総務 #社用車管理#届出#オフィス移転

社用車の登録・車庫証明・名義の手続き|購入時、本店移転・社名変更時は15日以内、廃車と自動車税の4月1日

社用車を買うときは、使用の本拠の位置から2km以内の保管場所について警察署長の証明(車庫証明)を受けて登録します。本店移転や社名変更で所有者の名称・住所や使用の本拠の位置が変わったら、15日以内に変更登録が必要です。車庫証明の要件、変更・移転・抹消登録の期限、軽自動車の扱い、自動車税の賦課期日、台帳管理を整理します。

対象読者
社用車の購入・入替えや本店移転・社名変更にともなう車の手続きを、ディーラー任せにせず把握しておきたい、従業員30〜300名の企業の総務担当者
難易度
実務
所要時間
読了7分
最終確認日

この記事のポイント

  • 自動車の保有者は、道路以外の場所に保管場所を確保する。保管場所は使用の本拠の位置(法人は本店・支店・営業所など)から2km以内で、車全体が収まり、使用する権原があることが要件。登録の際に警察署長の証明書を提出する
  • 所有者の名称・住所や使用の本拠の位置が変わったら15日以内に変更登録、所有者が変わったら新所有者が15日以内に移転登録、解体したら15日以内に永久抹消登録を申請する(道路運送車両法第12条・第13条・第15条)
  • 自動車税・軽自動車税の賦課期日は4月1日。年度末に廃車や売却をするなら、3月中に手続きを終える。社用車ごとに名義・保管場所・車検・保険を台帳で管理する

社用車の購入はディーラーが手続きを代行してくれることが多く、総務が中身を意識する機会はあまりありません。ところが、本店移転や社名変更、営業所の閉鎖の際には、車の名義や保管場所の手続きが会社側の宿題として残ります。期限は多くが15日以内です。

この記事では、自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)、道路運送車両法、地方税法の条文をもとに、社用車の登録と名義の手続きを整理します。日々の運用やアルコールチェックは社用車管理とアルコールチェック義務を参照してください。

購入時:車庫証明と登録

保管場所の要件

車庫法第3条は、自動車の保有者に、道路上以外の場所に保管場所を確保することを求めています。施行令第1条の要件は次の3つです。

要件 内容
距離 自動車の使用の本拠の位置との間の距離が2km以内
出入りと収容 道路から支障なく出入りでき、自動車の全体を収容できる
権原 保管場所として使用する権原がある(自社の土地、賃貸借契約、使用承諾など)

使用の本拠の位置は、法人の場合、本店・支店・営業所など事務所の所在地で、現実に営業の実態があることが必要です(栃木県警察の案内)。営業所で使う車を本店の名義で登録する場合でも、使用の本拠をどこにするかで、保管場所の距離の判定が変わります。

手続きの流れ

順番 手続き 窓口
1 保管場所証明の申請(申請書、所在図・配置図、自認書または使用承諾証明書) 保管場所の位置を管轄する警察署
2 保管場所証明書の交付(栃木県警察の案内では概ね1週間程度) 同上
3 新規登録(証明書を提出) 運輸支局等
4 ナンバーの交付、自動車検査証の交付 同上

登録の際に、警察署長の交付する保管場所の証明書の提出が必要です(車庫法第4条)。手数料や様式は都道府県警察ごとに定められています。国土交通省の「自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)」を使うと、検査・登録、保管場所証明、自動車関係の税の納付をまとめて電子申請できます。

軽自動車

軽自動車は、新たに運行の用に供しようとするときに、保管場所の位置を管轄する警察署長に保管場所の届出をします(車庫法第5条)。届出が必要な地域は限られているため、使用の本拠の所在地で必要かを警察の案内で確認します。

本店移転・社名変更のとき

変わったこと 必要な手続き 期限 根拠
所有者の名称(社名変更) 変更登録 15日以内 道路運送車両法第12条
所有者の住所(本店移転) 変更登録 15日以内 同上
使用の本拠の位置(車を置く事業所の移転) 変更登録(新しい保管場所の証明書が必要) 15日以内 同上、車庫法第4条
保管場所だけを変えた(同じ事業所で駐車場を変更) 保管場所の変更届出 15日以内 車庫法第7条
使用者の情報(リース車で使用者が自社の場合など) 自動車検査証の変更記録 15日以内 道路運送車両法第67条

行政区画や土地の名称の変更(市町村合併など)による住所の変更は、自動車検査証の変更記録は不要とされています(第67条第2項)。

本店移転では、登記・税務署・年金事務所などの届出と同時期に、車の手続きが重なります。移転の全体の段取りはオフィス移転の総務チェックリストとオフィス移転チェックリストに、車の項目を入れておきます。

