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一人総務がAI活用を始める最初の30日プラン:ルール確認から3つの業務での試行、振り返りまで

生成AIを業務で使いたいけれど、何から始めればよいか分からない。そんな一人総務・兼任人事のために、最初の30日でやることを週ごとに整理しました。社内ルールの確認、入力してよい情報の線引き、最初に試す3つの業務、効果の記録と振り返りまでを紹介します。

対象読者
生成AIをまだ業務で使っていない、または個人的に少し試しただけの、従業員30〜300名の企業の一人総務・兼任人事
難易度
基本
所要時間
読了9分
最終確認日

この記事のポイント

  • 1週目は使う前の準備。利用できるサービスと設定、入力してよい情報の範囲を確認し、なければ簡単なルールを作る
  • 2〜3週目は、個人情報を含まない3つの業務(社内通知の下書き、議事録の整理、関数づくり)で試し、時間を記録する
  • 4週目に振り返り、続ける業務・やめる業務・次に試す業務を決める。従業員の個人情報やマイナンバーは入力しない

生成AIを業務に使う会社は増えています。一方で、一人で総務や人事を担当していると、調べる時間も相談相手もなく、「何から始めればよいか分からない」まま後回しになりがちです。

この記事では、最初の30日を4つの週に分け、毎週やることを1〜3個に絞った計画を紹介します。1日15〜30分ほどの時間で進められる内容です。AIに任せられる業務の全体像はAIに任せられる業務・任せられない業務の線引きで整理しています。

30日の全体像

週 テーマ ゴール
1週目(1〜7日) 準備 使うサービスと、入力してよい情報の範囲が決まっている
2週目(8〜14日) 試す① 2つの業務でAIを使い、時間を記録している
3週目(15〜21日) 試す② 3つ目の業務を試し、指示文(プロンプト)をテンプレートにしている
4週目(22〜30日) 振り返り 続ける・やめる・次に試すを決め、上長に報告している

1週目:使う前の準備

1日目〜3日目:社内のルールとサービスを確認する

まず、会社として使ってよいAIサービスが決まっているかを確認します。

確認すること 確認先
生成AIの利用ルールがあるか 情報システム担当、上長
会社として契約しているサービスがあるか 情報システム担当、経理
入力した内容が学習に使われない設定にできるか サービスの利用規約・設定画面
会社のアカウントで使えるか 個人アカウントで業務をしない

4日目〜7日目:入力してよい情報を決める

ルールがない場合は、最低限の線引きを決めて上長の了承を得ます。本格的なルールは生成AIの社内利用ガイドラインのつくり方を参考にします。

入力してよい 入力しない
一般的な文章の下書きの依頼 従業員の氏名・住所・生年月日・社員番号
公開されている法令・行政資料 マイナンバー
個人が分からないように一般化した条件 健康診断の結果、病歴、家族の事情
スプレッドシートの列の構成(データは除く) 給与・評価の個別データ
社外に出してよい社内規程の条文 取引先との契約内容、未公表の経営情報

迷ったら入力しない、を原則にします。個人情報保護委員会も、生成AIサービスに個人情報を入力する場合の注意を示しています。

2週目:個人情報を含まない業務で試す

最初は、個人情報を含まず、失敗しても影響が小さい業務を選びます。2週目は次の2つから始めます。

業務1:社内通知の下書き

年末年始の休業案内、健康診断の日程案内、防災訓練のお知らせなど、毎年似た文章を書く通知です。

社内向けのお知らせ文を作ってください。
・内容:年末年始の休業期間({期間})と、休業中の緊急連絡先
・読み手:全従業員
・長さ:200字程度、です・ます調
・最後に問い合わせ先として「総務担当」と入れる

例文は社内通知・お知らせ文をAIで作るにまとめています。

業務2:会議メモの整理

自分で書いた箇条書きの会議メモを、議事録の形に整えてもらいます。録音の文字起こしを使う場合は、録音の告知や入力してよい会議の線引きが必要になるため、最初は自分のメモから始めます(→会議の議事録をAIで作る運用ルール)。

時間を記録する

試した業務は、次の形で記録します。

日付 業務 AIなしの目安 AIありの時間 うち確認・修正 メモ
10/9 休業案内の作成 30分 10分 5分 日付の誤りを修正

「確認・修正」の時間も必ず記録します。記録のしかたは人事総務のAI導入効果の測り方で詳しく紹介しています。

3週目:3つ目の業務と、指示文のテンプレート化

業務3:スプレッドシートの関数づくり

「この列とこの列を比べて、違う行に色を付けたい」のような作業は、AIに関数を書いてもらうと短時間で済みます。渡すのは列の構成だけで、データそのものは渡しません(→スプレッドシート関数・GASをAIに書かせるコツ)。

指示文をテンプレートにする

2週目から使ってきた指示文のうち、うまくいったものを保存します。

テンプレートに入れる要素 例
目的 社内向けのお知らせ文を作る
読み手 全従業員、管理職、新入社員
条件 長さ、文体、入れる項目
差し込み項目 {期間}{場所}{締め切り}
確認の観点 日付・数字・固有名詞は自分で確かめる

テンプレートは、社内の共有フォルダやメモに置いておくと、自分が休んだときにも使えます。

4週目:振り返りと次の計画

続ける・やめる・次に試すを決める

3週間の記録を見て、業務ごとに判断します。

判断 目安
続ける 確認・修正を含めても時間が減った。品質も問題ない
やり方を変える 時間は減ったが修正が多い。指示文を見直す
やめる 確認の手間が大きく、時間が減らない

次に試す業務は、業務の棚卸しから選ぶと抜けがありません(→人事総務の業務棚卸しをAIで進める)。問い合わせ対応が多い場合は、社内の人事・総務FAQをAIで作るが次の候補になります。

上長に報告する

1か月の結果を、短く報告します。

【生成AIの試行結果(10月)】
試した業務:社内通知の下書き、会議メモの整理、関数づくり
削減時間:月あたり約〇時間(確認・修正を含む)
守ったルール:個人情報・マイナンバーは入力していない
続ける業務:社内通知、関数づくり
次に試す業務:社内FAQの整備
相談したいこと:会社としての契約プランの検討

よくあるつまずき

つまずき 対応
AIの回答をそのまま使って誤りがあった 日付・数字・固有名詞・法令の内容は必ず自分で確かめる
毎回指示文を一から書いている 3週目のテンプレートを使う
便利なので個人情報を入れたくなる 1週目に決めた線引きに戻る。迷ったら入れない
忙しくて試す時間がとれない 1日15分、1業務だけに絞る

まとめ

  • 1週目は、使うサービスと入力してよい情報の範囲を確認・決定する
  • 2〜3週目は、個人情報を含まない3つの業務で試し、確認・修正を含めた時間を記録する
  • うまくいった指示文はテンプレートにして共有する
  • 4週目に続ける・やめる・次に試すを決め、上長に報告する

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出典・参考資料

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