総務 #社用車#安全運転管理#車検#点検

社用車の日常点検・定期点検と車検の管理|1年・6か月点検の区分、点検整備記録簿の保存、車検は満了2か月前から

道路運送車両法は、自動車の使用者に日常点検と定期点検を求めています。自家用乗用車は1年ごと、小型の自家用貨物車は6か月ごとなど、車の種類で点検の間隔が違います。点検整備記録簿の保存期間、車検の有効期間と2025年4月から満了日の2か月前に広がった受検期間、総務がつくる期限管理表の作り方を整理します。

対象読者
営業車・軽バン・小型トラックなどの社用車を管理する従業員30〜300名の企業の総務担当者・安全運転管理者
難易度
実務
所要時間
読了7分
最終確認日

この記事のポイント

  • 日常点検は使用者の義務。安全運転管理者は、運転前の点呼などで運転者が点検をしたか確認する
  • 定期点検は、自家用乗用車・軽乗用車は1年ごと、小型・中型の自家用貨物車やレンタカーの乗用車は6か月ごと。点検整備記録簿は1年点検の車は2年、6か月点検の車は1年保存する
  • 車検は2025年4月から有効期間満了日の2か月前から受けられる。年度末は混むため、1〜3月満了の車は早めに予約する

社用車の管理というと、アルコールチェックや事故対応に目が向きがちですが、点検と車検の期限管理も使用者である会社の責任です。車検切れの車を運転させてしまう、定期点検を何年も受けていない、といったことは台数が増えるほど起きやすくなります。点検の種類と期限を整理し、総務が1枚の管理表で回せるようにします。

会社に求められる点検の種類

道路運送車両法は、自動車の使用者(社用車なら会社)に次の点検を求めています。

点検 根拠 内容
日常点検 道路運送車両法第47条の2 灯火装置の点灯、ブレーキの作動など、日常的に点検すべき事項を目視などで点検
定期点検 同法第48条 車の種類ごとに決められた間隔で、決められた項目を点検
点検整備記録簿 同法第49条 点検の結果や整備の内容を記録し、保存
車検(継続検査) 同法第62条など 自動車検査証の有効期間ごとに国の検査を受ける

日常点検

国土交通省「点検整備の種類」によると、マイカーなどは走行距離や運行時の状態から判断した適切な時期に、事業用自動車などは1日1回運行前に、日常点検を行います。

安全運転管理者を選任している事業所では、道路交通法施行規則第9条の10第5号により、運転しようとする運転者に点呼を行うなどして、道路運送車両法第47条の2第2項の点検の実施などを確認し、必要な指示を与えることが安全運転管理者の業務とされています。アルコールチェックの点呼と同じタイミングで、タイヤ・ライト・ブレーキの確認をしたかを聞く運用にすると負担が増えません。

定期点検の間隔

国土交通省「点検整備の種類」では、車の種類ごとに次の間隔が示されています。

車の種類 点検の間隔 点検項目数
自家用乗用車、軽乗用車など 1年ごと/2年ごと 29項目/60項目
小型・中型の自家用貨物車、レンタカー(乗用) 6か月ごと/12か月ごと 24項目/86項目
事業用自動車(バス・タクシー・トラック)、自家用大型トラックなど 3か月ごと/12か月ごと 51項目/101項目

営業用の軽バンや小型トラックを「自家用」で使っている場合、乗用車と同じ1年ごとではなく、6か月ごとの点検の区分に入ることがあります。車検証で用途(乗用・貨物)を確認し、車両ごとに区分を決めておきます。

点検整備記録簿の保存

同じページでは、点検整備記録簿の保存期間が次のとおり示されています。記録簿は車に備え付けておきます。

点検の区分 保存期間
1年点検の対象車 2年
3か月・6か月点検の対象車 1年

整備工場に点検を頼んだ場合も、記録簿が車内にあるか、総務で写しを保管しているかを確認します。

車検の有効期間と受けられる時期

自動車検査登録総合ポータルサイトによると、主な社用車の車検の有効期間は次のとおりです。

車の種類 初回 2回目以降
自家用乗用車 3年 2年
軽自動車(乗用) 3年 2年
軽自動車(貨物) 2年 2年
貨物車(車両総重量8トン未満) 2年 1年
レンタカー(乗用) 2年 1年

