損害発生時の事実確認書(備品の破損・紛失、誤発注、取引上のミスの経過と損害額の記録)【無料テンプレート】
業務中のミスや事故で会社に損害が出たときに、何が起きたか、損害の内容と金額、会社の管理体制や保険の状況を記録するためのひな形です。当事者の報告と人事の確認を分けて書き、損害の負担を検討する前の判断材料と再発防止策をまとめます。給与からの一方的な控除や賠償額の予定ができないことの確認欄も付けています。
- 形式
- DOCX
- 使う場面
- 社員の業務中のミスや事故で、会社の備品の破損・紛失、誤発注などの損害が出たとき
- 最終確認日
- 2026年10月29日
無料でダウンロード
メールアドレスを入力すると、すぐにダウンロードできます。
このテンプレートについて
社員が業務中に社用のパソコンを壊した、発注数を誤って返品できない在庫が出た、といった場面では、経営者から「本人に弁償させてほしい」と言われることがあります。民法上は、債務不履行(第415条)や不法行為(第709条)として損害賠償を請求できる余地があります。しかし最高裁は、茨石事件(昭和51年7月8日判決)で、会社が社員に請求できるのは、事業の性格・規模、業務の内容、加害行為の態様、加害行為の予防や損失の分散についての会社の配慮の程度などに照らし、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度に限られるとしました。
そのため、請求するかどうかを考える前に、何が起きたのか、損害はいくらか、会社の確認体制や保険はどうだったか、という事実を整理しておく必要があります。このテンプレートは、その事実を記録するためのものです。当事者の報告と、人事・総務が確認した事実を分けて書く構成にしています。
主な目的は事実の確認と再発防止で、本人に負担を求めるための書面ではありません。
使い方
- 損害が出たら、当事者は「1. 当事者の報告」をできるだけ早く記入し、所属長に提出します。けが人がいる場合や交通事故の場合は、救護、警察への報告、労災の手続きを優先します。
- 所属長と人事・総務は、記録・写真・見積書などの裏づけを集め、「2. 確認した事実」と「3. 損害の内容と金額」を書きます。本人の説明と食い違う点は、両方を記録します。
- 「4. 会社の管理体制・保険」で、確認の仕組み、マニュアル、教育、保険の補償の有無を確認します。裁判例では、こうした会社側の事情も考慮されます。
- 「5. 再発防止策」を決め、実施の期限と担当を書きます。
- 「6. 今後の対応の検討」は人事が記入します。給与から一方的に差し引くことはできないこと、賠償額をあらかじめ決めておくことはできないことを確認したうえで、対応を決めます。
記入時の注意
- 給与から一方的に控除しない:賃金は全額を支払うのが原則です(労働基準法第24条)。損害賠償の請求権と賃金を会社が一方的に相殺することは、全額払いの原則に反するとされています(関西精機事件)。本人の同意による精算でも、同意が自由な意思に基づくと認められる合理的な理由が必要です(日新製鋼事件)。
- 賠償額の予定は禁止:「破損したら〇円」と事前に決めることは、労働基準法第16条で禁止されています。
- 懲戒の減給と混同しない:懲戒処分の減給には、1回の額が平均賃金の1日分の半額以内などの上限があります(労働基準法第91条)。損害賠償とは別のものです。
- 責める場にしない:報告が遅れるほうが、会社の損害は大きくなります。
内容のプレビュー
損害発生時の事実確認書
管理番号:______ 作成日:____年__月__日
1. 当事者の報告(当事者記入)
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 報告者 | 所属______ 氏名________ |
| 発生日時 | ____年__月__日__時__分ごろ |
| 発生場所 | __________ |
| 何をしていたときか | ____________________ |
| 何が起きたか | ____________________ |
| 気づいた時点と最初にとった対応 | ____________________ |
| 報告した相手と時刻 | ________ __時__分 |
| けが人の有無 | □なし □あり(救護・労災の手続きを優先) |
| 第三者(取引先・通行人など)への影響 | □なし □あり(内容:________) |
2. 確認した事実(所属長・人事記入)
| 日時 | 出来事 | 誰の説明か | 裏づけ(記録・写真・画面など) |
|---|---|---|---|
| __月__日__時 | __________ | ____ | ________ |
| __月__日__時 | __________ | ____ | ________ |
| __月__日__時 | __________ | ____ | ________ |
本人の説明と食い違う点:____________________
未確認の点:____________________
3. 損害の内容と金額
| 損害の内容 | 金額 | 根拠(見積書・請求書など) | 保険・補償での回収 |
|---|---|---|---|
| ________ | ____円 | ________ | □あり(____円) □なし □確認中 |
| ________ | ____円 | ________ | □あり(____円) □なし □確認中 |
| 合計 | ____円 | 回収後の実損害:____円 |
4. 会社の管理体制・保険
| 確認項目 | 状況 |
|---|---|
| 作業の手順・マニュアルがあったか | □あり □なし □あったが周知されていなかった |
| 確認の仕組み(ダブルチェックなど)があったか | □あり □なし |
| 当事者は必要な教育・説明を受けていたか | □受けていた □受けていなかった □不明 |
| 業務量・人員の状況(繁忙・人手不足など) | __________ |
| 貸与品の持ち出し・保管のルールがあったか | □あり □なし □該当しない |
| 損害を補償する保険・保証の加入状況 | □加入(保険名:______) □未加入 |
| 過去に同じ種類のミス・事故があったか | □なし □あり(__件) |
5. 再発防止策
| 対策 | 担当 | 期限 | 実施の確認 |
|---|---|---|---|
| __________ | ____ | __月__日 | □ |
| __________ | ____ | __月__日 | □ |
| __________ | ____ | __月__日 | □ |
6. 今後の対応の検討(人事記入)
| 確認項目 | 確認 |
|---|---|
| 給与から一方的に差し引かないことを確認した(労働基準法第24条) | □ |
| 「破損したら〇円」など賠償額をあらかじめ決めた定めを根拠にしていない(労働基準法第16条) | □ |
| ミスの程度を確認した:□通常の過失 □重大な過失 □故意・不正の疑い | □ |
| 会社側の事情(体制・教育・保険)を考慮した | □ |
| 懲戒の検討が必要か:□不要 □必要(懲戒の手続きは別に進める) | □ |
対応の結論:□再発防止と指導で対応する □本人と負担について話し合う(根拠と金額を示し、検討の時間をとる) □その他(________)
検討者:________ 承認者:________ 日付:____年__月__日