リース車は、所有者がリース会社、使用者が自社となっているのが一般的です。所有者側の手続きはリース会社が行うため、社名変更・移転が決まったら早めにリース会社に連絡します。

売却・廃車のとき

場面 手続き 期限
他社に売却・譲渡 新所有者が移転登録 所有者の変更から15日以内(第13条)
解体(廃車) 永久抹消登録 解体の報告の記録がされたことを知った日から15日以内(第15条)

売却した車の移転登録が行われないと、名義が自社に残り、自動車税の納税通知や違反の通知が届くおそれがあります。売却先から移転登録後の自動車検査証の写しを受け取って確認します。

自動車税の賦課期日

自動車税・軽自動車税の賦課期日は4月1日です(地方税法第155条・第449条)。4月1日時点の所有者に、その年度の税がかかります。年度末に入替えや廃車を予定しているなら、3月中に登録の手続きまで終えるよう、ディーラーと日程を調整します。

社用車台帳で管理する

項目 内容
登録番号・車台番号 自動車検査証から転記
所有者・使用者 自社/リース会社
使用の本拠・保管場所 事業所名、駐車場の所在地、契約の有無
車検満了日 自動車検査証から
自賠責・任意保険 満期日、保険会社
担当部署・主な運転者 安全運転管理者との共有

台帳は社用車管理表が使えます。保管場所以外の道路に長時間止める運用は、車庫法第11条で禁止されています(同一の場所に引き続き12時間以上、夜間は8時間以上)。営業所の駐車場が足りないときは、月極駐車場の契約と保管場所の証明を先に手当てします。駐車違反の対応は社用車の駐車違反と放置違反金を参照してください。

よくある質問

リース車の車庫証明や名義変更は誰が行うか

リース車は、所有者がリース会社、使用者が自社となっているのが一般的で、登録の手続きはリース会社や販売店が代行することが多くあります。ただし、保管場所の使用承諾や、使用の本拠の位置の情報は自社から提供する必要があります。社名変更・移転の予定が決まった段階で、リース会社に必要書類を確認します。

社員の自家用車を業務に使う場合は

社員が所有する自家用車の登録や車庫証明は社員本人の手続きです。会社としては、業務使用を認める範囲、任意保険の加入条件、事故時の負担を規程で定めます(マイカー通勤・自転車通勤のルール)。

営業所を閉鎖したら

その営業所を使用の本拠としていた社用車は、別の事業所に移すなら使用の本拠の位置の変更として15日以内に変更登録が必要で、新しい保管場所の証明も取り直します。売却や廃車にするなら、移転登録や抹消登録が終わったことを確認します。

まとめ

  • 社用車の登録には、使用の本拠の位置から2km以内の保管場所について警察署長の証明が必要。法人の使用の本拠は本店・支店・営業所など
  • 社名変更・本店移転・使用の本拠の移転では15日以内に変更登録。保管場所だけの変更は15日以内に警察署へ届出
  • 売却は新所有者が15日以内に移転登録、解体は15日以内に永久抹消登録。自動車税は4月1日の所有者にかかる
  • 名義・保管場所・車検・保険を台帳にまとめ、移転や社名変更のチェックリストに車の手続きを入れる

この記事で使えるテンプレート

CSV 総務 社用車 使用簿・管理台帳 社用車の使用記録(運転日誌)を1回1行で残す使用簿です。運転者、用務・行先、出発・帰着の時刻と走行距離、日常点検、アルコールチェックの実施、事故・異常の有無を記録できます。車検・保険を管理する台帳の項目例も載せています。 DOCX 総務 オフィス移転チェックリスト 本社・事業所を移転するときの準備、行政への届出(登記・税務署・年金事務所・労働基準監督署・ハローワーク・消防署)、従業員関係の手続き、移転後の確認までを時期別にまとめたチェックリストです。

この記事に出てくる用語

アルコールチェック
安全運転管理者の選任が必要な事業所で、社用車の運転前後に運転者の酒気帯びの有無を確認し、記録することです。アルコール検知器の使用が義務づけられています。
安全運転管理者
社用車を一定台数以上使う事業所で、運転者の安全運転の指導や酒気帯びの確認などを行う責任者です。道路交通法にもとづいて選任し、公安委員会(警察署経由)に届け出ます。
年金事務所
日本年金機構の地域の窓口で、健康保険(協会けんぽ)・厚生年金保険の加入や保険料に関する会社の届出を受け付けます。

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出典・参考資料

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