国土交通省の報道発表のとおり、2025年4月1日から、車検(継続検査)は有効期間満了日の2か月前から受けても、残りの有効期間が失われないようになりました(以前は1か月前から)。年度末は車検が混み合うため、1〜3月に満了する車は2か月前を目安に予約すると安心です。

車検が切れた車は公道を走れません。車検切れの車を運転させると、運転者だけでなく会社の管理も問われます。リース車でも、車検の手配がリース会社任せになっていないかを確認してください。

日常点検で見るポイント

日常点検の具体的な項目は、国土交通省の点検整備の種類のページからたどれる自動車点検基準で決まっています。社内では、運転者が毎回の運転前に短時間で確認できるよう、次のように整理して車内に置いておくと続けやすくなります。

見る場所 確認すること
タイヤ 空気圧が不足していないか、亀裂や傷、溝の深さ
ライト類 前照灯・ブレーキランプ・方向指示器が点灯・点滅するか
ブレーキ ペダルの踏みしろ、効き具合
エンジンルーム ウインドウォッシャー液、冷却水、エンジンオイルの量
運転席 警告灯が点いたままになっていないか

異常に気づいたら運転せず、総務か安全運転管理者に連絡するルールにします。

総務がつくる期限管理表

車両ごとに、次の項目を1行にまとめます。

項目 記入例
登録番号・車種・用途 ○○ 400 あ 12-34、軽バン、貨物
所有・リースの別 リース(契約満了2028年3月)
定期点検の区分と次回予定 6か月点検、次回2027年1月
車検満了日と予約予定 2027年2月20日、12月20日以降に予約
自賠責・任意保険の満了日 2027年2月20日、2027年4月1日
冬用タイヤ・チェーン 11月交換、チェーンあり
担当者 営業部 ○○

月初に表を見て、2か月以内に期限が来るものを担当者に知らせる運用にすると、見落としを防げます。システムで管理する場合の選び方は社用車の車両管理システムの選び方、冬の準備は社用車の冬支度、名義や登録の手続きは社用車の登録・車庫証明・名義の手続きを参照してください。

よくある質問

リース車の点検はだれの責任か

メンテナンス付きのリースでは、定期点検や車検の手配をリース会社が行うことが多いですが、契約によって範囲が違います。日常点検は運転する側が行うものなので、リース車でも社内のルールに含めます。契約書で「点検・車検の手配」「代車」「費用負担」がどうなっているかを確認しておきます。

社員のマイカーを業務で使う場合は

マイカーの点検や車検は所有者である社員が行いますが、業務で使う以上、会社も車検の有効期間や任意保険の加入状況を確認しておく必要があります。許可の手続きはマイカー通勤・自転車通勤の許可制と規程を参照してください。

まとめ

  • 日常点検・定期点検・記録簿の保存は、使用者である会社の義務
  • 自家用の軽バンや小型トラックは6か月点検の区分になることがあるため、車検証の用途を確認する
  • 車検は満了日の2か月前から受けられる。期限管理表を月初に確認して、年度末の混雑を避ける

この記事で使えるテンプレート

CSV 総務 社用車 使用簿・管理台帳 社用車の使用記録(運転日誌)を1回1行で残す使用簿です。運転者、用務・行先、出発・帰着の時刻と走行距離、日常点検、アルコールチェックの実施、事故・異常の有無を記録できます。車検・保険を管理する台帳の項目例も載せています。

この記事に出てくる用語

アルコールチェック
安全運転管理者の選任が必要な事業所で、社用車の運転前後に運転者の酒気帯びの有無を確認し、記録することです。アルコール検知器の使用が義務づけられています。
安全運転管理者
社用車を一定台数以上使う事業所で、運転者の安全運転の指導や酒気帯びの確認などを行う責任者です。道路交通法にもとづいて選任し、公安委員会(警察署経由)に届け出ます。

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出典・参考資料

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