事業所の水道管の凍結・破裂を防ぐ|マイナス4度が目安、年末年始休業前の水抜きと保温、破裂したときの止水と修理の依頼先
冬の冷え込みで水道管が凍ると、水が出なくなるだけでなく、破裂して漏水や設備の水損につながります。年末年始の長期休業中は気づくのが遅れがちです。自治体の水道局の案内をもとに、凍結しやすい場所、休業前の水抜きと保温、凍ったときの解かし方、破裂したときの止水と指定給水装置工事事業者への依頼、費用負担の考え方を整理します。
- 対象読者
- 寒冷地や郊外に工場・倉庫・営業所を持つ従業員30〜300名の企業の総務担当者
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- 基本
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- 読了6分
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この記事のポイント
- 最低気温がマイナス4度以下になる日は特に注意。北向き・日陰・風当たりの強い屋外・むき出しの水道管が凍りやすい
- 年末年始のように長く使わないときは、メーターボックス内の止水栓を閉めて水抜きをする。屋外の配管は保温材で包む
- 破裂したら止水栓(補助バルブ)を閉め、市町村の指定給水装置工事事業者に修理を依頼する。宅地内の給水装置の修理費用は原則として所有者・使用者の負担
冬の朝、工場の手洗い場や倉庫のトイレで水が出ない――水道管の凍結は、寒冷地だけでなく、内陸や郊外の事業所でも起きます。特に年末年始の休業中は暖房が止まり人もいないため、凍結や破裂に気づくのが仕事始めになり、床や在庫が水浸しになっていることもあります。休業前の準備と、起きたときの対応を決めておきます。
凍結しやすい条件と場所
つくば市の案内では、最低気温がマイナス4度以下になるような寒い日に特に注意が必要としています。長野県企業局の案内でも、気温がマイナス4度以下になると凍結事故が多くなると説明されています。
凍結しやすい水道管として、つくば市は次の3つを挙げています。
- 北向きで、日陰にある水道管
- 風当たりが強い戸外にある水道管
- むき出しになっている水道管
事業所では、次の場所を点検対象にします。
| 場所 | 凍りやすい理由 |
|---|---|
| 建物の外壁沿いの配管・屋外の散水栓 | 外気に直接さらされる |
| 倉庫・工場の手洗い場、トイレ | 暖房がない、または夜間・休日に止まる |
| 屋上・機械室の配管 | 風が強く、日が当たらない |
| 給湯器まわり・メーターボックス | 屋外に設置されていることが多い |
| 長く使っていない会議室・空きフロアの給湯室 | 水が流れず、たまったままになる |
年末年始の休業前にやること
1. 保温する
むき出しの配管には、保温チューブや布を巻き、濡れないようにビニールで包みます。つくば市は、蛇口も破裂しやすいので上部まで完全に包むよう案内しています。
2. 長く使わないときは水抜きをする
福井市の案内では、長期間留守にする場合、水道メーターボックス内の元栓(止水栓)を閉め、水道管の水抜きをしておくよう案内しています。水抜きの方法は建物や設備によって違うため、ビル管理会社や設備業者に手順を確認し、社内の手順書に書いておきます。
3. 少量の水を流しておく方法もある
使わない時間帯に蛇口を少し開けて細く水を流し続けると、凍りにくくなります。ただし、福井市の案内にもあるとおり、流した水には水道料金がかかります。休業が長い場合は、水抜きのほうが確実です。
休業前チェック表
| 項目 | 担当 | 確認 |
|---|---|---|
| 屋外・屋上のむき出し配管に保温材を巻いた | 設備担当 | □ |
| 止水栓(元栓)の場所と閉め方を確認した | 総務 | □ |
| 水抜きが必要な系統の水抜きをした | 設備担当 | □ |
| 給湯器の凍結防止機能や水抜きの方法を取扱説明書で確認した | 総務 | □ |
| 休業中に見回る人と、異常時の連絡先を決めた | 総務 | □ |
年末年始の休業前に行うその他の作業は年末年始の総務業務チェックリストにまとめています。
凍ってしまったとき
自然に解けるのを待つか、タオルをかぶせてぬるま湯をゆっくりかけます。福井市は40度前後のぬるま湯を案内しています。
熱湯を直接かけると、水道管や蛇口が破裂することがあります(つくば市、福井市)。社員が急いでポットのお湯をかけないよう、手順書に書いておきます。
破裂したときの対応
- 水を止める:メーターボックス内などの補助バルブ(止水栓)を閉めます。見つからない場合は、つくば市の案内では、応急的に破損箇所をタオルやビニールテープで巻く方法が示されています
- 修理を依頼する:市町村の指定給水装置工事事業者(指定工事店)に修理を依頼します。一覧は各市町村の水道局のホームページで確認できます
- 被害を確認する:床・壁・電気設備・在庫・書類の水濡れを確認し、写真で記録します。電気設備が濡れた場合は、むやみに電源を入れず専門業者に確認してもらいます
- 連絡する:テナントの場合はビルの管理会社と貸主へ、下の階に漏水した場合は相手方にも連絡します
- 保険を確認する:火災保険などで水濡れの損害が補償されるかを保険会社・代理店に確認します(→会社が入る保険の基本)
修理費用の負担
道路の下の水道本管とは違い、敷地内の給水装置(給水管や蛇口など)は所有者のものです。つくば市は「水道管の修理費用は使用者負担となります」、福井市は「修理費用は自己負担となります」と案内しています。賃貸物件の場合は、貸主と借主のどちらが負担するかを賃貸借契約で確認します(→オフィスの賃貸借契約の更新・解約と原状回復)。
休業中の見回りと連絡体制
年末年始の休業が長い場合は、途中で1回は事業所を見回る日を決めておくと、凍結や漏水に早く気づけます。見回りでは次の点を確認します。
- 蛇口をひねって水が出るか(水抜きをしていない系統)
- 床や天井に水の染みがないか、水が流れる音がしないか
- メーターボックスの中で水があふれていないか
あわせて、休業中に漏水を見つけた近隣やビル管理会社から連絡が入ったときに、だれが駆けつけるかを決めておきます。連絡網は安否確認の仕組みづくりで使う緊急連絡先と一緒に管理すると更新が楽です。
よくある質問
テナントで入居している場合はだれが対策するか
共用部分や建物全体の給水設備はビルの管理会社が管理していることが多く、専有部分の給湯室やトイレは借主が気をつける範囲になることが一般的です。どこまでが自社の管理範囲かは賃貸借契約や管理規約で決まっているため、休業前に管理会社に確認しておきます。
水道の使用量が急に増えたら
水道料金の検針で使用量が急に増えていたら、見えない場所で漏水している可能性があります。全部の蛇口を閉めた状態で水道メーターのパイロット(小さな羽根車)が回っていないかを確認し、回っていれば指定給水装置工事事業者に調べてもらいます。
まとめ
- 最低気温がマイナス4度以下の日は凍結に注意。屋外・日陰・むき出しの配管を点検する
- 年末年始の長期休業前は、保温と水抜きを手順書どおりに行う
- 破裂したら止水栓を閉め、指定給水装置工事事業者に修理を依頼する。費用負担は契約と保険を確認する