法改正総務

個人事業者等の業務上災害の報告制度を創設(休業4日以上を労基署へ報告)

2027年1月から、労働者と同じ場所で作業する個人事業者が業務上の災害で死亡・休業4日以上となった場合、仕事を発注した「特定注文者」などが労働基準監督署へ報告する制度が始まります。中小規模事業者の役員などの被災も報告対象になります。

施行日 2027年1月1日 あと64日
対象企業
個人事業者(フリーランス・一人親方など)に仕事を発注し、同じ場所で作業する企業/自社の場所で個人事業者が作業する企業/中小規模事業者(役員の被災)
根拠法令
労働安全衛生法(令和7年法律第33号による改正)・労働安全衛生規則(令和7年厚生労働省令第120号による改正)
対応期限
2027年1月1日以後に把握した災害から、電子申請で遅滞なく報告
最終確認日
2026年10月28日

会社がやること

何が変わるか

これまで、労働基準監督署への死傷病報告は、雇用する「労働者」が被災した場合に限られていました。2025年の改正労働安全衛生法により、労働者以外の個人事業者などの災害も把握する仕組みが設けられ、2027年1月1日から報告制度が始まります。施行の全体像は改正労働安全衛生法の記事にまとめています。

誰が どんなときに どこへ
特定注文者(個人事業者に仕事を発注し、同じ場所で自らも仕事を行う者) 個人事業者が労働者と同じ場所での作業中に、業務上の負傷・疾病で死亡または休業4日以上となったことを把握したとき 所轄の労働基準監督署長(電子申請)
災害発生場所管理事業者等(特定注文者がいない場合に、その場所を管理する事業者) 同上 同上
個人事業者本人 休業したとき 特定注文者または災害発生場所管理事業者等へ報告
中小規模事業者 役員など自ら作業に従事する者が、労働者と同じ場所で業務上の負傷・疾病により死亡・休業したとき 所轄の労働基準監督署長(電子申請)

数次の請負の場合、特定注文者はその場所にいる注文者のうち、最も後次の請負契約の注文者です。脳・心臓疾患や精神障害による死亡・休業は、この報告義務の対象外で、本人などが任意で報告できる仕組みになっています。

対象

業務委託のエンジニアやデザイナー、設備工事の一人親方など、個人事業者が自社の労働者と同じ場所で作業している会社は、業種を問わず関係する可能性があります。通達では、個人事業者から報告を受けた場合だけでなく、災害を目撃した場合や救急搬送を把握した場合も「把握したとき」に含まれるとされています。

会社がやること

  • 個人事業者の把握:社内に常駐・出入りする個人事業者を名簿で管理します。発注部署ごとに把握している場合は、総務で一元化しましょう
  • 報告手順の整備:災害を把握した部署から総務へ連絡し、電子申請で労基署へ報告する流れを決めます
  • 契約時の案内:個人事業者には、休業した場合に自社へ報告する義務があることを伝えておくとスムーズです
  • 不利益取扱いの禁止:報告を理由に取引停止などの不利益な扱いをすることは禁止されています

注意点

  • この報告義務は罰則を伴わない義務規定とされています。ただし、報告主体に当たることと災害防止上の責任は別に整理されているため、安全配慮の取組は引き続き必要です
  • レンタルスペースやカフェの利用者として作業中に被災した場合など、その場所の仕事と関わりのない作業での災害は、場所の管理者に報告義務は生じないとされています
  • 自社の労働者が被災した場合の手続きは労災発生時の対応の記事を参照してください

出典・参考資料

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