミーティングを社内に広めたい、従業員30〜300名の企業の人事担当者
難易度
基本
所要時間
読了8分
最終確認日

この記事のポイント

  • AIは「テーマ別の質問リスト」「アジェンダの型」「管理職が自分で書いたメモの要約」に使う。面談そのものと、部下への対応の判断は人が行う
  • 部下の氏名、評価、健康・家庭・ハラスメントに関わる話、マイナンバーなどの個人情報はAIに入力しない。要約するのは管理職の手元の「行動メモ」に限る
  • 人事は質問リストとプロンプトを「配布パック」にして管理職に渡し、記録の扱い(誰が見るか・保存期間)を先に決めておく

1on1ミーティングを導入しても、「何を話せばいいか分からない」「毎回、業務の進捗確認で終わる」という声は多く聞かれます。人事が管理職一人ひとりを支援する時間は限られています。

この記事では、1on1の準備を生成AIで支援し、管理職が自分で回せる状態をつくる手順を紹介します。1on1の目的や進め方の基本は「1on1ミーティングの始め方」を先に確認してください。

AIを使う場面と使わない場面

1on1は、部下が安心して話せることが前提です。AIは「準備」と「振り返り」の補助に限定します。

場面 AIを使う 使わない
準備 テーマ別の質問案、アジェンダの型 特定の部下の性格や評価をAIに分析させる
面談中 ― 録音して自動で要約する(部下が話しにくくなる)
振り返り 管理職が書いた行動メモの整理 部下の発言をそのまま貼り付けて要約させる
フォロー 次回までのやることの一覧化 健康・家庭の相談への対応方法をAIだけで決める

面談中の録音や自動要約は、部下にとって「記録に残るなら本音は言えない」と感じさせる原因になります。使う場合でも、事前に目的と保存の扱いを説明し、断れる形にします。

手順1:入力しない情報をルールにする

管理職がAIを使うときに迷わないよう、人事が先に線を引いておきます。

  • 入力しない:部下の氏名、社員番号、評価や査定の内容、健康状態・通院・家族の介護や育児の事情、ハラスメントの相談内容、マイナンバー
  • 入力してよい例:「入社2年目の営業職」「初めて後輩の指導を担当」など、個人を特定できない程度の状況
  • 相談につなぐもの:体調不良やハラスメントの訴えが出た場合は、AIに相談せず人事・産業医の窓口へつなぐ(メンタルヘルスの4つのケア、ハラスメント防止対策)

社内のAI利用ルールがまだない場合は、「生成AIの社内利用ガイドラインのつくり方」で入力禁止情報を決めてから展開します。

手順2:テーマ別の質問リストを作る

人事がAIを使って、テーマ別の質問リストを作ります。

あなたは中小企業の人事担当者です。
管理職向けに、1on1ミーティングで使う質問リストを作ってください。

テーマ:①仕事の進め方の悩み ②キャリア・成長 ③チームでの関係
④働き方・業務量 ⑤最近うまくいったこと
条件:
- 各テーマ5問、はい・いいえで終わらない聞き方にする
- 部下を問い詰める・評価する印象の質問は入れない
- プライベート(家族構成・恋愛・健康状態など)を直接聞く質問は入れない
- 管理職がそのまま読める、短い話し言葉にする

出てきた質問から、自社の管理職が使いやすいものを人事が選び、30問程度に絞ります。「業務量が多すぎないか」など働き方に関わる質問は、長時間労働の兆しを早めに見つけることにもつながります。

手順3:部下が事前に書くアジェンダの型を作る

1on1を部下のための時間にするには、話したいことを部下が事前に書く形が効果的です。AIに型を作らせ、人事が調整します。

1on1の前日に部下が記入する、3分で書ける事前メモの型を作ってください。
項目は4つまで。選択式と自由記述を組み合わせてください。
「特に話したいことはない」も選べるようにしてください。

型は記録シートとセットにすると運用しやすくなります。記録には「1on1ミーティング記録シート」が使えます。

手順4:管理職の行動メモを整理する

1on1の後、管理職は「自分が次にやること」を短くメモします。部下の発言そのものではなく、管理職の行動を書くのがポイントです。

次は、1on1後に私(管理職)が書いたメモです。部下の個人情報は含みません。
①次回までに私がやること ②次回確認すること ③人事に相談すること
の3つに分けて箇条書きにしてください。メモにない内容は加えないでください。

メモ:
・資料作成の時間が足りないと話していた → 月次報告の様式を見直す
・後輩指導の進め方に迷い → 来週、指導の流れを一緒に整理
・次回:見直した様式で作業時間が減ったか確認

「人事に相談すること」に分類されたものは、その日のうちに人事へ連絡するルールにしておきます。

管理職向け「配布パック」にまとめる

人事は、ここまでの成果物を1つにまとめて管理職へ配ります。

中身 内容
1on1の目的と頻度 「評価の場ではない」こと、月1回30分など
質問リスト テーマ別に30問程度
事前メモの型・記録シート 部下用・管理職用
AIのプロンプト例 手順4の行動メモ整理用
入力禁止情報と相談窓口 健康・ハラスメントの話が出たときの連絡先
記録の扱い 誰が見るか、保存期間、人事評価に使わないか

記録の扱いは特に重要です。1on1の記録を人事評価に使うかどうかを決めずに始めると、部下が本音を話さなくなります。評価との関係は「人事評価のフィードバックコメントをAIで下書きする」の考え方も参考にしてください。

よくある失敗と防ぎ方

失敗 起きること 防ぎ方
質問リストを上から順に読み上げる 尋問のようになり、部下が話しにくくなる 1回に使う質問は2〜3問。部下の事前メモを優先する
部下の発言をAIに貼り付けて要約する 個人の悩みや健康の話がAIに入力される 要約するのは管理職の行動メモだけにする
AIの助言をそのまま部下に伝える 状況に合わない一般論になり、信頼を損なう AIは準備の材料として使い、伝える内容は管理職が決める
記録を評価面談で使う 部下が本音を話さなくなる 記録の用途と閲覧者を事前に決めて説明する
業務の進捗確認だけで終わる 1on1の時間が定例会議と同じになる 進捗は別の場で確認し、1on1は部下の話を聞く時間にする

人事が続けてフォローすること

配布パックを渡したら終わりではなく、3か月ほどは人事が様子を確認します。

  • 実施率(予定どおり実施できているか)を部署ごとに確認する
  • 管理職から「使いにくかった質問」「部下の反応がよかった質問」を集め、質問リストを更新する
  • 新任の管理職には、配布パックの説明を1回30分程度で行う(新任管理職向けの労務Q&A集をAIで作る)

まとめ

  • AIは質問リスト、事前メモの型、管理職の行動メモの整理に使い、面談と判断は人が行う
  • 部下の氏名・評価・健康や家庭の事情・ハラスメントの相談・マイナンバーはAIに入力しない
  • 健康やハラスメントの話が出たら、AIではなく人事・産業医の窓口へつなぐ
  • 人事は質問リスト・型・プロンプト・記録の扱いを配布パックにして管理職に渡す

1on1や人材育成の運用を、AIでどこまで効率化できるか相談したいときは、Otsumu株式会社のAIツール診断をご利用ください。

この記事で使えるテンプレート

CSV 人事 1on1ミーティング記録シート 上長と部下の1on1ミーティングを1回1行で記録するシートです。テーマ、本人が話したこと、上長からの支援、次回までのアクション、コンディションを残し、継続的な対話と人事評価・面談の材料に使えます。

出典・参考資料

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